チョコレートで花粉症対策!?上手なチョコの食べ方と注意点を伝授
2月のイベントといえば、バレンタインデー。チョコレートを口にする機会も増えるのではないでしょうか?
高カロリーなチョコレートはダイエットの敵だと考えられていますが、チョコレートに含まれたカカオポリフェノールという成分が動脈硬化や認知症、便秘といった症状の改善や予防にも効果があることが分かっています。※
そのほかにも、細胞の老化を防ぐ抗酸化作用が高く、免疫力アップのほか、花粉症に代表されるアレルギー症状の緩和や予防にも効果があるという研究結果もあります。
2019年は6年ぶりに花粉の飛散量が増えるという予測もありますが、本当にチョコレートで花粉症は予防できるのか、医療法人 小田原博信会の理事長であり、久野銀座クリニックの院長 ・岡村信良先生に聞いてみました。
チョコレートがアレルギーに効くって本当?
カカオポリフェノールとはどのような成分なのでしょうか? また、アレルギーに対してどのような働きをするのかについて、岡村先生はこう答えてくれました。
「チョコレートの原料のカカオ豆に多く含まれているのがポリフェノールです。ポリフェノールには抗酸化作用があります。
さらに『アレルゲンに対して抗体が作られるのを防ぐ』『肥満細胞※からヒスタミンが放出されるのを防ぐ』といった働きがあるといわれています。そのため、アレルギー予防や症状の軽減に効果が期待されています」
※哺乳類の粘膜下組織や結合組織などに存在する造血幹細胞由来の細胞で、肥満とは関係ありません。
高カカオポリフェノールで花粉症対策
さらに岡村先生は、チョコレートによる花粉症対策についても言及してくれました。
「花粉症対策として効果が期待できるという研究はいくつかあります。対策の1つとしてチョコレートを食べるのであれば、1ヶ月以上継続しましょう。
また、カカオポリフェノールの効果的な食べ方としては、高カカオポリフェノールチョコレートを1日の中で1カケほどを3~5回程度に小分けにして摂取すると良いでしょう。
しかし、チョコレートにはカフェインが含まれているので夜の摂取は控えてください。また、食べ過ぎは糖分の過剰摂取につながるので注意しましょう。適量を食後やおやつに食べると良いのではないでしょうか。
チョコレートは食品なので、それだけで花粉症対策ができるものではありません。あくまでも補助的に食べて過信しすぎないようにしましょう」
通常のチョコレートは、カカオが30~40%のところ、高カカオポリフェノールチョコレートとは70%以上のものを指します。チョコレートで花粉症対策をする場合、高カカオポリフェノールチョコレートを選ぶことが大切です。
花粉症を悪化させるという見解も!?
一方で、チョコレートなどの甘いものは花粉症を悪化させるという見解もあるようです。このことについて岡村先生はこう答えています。
「これはチョコレートに含まれる砂糖が関係しています。砂糖を多く含むチョコレートや甘いものを多く摂ると、炎症物質であるヒスタミンやロイコトリエンの放出が増え、花粉症の症状が悪化しやすくなると考えられます」
チョコレートアレルギーには注意
チョコレート自体が原因の「チョコレートアレルギー」もあるようです。
「カカオに含まれるチラミン、ニッケルが主な原因となることがあります。チラミンは頭痛や蕁麻疹を起こすことがあり、チョコレートのほかにも赤ワインやチーズ、イチジクといった食品に含まれています。
また、ニッケルのアレルギーは湿疹や痒みが症状として現れます。チョコレートを食べた後にこのような症状が現れたことがある人は、アレルギーテストを受けて体質を確認した方が良いでしょう」(岡村先生)
チョコレートのカカオポリフェノールは、血液をサラサラにして動脈硬化を防ぐということは有名ですが、アレルギーにも効果があることが分かっています。
また、チョコレートを食べることで、セロトニンやオキシトシン、エンドルフィンなどの「幸せホルモン」の分泌を促してくれるそうです。
甘いもの(チョコレート)を食べると幸せな気分になるのは、そんなことも関係しているのかもしれません。花粉症の季節は、チョコレートでつらい気持ちが少しでもやわらぐといいですね。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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