花粉症による熱は何度?風邪との違いを解説!解熱剤は飲んで良い?
花粉症、というと『鼻水』や『くしゃみ』『目のかゆみ』といった症状の印象が強いですが、『発熱』を引き起こすこともあります。
この記事では、花粉症によって発熱が起こるしくみや何度くらい出るのか、市販の解熱剤は飲んでも良い?などの対処法を解説します。
花粉症で、熱が出ることも!?
花粉症の主な症状は、くしゃみや鼻みず、鼻づまり、目のかゆみ、涙、充血などです。
その他、熱っぽい感じがする、のどや皮膚のかゆみ、下痢などの症状があらわれることもあります。
1.なぜ花粉症で熱が出るの?
鼻の炎症から、微熱に!
花粉症で熱が出る原因のひとつは、『アレルギー性鼻炎』により、鼻が炎症状態にあることです。
鼻に炎症が生じていることで身体のだるさや頭が重く感じて、熱が出ることもあります。また、副鼻腔炎の併発なども発熱のきっかけとして考えられます。
身体が免疫力を上げようとして発熱することもある
また、身体が花粉を異物とみなし、体外に排泄しようとする『防御反応』が原因で発熱することもあります。
花粉症を発症していることで身体が過剰な免疫反応を起こし発熱する可能性も考えられます。
2.何度くらいの熱が出る?
花粉症が原因で発熱する場合は、37度台の微熱が続くことが多いです。
38度以上の高い熱が出ることはほとんどありません。
風邪の熱と、花粉症の熱はどう違う?
1.風邪による熱と、花粉症による熱の見分けかた
花粉症の方がシーズン中に風邪を引いた場合、風邪と花粉の両方か、どちらか一方の症状が出ます。
鼻水の他に咳や痰、喉の痛みがみられたら、風邪の可能性が高いでしょう。
他の症状にも注目!
花粉症の時期に、くしゃみや鼻づまり、目のかゆみとともに熱が出る場合は、花粉症が原因の発熱である可能性が高いです。
特に目のかゆみは風邪の症状として出ることはありません。
また、先に解説したように、花粉症による熱の場合は、あまり高い熱が出ないことも特徴です。
花粉症の鼻水はさらさらしている
花粉症による鼻水は、透明でさらさらしています。これに対して、風邪による鼻水は、白から黄色の粘り気のある鼻水であることが多いです。
2.花粉症でも咳やのどの痛みが生じることがある
花粉症で目や鼻の症状を自覚していなくても、咳やのどの痛みが生じることがあります。
のどに鼻水が流れ込むことを『後鼻漏』といいます。後鼻漏が、のどを刺激して咳が出て、さらに咳が続いてのどが痛くなる…ということも珍しくありません。
また、咳が続くとのどが痛くなる他、口呼吸になって、乾燥した空気が直接気道の粘膜に触れることでのどを痛め、風邪の症状として発熱を引き起こすこともあります。
花粉症で熱が出たときの対処法
1.基本的には、病院の受診がおすすめ
花粉症で発熱したら、病院を受診することをおすすめします。
病院を受診することで、症状に合わせた治療薬を処方してもらうことができます。
2.市販の解熱剤を飲んでも良い?
市販の解熱剤を服用することで一時的に症状が緩和されるケースもありますが、花粉症の症状自体が治まらなければ、再度症状があらわれる可能性が高いです。
そのため風邪とアレルギー症状が同時に発症している場合、どちらかといえば「抗アレルギー薬」を服用して花粉の症状を抑えるのが先です。
ただし高熱が出ていたり、微熱が日中の活動に支障をきたしたりする場合は、解熱剤を服用しても良いでしょう。
市販薬を服用しても、改善がみられなければ病院を受診することをおすすめします。
3.花粉症の熱が続く期間
スギ花粉の飛散が多い2~5月頃に体全体が熱っぽい状態が続くことが多いです。
ただし、花粉が飛散しているのは春だけに限ったことではありません。
スギ花粉以外に、ヒノキやブタクサなども花粉症の原因となります。
自分のアレルゲンとなる植物の花粉がいつ頃飛散するかによって、症状が出る期間は異なります。
4.外出時&自宅でできる花粉症対策
外出時は、メガネやマスクを着用
外出するときは、メガネやマスクを着けて、鼻や目に入る花粉の量を減らしましょう。
それぞれ花粉症用の商品も販売されているので、使い勝手の良いものを選ぶと良いですね。
コンタクトレンズやウールの服はなるべく避ける
コンタクトレンズを使用している人は、メガネに変えることをおすすめします。
コンタクトレンズと目の『結膜』との間に、花粉が入ってこすれ、目のかゆみを引き起こすことがあります。
また、羊毛類(ウール)の衣類は、花粉が付着しやすいのでなるべく避けるようにしましょう。
外から帰ったら、手洗い、うがい、洗顔を!
外から帰ったら、まず上着を玄関ではたいてください。
そして、手洗い、うがい、洗顔まで行いましょう。家の中に極力花粉を持ち込まないようにすることが大切です。
花粉の多い日は窓を開けず、部屋干しがおすすめ
花粉の飛散が多い日は、窓を開けないようにしましょう。
また、洗濯物や布団もできるだけ外には干さないようにして、部屋干しにすることをおすすめします。
生活習慣の見直しも。たばこは粘膜を傷つけやすい
たばこは鼻や喉などの粘膜を傷つけやすいので、花粉症の時期はできるだけ控えてください。
規則正しい生活を送り、ストレスを溜めないようにすることも大切です。
まとめ
花粉症で、鼻や目の症状以外に『発熱』がみられることもあります。高熱が出ることは少なく、微熱が続くことがほとんどです。
風邪と症状が似ているため、間違いやすいですが、花粉が飛散している時期に、他の花粉症の症状と同時に微熱が出始めたら、花粉症による発熱を疑いましょう。
いずれにしても早めに病院を受診し、治療を受けることが大切です。
執筆・監修ドクター
経歴2010年 昭和大学医学部卒業
2010年 昭和大学横浜市北部病院初期研修医
2012年 昭和大学横浜市北部病院総合内科
2014年 帰陽会丹羽病院
2015年 昭和大学横浜市北部病院総合内科助教
2017年 霞ヶ関診療所
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