花粉症で頭痛が起こる5つの原因は?市販の鎮痛剤を飲んでもいい?
『花粉症』は、鼻水や鼻づまり、目のかゆみだけでなく、頭痛を引き起こすこともあります。
頭痛は、おもに鼻水や鼻づまりによって酸欠を起こしているために起こります。ひどい場合は鼻に膿がたまる『副鼻腔内』を起こしていることもあります。
この記事では、花粉症による頭痛の原因や症状とともに、治療法や対処法をご紹介します。
花粉症で頭痛が起こる5つの原因
1. 鼻の粘膜の炎症による酸欠
鼻の粘膜が炎症すると空気の通りが悪くなり、脳が酸素を取り込みにくくなるため『酸欠状態』になります。
酸欠状態になると、酸素を得るために血流を増やそうとするため、血管が広がります。血管が広がると周囲を取り巻いている神経が圧迫され、刺激を受けます。
それによって頭痛が起こります。
2.『副鼻腔炎』によるもの
花粉症で鼻に炎症が続くと『副鼻腔炎』を発症することがあります。
副鼻腔内に膿がたまった状態になると、さらに酸欠が進むため、激しい頭痛をともないます。
鼻水がサラサラと水のような症状から黄色や粘りのあるものに変化すると、副鼻腔炎の可能性があります。
3.アレルギー反応によるもの
体内に花粉や食べ物などのアレルゲンが入ると、それを体外へ排出しようとして「ヒスタミン」が分泌されます。
ヒスタミンには血管拡張作用があるため、アレルギー症状が頭痛を引き起こすことがあります。
4.鼻水や鼻づまりによる睡眠不足
鼻水や鼻づまりで息苦しくなると、睡眠不足を起こしやすくなります。睡眠不足による自律神経の乱れが、頭痛に影響します。
自律神経が乱れると、『交感神経』『副交感神経』のスイッチ交感がうまくできなくなります。
交感神経が優位となると緊張状態が続くため、筋肉が神経を圧迫して頭痛が起こるという仕組みです。
5.花粉症の症状によるストレス
鼻水や鼻づまりなど、花粉症の不快な症状によるストレスで自律神経が乱れ、頭痛を引き起こすことがあります。
花粉症による「頭痛」の特徴とそのほかの症状
1.花粉症による頭痛の特徴
顔面とくに目・鼻・額の痛みをともない、後頭部や頭の側面が重たく感じる場合があります。これとともに鼻水や鼻づまりの症状も併発します。
2.頭痛とともにあらわれやすい症状
肩こり
肩こりは花粉症の不快な症状によるストレスで交感神経が優位になり、筋肉が緊張状態になることで起こります。
めまい
めまいは、花粉症による鼻づまりや眠気の副作用のある薬の影響によるものです。
吐き気や下痢
花粉や花粉を含んだ鼻水が体内に入ると、胃腸に付着して吐き気や下痢をともなうことがあります。
花粉症による頭痛の治療法。何科へ行くべき?
1.市販の鎮痛剤を飲んでも良い?
花粉症が原因の頭痛であれば、痛みをやわらげるため、市販薬を飲んで様子をみてもよいでしょう。
ただし、鼻水や鼻づまりがひどく「鼻炎薬」を飲んでいる場合、飲み合わせの悪い薬もあります。
医師や薬剤師に相談して飲み合わせを確認しましょう。
2.花粉症の頭痛は『耳鼻いんこう科』へ
頭痛というと、内科や脳神経外科をイメージされるかもしれませんが、花粉症の頭痛は「鼻づまり」による酸欠も原因のひとつです。
『耳鼻いんこう科』であれば、花粉症の治療も兼ねて医師に相談ができます。
3.まずは花粉症の改善から
花粉症からくる頭痛の場合、まずは花粉症の治療や頭痛を受けることになります。花粉症そのものが改善されると、頭痛も和らいでくるでしょう。
問診時に、頭痛があることを伝えて薬を処方してもらってください。それでも改善しない場合は、脳神経内科などを紹介してもらいましょう。
4.日常生活での改善法
ストレスを軽減して自律神経を整える
花粉症による頭痛は、花粉症の症状に対するストレスも関係しており、自律神経の乱れが原因なっていることもあります。
症状を悪化させないための対処としては、規則正しい食生活・睡眠・適度な運動を取り入れ免疫力を上げることです。
深呼吸で体内に酸素を取り込む
鼻水や鼻づまりによって酸欠になることで頭痛を引き起こしている場合は、脳へ酸素を送ることが大切です。
気づいたときに深呼吸をして、体内にたっぷりと酸素を取りこみましょう。
鼻や首を温めて血行アップ!
鼻や首をホットタオルなどでじんわりと温めるのがおすすめです。
血流がよくなって、鼻水や鼻づまりを解消してくれるだけでなく、自律神経も整えてくれます。
まとめ
花粉症の症状は、鼻水や鼻づまりだけでもとても不快ですよね。そのうえ頭痛まであると花粉症の季節が憂うつになることもあるでしょう。
まずは、鼻水や鼻づまりを解消するとともに、規則正しい生活で身体を整え、疲れを残さないことが大切です。
市販薬を飲んですっきりしない場合は、我慢せずに『耳鼻いんこう科』を受診して症状をくわしく伝えましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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