花粉症で病院へ行くタイミングは?何科?処方薬のメリットも解説!
花粉は通年飛散しており、その豊富な種類からも多くの人が悩まされるアレルゲンです。
厚生労働省の報告によると、花粉症をもっている人は全国で29.8%にも上ると言われています。
そんな国民的問題である花粉症について、病院で治療するという概念をもたない人も多いですが、適切な治療を行えば辛さは大幅に軽減されることも多いです。
この記事では、病院での花粉症治療について解説します。
どのタイミングで病院へ行くべき?
なるべく症状が軽いうちに病院へ
自分が花粉症であることが分かっている場合、花粉が飛び始める前か症状が軽いうちに病院へ行くことをおすすめします。
これは初期療法と呼ばれる治療法で、症状が表れてから治療を始めるよりも高い効果が得られやすいです。
具体的には花粉が飛び始める(と、予想される)2週間前から薬を服用し、服用開始から1週間経ったら点鼻薬・点眼薬を併用する という方法で、それ以降の症状を予防または軽減します。
花粉飛散予測を参考に!
日本気象協会では、毎年冬頃には新春の花粉飛散予測を発表しています。
これを参考に病院へ行くタイミングを決めると良いでしょう。
花粉症は何科で治療すれば良い?
花粉症には目のかゆみや鼻水、鼻づまりなど様々な症状があり、何科を受診すれば良いか迷う方もいると思います。
これについては、最も症状が重い部分の診療科を受診してください。
例えば目のかゆみがひどければ眼科へ、鼻水や鼻づまりがひどければ耳鼻いんこう科へ。
より専門的な診療を希望するならアレルギー科へ、また、内科で総合的な治療を受けるのも良いでしょう。
子どもの場合は、かかりつけの小児科でも大丈夫です。
症状や希望の診療科目に合わせて、自身で選択してみてくださいね。
病院で受けられる花粉症の治療
病院での花粉症治療は、先ほど説明した初期療法を含めて4つに大別されます。
- 初期療法:花粉が飛ぶ前に内服薬や点鼻薬を使用して症状を予防・軽減する
- 減感作療法:アレルゲンを少量体内に入れ徐々に増やしていき、免疫をつけて症状を抑える
- 手術療法: 鼻の粘膜をレーザーで焼いてアレルギー反応を鈍くする
- 薬物療法(シーズン中):症状が出てから内服薬や点眼・点鼻薬を使用する
花粉症治療で使用する薬について
シーズン中の花粉症治療では、主に次の薬物を使用します。どの薬も、使用頻度や使用量は厳守しましょう。
抗ヒスタミン薬
ヒスタミンとは体内にある成分で、これが作用することで鼻水やくしゃみ・目のかゆみといったアレルギー症状が出ます。
このヒスタミンを妨害する薬が抗ヒスタミン薬で、『アレグラ』や『アレジオン』などが代表的な商品です。
市販でもアレグラFX・アレジオン20といた商品名で手に入ります。
抗アレルギー薬
アレルギー症状を抑制してくれる薬です。
『ザイザル』『アレロック』などが代表的な商品です。
血管収縮薬
鼻づまりがひどい場合に、症状を緩和させる目的で使用します。
『プリビナ』『コールタイジン』といった商品がこれに当てはまります。
ステロイド
花粉症の症状が重い場合、短期間もしくは少量だけ使うことがあります。
商品名では『ナゾネックス』『フルナーゼ』などが挙げられます。
ステロイドは特に強力な薬物なので、長期間は使用できません。用法用量に関しては、医師や薬剤師の指示を厳守してください。
花粉症で病院に行くメリット
1.本当に花粉症かどうか調べられる
花粉症は目のかゆみ、鼻水、鼻づまり等が主な症状ですが、これらは風邪の症状にも当てはまります。
また目に重い症状がある場合は、花粉ではなく目の病気が原因かもしれません。
そういった点を踏まえると、病院に行くことで本当に花粉症による症状なのかをはっきり判別できるメリットがあります。
特に自分が花粉症かどうかわからない方は、病院へ行くことで結果がわかり、対策が練りやすくなるでしょう。
2.適切な治療を受けられる
自分が花粉症だとわかっている方は、シーズン前に受診することで医師の判断による適切な治療を受けられます。
先ほども述べたようにつらい症状を予防したり軽減したりできるので、健康管理の面でもメリットは大きいでしょう。
市販薬を使用する際の注意点
花粉症に対応した薬はドラッグストアなどでも購入できますが、あくまで自己判断となるのでリスクを考慮しなくてはなりません。
処方薬との違いを知った上で、どちらを使用するか選択してもらえたらと思います。
1.処方薬のメリットとデメリット
病院では医師が患者の状態をみて適切な薬を処方するので、市販薬よりも効果が高いです。
その代わり、副作用などのリスクは市販薬より高いため注意が必要です。
2.市販薬のメリットとデメリット
市販薬は処方薬よりも副作用などのリスクは少ないですが、その分、効果も弱いというデメリットがあります。
また市販薬は保険適用外なので、長期の服用となると割高になるというデメリットも挙げられます。
3.市販薬を購入する場合は薬剤師さんに相談を!
ドラッグストアなどで市販薬を購入する場合は、他の病気がないか・他に服用中の薬がないか・妊娠、授乳中かどうかといった事情を薬剤師さんに相談するようにしましょう。
まとめ
花粉症は季節とともに症状が改善していくので、あまり重篤な問題としては扱われないかもしれません。
しかし花粉症はれっきとしたアレルギー症状なので、きちんと治療して生活に支障が出ないようにしたいものです。
シーズンが来る前に対策を立てて、花粉症の時期を乗り切りましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2002年5月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科臨床研修医
2004年5月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教(院外)
2006年6月 幕内会 山王台病院 外科
2007年6月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科助教
2008年6月 関東労災病院 外科
2009年6月 昭和大学藤が丘病院 消化器外科 助教
2012年10月 横浜旭中央総合病院 外科、昭和大学藤が丘病院 兼任講師
2017年11月 しらはた胃腸肛門クリニック横浜を開業、院長に就任
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