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ばつもうへき抜毛癖

ばつもうしょう/とりこちろまにあ抜毛症/トリコチロマニア
更新日:2022/09/15 公開日:2020/02/03 view数:54,174
目次
  1. 抜毛癖とは
  2. 抜毛癖の症状
  3. 抜毛癖の診療科目・検査方法
  4. 抜毛癖の原因
  5. 抜毛癖の予防・治療方法・治療期間
  6. 抜毛癖の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 抜毛癖になりやすい年齢や性別

抜毛癖とは

抜毛癖(ばつもうへき)とは、自分自身の髪の毛やまつ毛、眉毛などを無理やり引っ張り、抜いてしまう精神障害です。抜毛症とも呼ばれます。

抜毛癖の場合、毛を抜くことに美容的な目的はありません。毛を抜く対象部位は、頭や顔の毛、全身のあらゆる部位となります。

しかし、皮膚の異常がある、あるいは、ほかのこだわりなどが原因で抜毛する場合は抜毛癖ではありません。

抜毛癖は、毛を抜くという行為を無意識におこなっている場合もありますが、自覚があって、本人が「やめたい」と強く思っている場合でもなかなか抑えることができません。

また、抜毛にあわせて皮膚をひっかいたり、爪を噛んだりする行為を繰り返しおこなうこともあります。

こちらが主な場合には「皮膚むしり症」「自傷皮膚症」と呼ばれます。

なんらかのストレスと関係して抜毛を繰り返していることもあります。たいていの患者さんが確認や手洗いなどの強迫症の症状ももっています。

また、遺伝的なことも原因として疑われています。自分の毛を抜くだけでなく、家族やペット、人形などへ抜毛をおこなう患者さんもいます。円形脱毛症や頭部にあらわれた白癬(はくせん)と間違われることもあります。

抜毛癖の症状

抜毛癖は、頭皮などの皮膚にかかわる病気ではなく、毛を自分で抜きます。抜く毛の部位や範囲はそれぞれです。患者さんによって、髪の毛のこともあれば、まつ毛や眉毛を抜くということもあります。また、抜く部位が変わっていくこともあります。

毛を抜く行為については、無意識におこなっていることがあります。何かのきっかけで衝動的に抜いていることもあります。なかには、意識して抜毛している患者さんもおり、毛を抜くことで緊張感や不安が和らぎ、満足することもあります。

自分自身の毛ではなく、ほかの人やペットの毛を引き抜く、衣服や毛布などから糸を抜くという患者さんもいます。

引き抜く毛を選んだり、抜いた後にその毛の感触を指や口の中で確認したりする場合もあります。抜いた毛を飲み込むことで、胃腸の障害を併発する患者さんもいます。

抜毛にあわせて皮膚をかきむしったり、爪や頬の内側を繰り返し噛んだりするなど、同じ行為を毛以外にも繰り返す傾向をもつことが多くあります。

抜毛していることをほかの人に隠そうとする患者さんも多くいます。また、抜毛した後の外見に困惑し、隠そうとすることがあります。

抜毛癖の診療科目・検査方法

抜毛癖で、抜毛を繰り返していると髪の毛が生えなくなる恐れがあります。

子どもの抜毛癖を発見した場合、また自分で認識がある場合は、心療内科精神科を受診しましょう。皮膚科でも診断はできますが、治療については心療内科精神科と連携しておこなわれます。

診療では以下の3点を確認します。

  1. 毛を引き抜く行為がある
  2. 毛を引き抜く行為をやめようと繰り返し試みている
  3. 毛を引き抜く行為によって苦痛や日常生活に支障を感じている

抜毛癖の原因

抜毛癖は、さまざまなことが原因になっていると考えられています。精神的なストレスや強迫症などがかかわっていることがあります。孤独感や退屈を紛らわすためにおこなっていることもあります。

また、家族にチックや強迫症があることも多く、遺伝的なことも原因になっているのではないかと考えられています。

抜毛癖の予防・治療方法・治療期間

治療には、精神科医と皮膚科医の連携が必要です。

最初に治療法として考えられるのは認知行動療法です。抜毛をおこなう原因を丁寧に探り、それぞれの患者さんの症状に合わせて対応します。

無意識に、あるいは衝動的に抜毛をおこなっていることに気づくための訓練をし、手を回すなどの別の行動に置き換えるようにしていきます。これは習慣逆転法(ハビット・リバーサル)と呼ばれており、以前から効果が実証されている方法です。

状況によっては、薬物療法をおこなうこともあります。うつ病や不安症に併せておこっているのであれば、抗うつ薬や抗不安薬を使用することがあります。

治療に必要な期間は患者さんの状態によってまちまちです。長い期間が必要になることもあります。

抜毛癖の治療経過(合併症・後遺症)

医療機関での治療なしに、自然と抜毛しなくなる患者さんもいます。
その一方、治療を受けなかったことで、慢性的になってしまう患者さんもいます。

治療をすることで、約1/3の患者さんは1年以内に症状が軽くなるとされています。しかし、なかなか治らずに治療が長期化することもあります。

抜毛癖になりやすい年齢や性別

抜毛癖は、人口の1~2%ほどと確認されていますが、正確な統計などは取られていません。また、患者さんの90%は女性とされています。

思春期ごろに始まることが多く、比較的若い年代に多いと考えられています。しかし、成人してからなる患者さんもいます。

参考・出典サイト

執筆・監修ドクター

原井 宏明
原井 宏明 医師 原井クリニック 院長 担当科目 精神科/心療内科

経歴1984年 岐阜大学医学部卒業,ミシガン大学文学部に留学(文化人類学専攻)
1985年 神戸大学精神科で研修
1986年 国立肥前療養所に就職,山上敏子先生から行動療法を学ぶ
1998年 国立菊池病院に転勤。精神科医長、うつ病や不安障害,薬物依存の専門外来と治験などを担当
2000,2001年 ハワイ大学精神科アルコール薬物部門に留学
2003年 臨床研究部長
2007年 診療部長
2008年 医療法人和楽会なごやメンタルクリニック院長
2013年 ハワイ大学精神科臨床准教授
2018年 千代田心療クリニック非常勤医師、BTCセンター・カウンセラー
2019年 原井クリニック開業

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