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えんけいだつもうしょう円形脱毛症

更新日:2022/11/15 公開日:2019/12/16 view数:5,191

円形脱毛症(えんけいだつもうしょう)はその名の通り頭髪が抜ける病気です。

前触れなく発症し、頭部に10円玉程度の小さいものから大きいものまでさまざまなサイズの脱毛部分が生じます。
脱毛部分が単発またはごく少ない場合はほとんどが自然治癒します。

しかし、脱毛箇所が多発していたり、まれに何年にもわたり進行が止まらず脱毛部分が頭部全体に広がることもあります。
そうした場合、皮膚科で相応の治療が必要です。脱毛は頭髪のみならず眉毛や体毛にまで及ぶこともあります。

原因は明確には解明されていません。疲労、感染症、肉体的・精神的ストレスにより自己免疫疾患が異常をおこすものという説があります。アトピー性疾患をもつことが要因になるともいわれています。

男性型の進行性脱毛症(AGA)とは異なり、性別や年齢を問わず発症し、一旦治癒しても再発しやすい病気です。症状が長引くようなら重症になる前に皮膚科を受診しましょう。

目次
  1. 円形脱毛症の症状
  2. 円形脱毛症の診療科目・検査方法
  3. 円形脱毛症の原因
  4. 円形脱毛症の予防・治療方法・治療期間
  5. 円形脱毛症の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 円形脱毛症になりやすい年齢や性別

円形脱毛症の症状

頭部に1個または複数の脱毛部分が生じます。かゆみなどを感じてから発症する場合もありますが、ほとんどの場合前兆はなく、ある日突然髪が抜け始めて脱毛範囲が広がっていきます。

脱毛部分が炎症をおこしていて皮膚が赤くなることもあります。円形脱毛症のタイプと重症度は、以下の通りです。

軽症の場合

  • 単発型:脱毛部が1ヵ所
  • 多発型:脱毛部が複数(頭部全体の25%未満)

重症の場合

  • 多発型:脱毛部が複数(頭部全体の25%以上)
  • 全頭型:ほぼ全頭髪が抜ける
  • 汎発型:頭髪と全身の毛が抜ける
  • 蛇行型:生え際から帯状に脱毛する

円形脱毛症の診療科目・検査方法

円形脱毛症の症状がある場合は、まず皮膚科などの専門医療機関を受診しましょう。

問診にて、脱毛症状の経過、既往歴、家族歴などを訊きます。

脱毛以外に微熱や全身倦怠感などの症状があれば、それを医師に伝えることが大切です。
免疫性全身疾患など、ほかの病気が疑われる場合があるからです。

検査には、①視診・触診、②抜毛テスト、③毛根の確認、④血液検査、⑤組織検査があります。

  1. 視診・触診:頭皮、毛穴の状態を確認
  2. 抜毛テスト:毛髪の抜けやすさを確認
  3. 毛根の確認:毛根の破壊像の有無を確認
  4. 血液検査:脱毛症発症のもととなる病気の有無を確認
  5. 組織検査:脱毛部分と脱毛していない部分の組織を比較

円形脱毛症の原因

原因は多様な説がありますが、近年では自己免疫疾患説が有力です。

本来は自分の体をウイルスなどの外敵から守る「リンパ球」が誤って毛根を攻撃してしまうことによって円形脱毛症はおこると考えられています

ただ、さまざまな症例研究から、単一の原因に定めることができるとはいえず、複数の要因が重なり発症すると考えられています。

一般的によくいわれる精神的ストレス原因説も間違いではありません

強い精神的ストレスを受けると交感神経が異常をきたし血管を縮め、頭部への血流が悪くなります。
その結果、毛根への栄養が行き届かなくなり脱毛を誘発すると考えられています。

また、アトピー性疾患が脱毛を誘発する場合や、円形脱毛症患者が一親等以内にいる人の発症率は二親等以上の家族の10倍に及ぶとの調査結果もあることから、遺伝的な要素も大きく関係するといわれてます。

他には、妊娠によって増加した女性ホルモンが、出産後に減少することがきっかけで抜毛が多くなり、このときに円形脱毛症になることもあります。これには、出産のストレスや育児の多忙さも発症を誘因しているものといわれています。

円形脱毛症の予防・治療方法・治療期間

治療は対症療法です

円形脱毛症は、毛包に対する自己免疫性の作用により毛包に炎症を生じている状態です。

したがって、炎症を抑えるためにステロイド剤の使用することが有効とされています

病期や症状の重度により、外用、局所注射、内服全身投与が選択されます。
しかし、局所注射は疼痛をともない、また広範囲の脱毛には使用できません。加えて、副作用を考慮し子どもには使われません。

グリチルリチン、セファランチンの内服療法を使用して経過観察することもあります。そのほかに、局所免疫療法、紫外線療法、冷却療法があります。

局所免疫療法

広範囲に脱毛して半年以上も症状が続いている場合に試されます。

かぶれをおこすことが発毛を促進させるという作用を利用して、人工的にかぶれをおこさせる薬品を使う方法です。

有効性に期待はできるとされていますが、半年~1年間以上の治療が必要です。

子どもにも使用できますが、保険適応されておらず、自費診療になります。

紫外線療法

紫外線を照射する方法です。全頭に脱毛斑が広がった場合や症状が進行している患者さんに使用されます

冷却療法

ドライアイスや液体窒素などを脱毛斑にあてて免疫細胞の働きを抑え、毛髪の再生を促す療法です。単発型、多発型の病態にほかの療法と併用しておこなわれる場合があります。

保険診療で認可されている薬剤は、必ずしも治療効果を実感できないものもあります。

単発型であれば、発症後 1 年以内は治療をせずに経過をみることも治療の選択肢の一つです。

治療期間は、単発型では、特に治療しなくても治ることが多く、1年以内に軽快するのは80%と報告されています。

円形脱毛症の治療経過(合併症・後遺症)

アトピー性疾患や内分泌疾患にかかったことがなく既往のない患者で、脱毛箇所が少数で脱毛が生じて1年以内である場合、1 年以内に毛髪が回復する例が報告されています

多発型は、脱毛斑が拡大・融合・縮小し、軽快と再発を長期間、繰り返すことがあります
また、全頭型や汎発型は慢性的で、毛髪や全身の毛の回復率は10%以下と考えられています

円形脱毛症になりやすい年齢や性別

円形脱毛症の頻度は人口の1~2%と推測され、患者の2割程度に家族内発生があります。

発症しやすい年代はなく、15歳以下の小児も全体の4分の1に発症しています。男女差はみられません。

執筆・監修ドクター

長谷川 佳子
長谷川 佳子 医師 ルサンククリニック銀座院 院長 担当科目 形成外科/皮膚科/内科

経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任

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