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かんぞうがん肝臓がん

更新日:2022/08/16 公開日:2019/02/12 view数:7,479

肝臓がんとは?

肝臓がんは体内最大の臓器、肝臓にできるがんです。その臓器の大きさに反して、肝臓がんになっても初期~中期まで症状はほとんどおこりません。そのため、他の病気を調べる検査で偶然発見されることがほとんどです。がんが進行すると肝機能の低下にともない黄疸などの症状がおこります。

またB型C型肝炎などが肝臓がんの原因になることもあり、肝硬変になると肝臓がんのリスクは高まります。そのため、肝機能の異常や肝炎ウイルスチェックなどで陽性の場合は肝臓がんのチェックを合わせて行うことが推奨されます。


目次
  1. 肝臓がんの症状
  2. 肝臓がんの診療科目・検査方法
  3. 肝臓がんの原因
  4. 肝臓がんの予防・治療方法・治療期間
  5. 肝臓がんの治療経過(合併症・後遺症)
  6. 肝臓がんになりやすい年齢や性別
  7. 編集部脚注

肝臓がんの症状

初期には自覚症状がほとんどありません。

進行した場合、腹部圧迫感や痛み、黄疸(おうだん)がでることもあります。

がんが破裂すると激痛や血圧低下が起きます。

肝臓がんの診療科目・検査方法

腹部超音波(エコー)検査、腹部CT検査、腹部MRI検査を行います。

命に関わる病気であるため、受診が必要です。

消化器内科を受診することが望ましいです。

肝臓がんの原因

肝臓癌の約60%がC型肝炎ウイルス、約15%がB型肝炎ウイルスの持続感染が原因です。

ウイルス感染により慢性肝炎、肝硬変と進行することで発がんリスクが高まります。

他に、大量飲酒や喫煙、また最近では脂肪肝が原因で非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を起こし肝臓がんに至るケースが増えています。

肝臓がんの予防・治療方法・治療期間

単発では肝切除になります。

3cm、3個以内はラジオ波焼灼療法や経皮的エタノール注入療法を行い、それ以上の大きさになると、肝動脈塞栓療法、肝動注化学療法を行います。

他にも、放射線療法や抗がん剤治療があります。肝機能を考慮して治療方針を決めます。

手術で根治を目指せる場合は治療後5年間経過観察を行います。

根治困難な場合は生涯治療を要する場合があります。

肝臓がんの治療経過(合併症・後遺症)

治療は可能ですが、ステージによっては楽観できません。

手術から化学療法までステージに応じて治療方針が異なります。

肝臓がんになりやすい年齢や性別

厚生労働省の患者調査では肝臓と肝内胆管のがんの患者さんは 1987年2万2000人でしたが、2005年に6万8000人に増加後、2014年には4万7000人と減少しています。

肝細胞がん、胆管がんの総計での罹患率、死亡率ですが、いずれも男性の方が高く、女性の2倍程度あります。

編集部脚注

※1 黄疸 (おうだん)

黄疸は「皮膚、白目が黄色くなる症状」を指します。
そのほか、尿の色も濃くなることが知られています。
通常、尿は「無色~淡黄色」ですが、黄疸が出ている場合は「濃黄色~茶褐色」になります。
これは、血液中の「ビリルビン濃度」が増加することによります。
ビリルビンは古くなった赤血球を破壊したときの副産物で、黄色の色素です。

赤血球は脾臓(ひぞう)で破壊されるので、ビリルビンが生じる場所は脾臓です。
その後、ビリルビンは肝臓に運ばれ、肝臓が産生する消化液―胆汁の構成成分となります。
普通ならば、胆汁は十二指腸に送られ、脂肪の分解に寄与します。
しかしながら、肝臓がん、肝炎などで肝機能が低下すると、胆汁を分泌する能力が低下します。
また、肝硬変で肝組織の破壊が起きていれば、胆汁を輸送する管―胆管の流れも滞ります。

その結果、ビリルビンを胆汁の中に送りこむことが難しくなります。
行き場を失ったビリルビンは血液中にあふれ出し、全身をめぐります。
こうして、黄疸の症状が現れます。

※2 慢性肝炎

慢性肝炎は、「肝細胞の損傷と修復が繰り返される病態」です。

肝臓は再生能力が高いので、少々の損傷なら自然治癒による修復が可能です。
しかし、炎症の原因が消失していない場合、再び炎症が起こります。
すると、「炎症⇔修復」を延々と繰り返すことになります。この状態を「慢性肝炎」と呼びます。
軽い炎症を繰り返している状態なので、自覚症状はほとんどありません。

さて、炎症と修復をずっと繰り返すと、徐々に肝細胞が変質します。
修復といっても、100%元どおりになるわけではありません。
修復のたびに少しずつ変質して、いつかは硬い繊維組織に変わります。
肝臓の大部分が繊維組織に置き換わった状態を「肝硬変」と呼びます。
慢性肝炎の3~4割は、20年くらいの時間をかけて肝硬変に進展します。

慢性肝炎の原因としては、「C型肝炎ウイルス」「B型肝炎ウイルス」「自己免疫性肝炎」が知られています。
C型肝炎B型肝炎はウイルス感染による炎症、自己免疫性肝炎は「自分の免疫細胞(リンパ球)が肝臓を攻撃し、炎症をきたす病態」です。

※3 肝硬変

肝硬変は、「肝臓の組織が繊維化した状態」です。
肝臓は再生能力が高く、多少の損傷なら自然治癒します。
ただ、炎症の原因がなくならない場合、修復しても完全解決には至りません。
原因が存在する限りは、再び炎症を起こして損傷を受けるはずです。

そのため、慢性肝炎にかかると「炎症⇔修復」を延々と繰り返すことになります。
しかしながら、肝臓の再生能力も万全ではありません。
完全に元どおりに修復できるわけではなく、修復を繰り返すたびに変質します。
具体的には、肝細胞が繊維組織に置き換わっていきます。

繊維組織は、肝臓の機能を果たしません。
肝臓の大部分が繊維組織に置き換わった場合、深刻な肝機能障害をきたします。
この状態を「肝硬変」と呼びます。

肝硬変は肝臓がんのリスクファクターとして知られています。
C型肝炎に由来する肝硬変は年間5~7%程度、B型肝炎に由来する肝硬変は年間3%程度が肝臓がんに進展すると考えられています。

※4 脂肪肝

脂肪肝は、「肝細胞の内部に脂肪滴が溜まった状態」です。
肝細胞の中に脂肪滴が溜まっていくと、「肝細胞の変質」「炎症の誘発」が起こります。
その結果、やがて肝臓で慢性的な炎症が起こり、「炎症⇔修復」を繰り返すことになります。

肝細胞が炎症と修復を繰り返すと、肝細胞の繊維化が進みます。
修復を繰り返すたびに、少しずつ線維組織が増加するからです。
そのため、脂肪肝から肝硬変、肝臓がんに進展する恐れがあります。

執筆・監修ドクター

加賀 康宏
加賀 康宏 医師 霞ケ関診療所 院長 担当科目 内科/消化器内科/胃腸内科/循環器内科/呼吸器内科/アレルギー科

経歴2010年 昭和大学医学部卒業
2010年 昭和大学横浜市北部病院初期研修医
2012年 昭和大学横浜市北部病院総合内科
2014年 帰陽会丹羽病院
2015年 昭和大学横浜市北部病院総合内科助教
2017年 霞ヶ関診療所

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