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たんかんえん胆管炎

更新日:2022/08/16 公開日:2019/02/05 view数:30,973

胆管炎とは?

胆管炎(たんかんえん)は胆管(※1)がふさがれたり、狭くなってしまうことが原因でおこる炎症性の病気です。
胆管は十二指腸につながっており、消化に必要な胆汁の通り道です。胆管が炎症をおこすことで、胆汁がうっ滞し、黄疸(おうだん)などの症状をおこします。
胆管がふさがる原因は主に胆管結石ですが、胆管にできた悪性腫瘍や膵がんなども胆管の狭窄をおこし、胆管炎の原因になることがあります。

胆管炎の症状は発熱、黄疸、腹痛の3つの症状がおこることがよく知られています。
こうした症状は悪寒戦慄をともなって突如あらわれることがあります。

目次
  1. 胆管炎の症状
  2. 胆管炎の診療科目・検査方法
  3. 胆管炎の原因
  4. 胆管炎の予防・治療方法・治療期間
  5. 胆管炎の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 胆管炎になりやすい年齢や性別
  7. 編集部脚注

胆管炎の症状

悪寒戦慄(おかんせんりつ)をともなった高熱、右上腹部痛、黄疸(おうだん:※2)を典型例での三徴として発症します。

肝臓で生成される消化液である胆汁の通り道である総胆管の流れが悪くなった状態(胆汁うっ滞)に、細菌感染が加わった状態が急性胆管炎です。

胆管炎の診療科目・検査方法

腹部診察を行った上で、胆管炎が疑われれば、血液検査で炎症の度合い、黄疸や肝障害の有無をチェックします。

また腹部超音波(エコー)検査や腹部CTまたはMRI検査で胆管の状態(胆管の拡張、結石や腫瘍の有無)を確認します。

急性胆管炎は放置すると、重症化することがあるので、胆石がある方で上記の症状が出現した場合はできるだけ早期に(高熱がでた場合は発症当日)消化器内科消化器外科内科外科のいずれかを受診しましょう。

胆管炎の原因

多くは総胆管結石(※3)や悪性腫瘍(胆管癌、胆嚢癌(たんのうがん)、膵癌(すいがん))などが原因で生じる胆管の閉塞・狭窄(きょうさく)によるものです。

ゆっくりと閉塞をきたす悪性狭窄よりも、胆管結石が急激に胆管に詰まることが原因となる場合が多いです。

胆管結石の原因は胆のう結石の胆管内への落下によって起こることが多いと言われています。

胆管炎の予防・治療方法・治療期間

絶食、点滴、抗生剤、解熱鎮痛剤などをもちいて、入院での保存的治療をおこないつつ、胆道ドレナージ(※4)(内視鏡的に行うのが一般的だが、超音波下に胆管を穿刺する経皮的ドレナージを行う場合もある)をおこない胆汁の流れを回復させます。

炎症が強い場合(意識障害)や膵炎を併発している場合には緊急ドレナージが必要になります。胆管炎が軽快したら原因である結石除去や腫瘍に対する治療をおこないます。

重症度(炎症の強さ)によって治療期間は異なります。

炎症が軽度の場合には、ドレナージ施行後数日の入院で済むが、炎症が高度の場合にはドレナージ後、1~2週間ほどの入院が必要になります。

悪性腫瘍の場合には治療方針を決定して追加の治療期間がかかります(多くの場合はいったん退院)。

胆管炎の治療経過(合併症・後遺症)

重症化すると敗血性ショックの状態になり生命を脅かす場合があるので原則治療が必要です。

胆管炎になりやすい年齢や性別

胆道感染症は、急性胆管炎と急性胆のう炎に大別されます。

急性胆管炎の約60%、急性胆のう炎の90~95%は胆石によるものです。日本人の胆石保有者は1000万人を越えると考えられています。この1~3%(10〜30万人)以上が胆道感染症を発症すると報告されています。

男性より女性に、やせた患者より肥満した患者で発症しやすいとされており、頻度が増加する高齢者でより発症しやすいと考えられています。

編集部脚注

※1 胆管

胆管は、「肝臓内から胆嚢・十二指腸にかけて存在する管」です。
消化液の1つ―「胆汁(たんじゅう)」の通り道になります。
胆汁は、脂肪の分解に関与する消化液です。
肝臓でつくられた胆汁は、胆管を通って胆嚢に移動します。
胆汁はいったん胆嚢に蓄えられ、食後、やはり胆管を通って、十二指腸(胃と小腸の間にある消化管)に移動します。
十二指腸で消化管内の食物と混ざり、消化液としての機能を果たすことになります。

※2 黄疸 (おうだん)

黄疸は、「皮膚・白目が黄色くなる症状」です。
「肝臓の機能が低下したときに現れる症状」として知られています。

肝臓は、胆汁と呼ばれる消化液をつくり出します。
胆汁の材料の1つに「ビリルビン」という黄色の色素が存在します。
これは、脾臓(ひぞう)が古くなった赤血球を破壊したときに出る物質です。
以上をまとめると、「脾臓から肝臓に運ばれてきたビリルビンが、胆汁の材料になる」ということです。
しかし、肝臓に問題が起こると、「胆汁を産生する機能」「胆汁を運搬する機能」が低下します。
その結果、胆汁が産生されなくなり、脾臓から運ばれてきたビリルビンは行き場を失います。
行き先のなくなったビリルビンは、血液中に逆流します。
黄色い色素が血流に乗り、全身をめぐることになります。
その結果、皮膚や白目が黄色くなり、黄疸の症状が現れます。

※3 総胆管結石

総胆管結石は、「胆石症の1つで、(肝臓の外側に伸びた)胆管内に結石ができた状態」を指します。
胆嚢(たんのう)に結石ができた場合は「胆嚢結石症」、肝臓内胆管に結石ができた場合は「肝内結石症」と言います。

胆石の大半は、胆嚢に発生します。
胆嚢にある胆石は、何の症状もきたしません。
しかし、胆石が胆嚢から胆管に流れ出ると、問題が起きる恐れがあります。
小さな胆石なら何ごともなく十二指腸まで流れてくれるのですが、大きな胆石は胆管内に詰まります。
胆管が塞がって総胆管結石になった場合、「腹痛」「発熱」「吐き気」などの症状をきたします。
腹痛といっても、痛む場所には個人差があります。
多くは「右側上部の痛み」ですが、「鳩尾(みぞおち)が痛む」「背中側が痛む」と訴える人もいます。

※4 胆道ドレナージ

胆道ドレナージは、「胆嚢・胆管で行き場を失った胆汁を排出するための処置」です。
「胆汁を運ぶ管(胆管)が詰まる」などの問題が起こると、胆汁は行き場がなくなります。
この状態を「胆汁うっ滞」と呼びます。

そこで、胆汁の停滞を解消するため、「胆汁を排出するための管」を人工的に設置します。
胆嚢・胆管から、胃や十二指腸に胆汁を流す場合、「胆嚢・胆管⇒消化管」までの管(金属ステント)を設置します。
この方法を「超音波内視鏡下胆道ドレナージ術」といいます。
肝臓内胆管から体外に排出させる場合、「肝内胆管⇒体外」までの管(ドレーン)を設置します。
この方法を「経皮経管胆道ドレナージ術」と呼んでいます。

執筆・監修ドクター

川口 義明
川口 義明 医師 かわぐち消化器内科 院長 担当科目 消化器内科/内科

経歴1993年 札幌医科大学卒業
横浜市大医学部第二内科入局後、横浜市立港湾病院(現みなと赤十字病院)、横浜南共済病院、京都第二赤十字病院に勤務。

2003年 横浜市大病院助手
2006年 東海大学消化器内科講師
2010年 同准教授

2017年7月 かわぐち消化器内科開院。
東海大学医学部客員教授。横浜市大医学部臨床教授。

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