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びーがたかんえんB型肝炎

更新日:2022/08/10 公開日:2019/05/09 view数:3,960

B型肝炎(びーがたかんえん)とは、ウイルスに感染することで発症する肝炎のことです。
複数ある肝炎ウイルスの中でもB型肝炎ウイルス(HBV)に感染することで発症します。
感染の状態により、一時的な症状で終わる一過性感染とウイルスを保有し続ける持続感染にわかれます。

一過性に感染した方の約30%が急性肝炎を発症します。
急性肝炎では数ヶ月の潜伏期間を経た後に全身の倦怠感や食欲不振、黄疸などの症状が現れます。
ただし、一般的にはこの時期にウイルスに対して抗体ができて回復していきます。

ウイルスに感染した場合に問題になるのは持続感染により慢性肝炎になった場合です。
母子感染や、3歳以下の幼少期に感染した場合おこりやすいといわれています。
この場合、症状はほとんどありませんが、少しずつ肝臓の炎症が大きくなっていきます。
肝臓は回復力が早く、なにか障害があっても症状の出にくい「沈黙の臓器」とよばれています。
そのため、自覚できる症状がおこる頃にはかなり進行しているケースも珍しくありません。
慢性肝炎は肝臓の組織が収縮して固くなり機能を失う「肝硬変」を引きおこし、肝がんになるリスクが高めます。
また、治療は副作用も重く、患者さんへの負担が大きくなります。

このウイルスは感染力が強く、体液や血液に触れることで感染が広がります。

日本では集団予防接種によりB型肝炎ウイルスが拡散していたことがわかり、社会問題になりました。
国を相手に患者さんたちが集団訴訟をおこす事態にまで発展し、現在では患者さんに対して補償をおこなっています。
また出産時に母親から乳児へ感染する母子感染も問題になっています。

現在では子どもと感染リスクの高い医療従事者に対して公費による予防接種を推進し、B型肝炎ウイルスの蔓延を防ぐ取組みが実施されています。

目次
  1. B型肝炎の症状
  2. B型肝炎の診療科目・検査方法
  3. B型肝炎の原因
  4. B型肝炎の予防・治療方法・治療期間
  5. B型肝炎の治療経過(合併症・後遺症)
  6. B型肝炎になりやすい年齢や性別

B型肝炎の症状

自覚症状がなく自然治癒することが多いです。
そのためB型肝炎ウイルスの感染自体に気づかず、多くの方が肝炎の発症にも気づきません。

この時の発症は「急性肝炎」とよばれる状態で、症状を認識したとしても、疲労感や食欲不振などで肝炎特有の症状はあまりみられません。
中には悪心(吐き気や胸のむかつき)や嘔吐(おうと)、黄疸や尿が褐色になるといった症状がありますが頻度は高くないです。

この時、注意すべき症状としては急性肝炎の約1%におこる劇症肝炎に発展した場合です。
劇症肝炎では肝臓の機能がうまく働かなくなり、肝臓が担う解毒やエネルギーを取り出すことができなくなります。
アンモニアが脳に回ることで肝性脳症を発症する危険性もあります。
そのほかさまざまな症状が急速におこることで死亡することがあります。

急性肝炎の症状は多くの場合、免疫によりB型肝炎ウイルスが除去されることで終息します。
しかし、そのうちの約10%は持続感染となり、肝臓から除去できずに慢性肝炎へと進行していきます。

慢性肝炎となってもほぼ症状はおこりません。
しかし、中には急激に肝炎が悪化した症状(急性憎悪)をおこすことがあります。
この場合、皮膚や白目が黄色くなる黄疸がおこります。

慢性肝炎による炎症の進行は非常にゆっくりと進みます。
数年から数十年単位での長い年月をかけて重症化し、最終的には肝硬変を引きおこします。

肝硬変になった場合、肝臓の機能が著しく低下し、肝臓がんになるリスクも高くなります。

B型肝炎の診療科目・検査方法

B型肝炎ウイルス検査は集団予防接種をしていた世代のすべての人が1度はうけるべきです。
感染の可能性があると考えた場合も検査はほとんどの病院で実施可能であり、保健所などでも可能です。
感染を確認された場合は内科を受診する必要があります。
肝臓に関する専門医のいる医療機関を受診することが推奨されます。

最初の感染を判定する検査は採血によりおこなわれます。
採血後1週間から数週間で確認可能です。
これにより陽性と判定された場合はウイルス量の測定のほか、炎症の状況を確認するため肝細胞の一種であるASTやALTの値を測定したり、黄疸に関わる血清ビリルビン値を測定します。どれも採血によっておこなわれます。

そのほかに肝臓がんの有無を確認するため、腹部エコーや、実際の肝炎の進行状況を確認するため、肝臓の組織を採取して分析する肝生検をおこないます。

B型肝炎の原因

原因はB型肝炎ウイルス(HBV)への感染です。
HBVは血液や体液の接触によって感染し、広がります。
国内でも年間1万人が毎年新たに感染しているといわれています。感染力は非常に強く集団感染がおこることもあります。

現在では輸血や性交渉など、実際に血液や体液に触れることにより感染する水平感染が原因になることが多いです。
日本国内では母親の出産時に子どもへ感染する垂直感染は減少傾向にあります。

水平感染で原因になる主な行為は

  • 輸血
  • 医療行為中の感染
  • 性交渉
  • 医療器具の使い回し
  • ピアッサーやタトゥーの針の使い回し
  • 歯ブラシや髭剃りの使い回し
  • 鍼灸院での治療針の使い回し
  • 脱毛

などである。
近年、国内では輸血と医療機器の使い回しを起因にした感染はほぼ発生していません。

B型肝炎の予防・治療方法・治療期間

急性肝炎は無治療のまま自然治癒しているケースがあります。
まず安静にし、禁酒やタンパク質を制限した食事療法によって肝臓への負担を下げる必要があります。
また合わせて副腎皮質ステロイドや抗ウイルス剤を投与します。

慢性肝炎の場合は、インターフェロン治療を実施します。
インターフェロンとはタンパク質の一種でウイルスを撃退する働きがあります。
おおむね24~48週間の継続により根治をはかります。
しかし、発熱や頭痛、食欲不振など、副作用も多く患者さんへの負担も小さくありません。

最近では核酸アナログ製剤という抗ウイルス薬による治療は副作用が少なく投与されるケースが多いです。
ただし、ウイルスが耐性をもつことや中止する基準がまだ確立されていないこともあり、個々の病態に応じて治療方針を決定する必要があります。

B型肝炎の治療経過(合併症・後遺症)

急性肝炎の多くは自然治癒し、その後は抗体ができて感染しなくなります。
慢性肝炎となった場合に早期に発見して治療を開始することが重要です。
ワクチンによる予防接種もあり、感染自体を食い止めることも重要です。

肝硬変まで進展すると肝臓の組織をもとに戻すことは難しいです。

B型肝炎になりやすい年齢や性別

日本人の全人口の約1%がHBVキャリアであると考えられています。
つまり100人に1人ほどがHBVに感染している可能性があります。さらにそのうちの10%程度が慢性肝炎を発症します。

年間の報告件数は女性より男性に多い傾向があり、全体数としては減少傾向にあるとされています。

しかし世界では2002年には感染者数が約20億人というWHOのデータもあり、世界的な規模の感染症です。

執筆・監修ドクター

加賀 康宏
加賀 康宏 医師 霞ケ関診療所 院長 担当科目 内科/消化器内科/胃腸内科/循環器内科/呼吸器内科/アレルギー科

経歴2010年 昭和大学医学部卒業
2010年 昭和大学横浜市北部病院初期研修医
2012年 昭和大学横浜市北部病院総合内科
2014年 帰陽会丹羽病院
2015年 昭和大学横浜市北部病院総合内科助教
2017年 霞ヶ関診療所

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