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しーがたかんえんC型肝炎

更新日:2022/08/10 公開日:2019/11/11 view数:3,667

C型肝炎(しーがたかんえん)は、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染して発症する肝炎です。
HCVが放出するタンパク質をきっかけに肝臓の組織が固く変性する線維化がおこり、長い時間かけて肝硬変になることで知られています。ウイルス性肝炎の中でも慢性肝炎になりやすく、感染した場合に免疫機能によってウイルスを除去できるのは、感染者全体の15~20%程度です。
また、感染しても症状のないまま進行することも多く、未治療のまま放っておかれることが多くなります。その場合、20年後には30~40%の患者さんの肝臓は肝硬変になります。

C型肝炎ウイルス(HCV)は血液との接触で感染し、第二次大戦直後の混乱期には不衛生な状況での医療行為などで感染が広がったと考えられています。その後、輸血や、血液の成分を取り出して治療に使用する非加熱血液製剤を通して感染が広がることがありました。その中でも血液製剤による感染の拡大は大きく、アメリカでのC型肝炎患者の多くは輸血や血液製剤によるものです。日本では1994年に検査体制が厳しくなり、このような感染被害は国内においては新たに確認されなくなっています。また1992年以前に輸血や臓器移植を受けた経験がある場合は感染していないか検査を受けて確認するよう、国は現在も告知をおこなっています。

B型肝炎のような予防用のワクチンは、現在も開発されていません。しかし、現在は、ほぼ確実に治療できる病気となりました。以前はインターフェロン治療という副作用の強い注射を24週~48週続けることもありましたが、現在はインターフェロンを使わないインターフェロンフリー治療が主流であり、ウイルスに直接作用して増殖を抑える抗ウイルス薬を内服することで、12週~24週でウイルスを排除できるようになりました。

目次
  1. C型肝炎の症状
  2. C型肝炎の診療科目・検査方法
  3. C型肝炎の原因
  4. C型肝炎の予防・治療方法・治療期間
  5. C型肝炎の治療経過(合併症・後遺症)
  6. C型肝炎になりやすい年齢や性別

C型肝炎の症状

感染後に一時的に症状があらわれる急性肝炎の症状はその後回復します。6~7割の感染者はこの急性肝炎の症状に対して自覚症状のない不顕性感染です。自覚症状のある顕性感染の場合は2~3割に皮膚や白目が黄色くなる黄疸の症状があらわれます。全身倦怠感や食欲不振、吐き気、腹痛などについては全体の1~2割程度で確認される症状です。

自己免疫によりウイルスを除去できなかった場合は、肝臓組織の線維化初期状態まで5~10年を要します。線維化した組織はもとには戻りません。線維化が進むことで肝硬変になり、肝臓の機能が著しく低下します。肝硬変になるまで20~40年程度かかります。

C型肝炎の診療科目・検査方法

一度はB型も含めウイルスチェック検査を受けることが推奨されます。肝臓は障害がおきていても症状はあらわれにくいためです。検査は多くの医療機関で実施しており、保健所でもおこなうことができます。
万が一、検査で陽性と判定された場合は消化器内科や、内科、可能であれば医療費の助成金申請書を記入できる肝臓の専門医のいる医療機関を受診しましょう。都道府県により申請できる医師の基準が違うため事前に確認しましょう。

検査は、まず感染があるのかを確認します。HCV検査により抗体の有無を調べます。そして、抗体が確認された場合はリアルタイムPCR法とよばれる検査でウイルスの遺伝子があるかを調べます。これにより現在、感染中なのか、過去に感染したのかを確認します。感染中であればウイルスの遺伝子型を確認することで治療に役立てます。合わせてウイルスの量も確認します。
その後、肝臓の検査としてAST、ALTの値を血液検査にて調べます。これにより、肝の炎症について確認することができます。ここまでの検査は採血による血液検査で可能です。

また肝臓の状態をエコー、CT、MRIなどの画像検査によって調べます。こうした画像診断を併用しながら肝臓の組織を直接採取し、肝炎の進行状況を調べる生体検査もおこなう場合もあります。専用の針で採取した組織を顕微鏡で詳しく確認し、肝硬変の進展度を評価することもありますが、インターフェロンフリー治療が主流となり生検の頻度も減ってきています。

C型肝炎の原因

原因はC型肝炎ウイルス(HCV)による感染です。血液の接触により感染が広がります。感染力は強くはなく、握手や抱擁、食器の共用程度では感染しません。
以前はHCVが混入した輸血や血液製剤によって感染が拡大しましたが1992年以降はこれを原因にした感染の拡大はおきていません。

現在も知られている感染経路は

  • 注射器の使い回し
  • 性的交渉
  • 医療行為に関連したもの
  • 刺青(タトゥー)の器具やピアッサー(ピアスの穴あけ器具)などの使い回し

などです。

母親が感染している場合、出産時に子どもに感染する垂直感染も発生することがあります。しかし、B型肝炎ほど高くはなく、発生リスクは5%程度とされています。
授乳によって乳児に感染することはありません。ただし、乳首から出血している場合などは、その限りではなく、授乳は控える必要があります。

C型肝炎ウイルスは感染後の潜伏期間が半年程度あります。また複数の遺伝子型が確認されており、遺伝子型によって薬剤耐性などの性質が異なることも知られています。

C型肝炎の予防・治療方法・治療期間

治療はHCVをいかに排除するかが重要になります。以前は、インターフェロンという体内で作られる抗ウイルス作用の非常に強いタンパク質を体外から取り入れる治療や抗ウイルス薬による薬物療法により、HCVの排除を目指していました。
しかし、インターフェロンは長期間の服用が必要で、多様な副作用が強くおこります。そのため、現在のC型肝炎の診療ガイドラインでは抗ウイルス薬(DAA)による治療を第一選択としています。HCVの遺伝子型に合わせて適切なDAAを選択します。しかし、HCVがDAAに耐性を持つことがあり、耐性を持つHCVには内服内容を変更して治療することもあります。
HCVを排除できれば治療は一度終了できます。DAAであれば12~24週間の継続投与にてほぼ確実に治療できるようになりました。

副作用や薬剤耐性によりDAAやインターフェロンによる治療の継続が難しい場合は肝臓の状態を保護しながら過ごす肝庇護療法を選択する場合があります。これは根治を目的にしたものではなく、線維化の進度を遅らせる治療法です。ウルソデオキシコール酸などを服用して肝臓の炎症を抑えます。

C型肝炎の治療経過(合併症・後遺症)

予後は肝炎の進行度により変わりますが、線維化した組織は治療してももとには戻りません。また、多くは治療期間が長くなります。
HCVを排除できた場合も、肝硬変や肝がんへ進行する場合があります。
そのため、定期的な腹部超音波検査が推奨されています。

C型肝炎になりやすい年齢や性別

日本では100万~150万人の感染者がいるとされています。
感染症であることから、感染すれば男女差や年代に関わらず発症する可能性があります。

C型肝炎から肝臓がんに進展しやすいのは、高齢者で男性のリスクが高いとされています。

執筆・監修ドクター

加賀 康宏
加賀 康宏 医師 霞ケ関診療所 院長 担当科目 内科/消化器内科/胃腸内科/循環器内科/呼吸器内科/アレルギー科

経歴2010年 昭和大学医学部卒業
2010年 昭和大学横浜市北部病院初期研修医
2012年 昭和大学横浜市北部病院総合内科
2014年 帰陽会丹羽病院
2015年 昭和大学横浜市北部病院総合内科助教
2017年 霞ヶ関診療所

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