統合失調症

統合失調症の基本情報

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

 

統合失調症は、幻覚や妄想が見られる精神疾患です。100人に1人くらいが罹患する病気で、比較的よく見られる精神疾患の1つです。治療薬の進歩がめざましく、最近では治療成績が大きく向上しました。

ただし、統合失調症は、「幻覚・妄想」などの目立った症状だけではありません。「気力低下・自閉傾向」など、うつ病に見られるような症状も見られます。幻覚・妄想などを陽性症状、気力低下などを陰性症状と呼んでいます。

幻覚・妄想などの激しい症状を伴う精神障害としては、統合失調症のほかに双極性障害(躁うつ病)も知られています。また、「現実を認識できない」「焦燥感・イライラ感」などは境界性パーソナリティ障害、気分障害などでも生じることがあり、ほかの病気ときちんと区別しながら診断する必要があります。

統合失調症とは?

統合失調症は、比較的、高頻度で見られる精神疾患の1つです。
生涯の中で統合失調症に罹患する確率は1%程度と考えられています。
100人に1人くらいの割合で、生涯に1度は統合失調症にかかることになります。

主な症状としては、「幻覚」「妄想」などが知られています。
幻覚は「存在しないものを知覚する症状」、妄想は「現実ではない物事を信じこむ症状」です。
これらは統合失調症の代表的な症状といえます。

ただ、幻覚・妄想のような目立った症状ばかりではありません。「感情が平坦になる」「仕事・勉強などの意欲が湧かない(無為)」「家に閉じこもる(自閉)」などの症状も見られます。
また、病気の症状として「病識がない(=自分が精神疾患であることを理解しない)」という特徴があり、統合失調症の治療を難しくしています。

近年は治療成績が向上していて、予後(病気の経過)もかなり良好になってきました。
50~60%の患者は、「完治」または「社会生活にほとんど支障がない軽度障害」まで回復しています。
しかしながら、10~20%の患者は「重度障害」が残ることもあり、油断できない病気であることは確かです。

【参考】厚生労働省 みんなのメンタルヘルス

統合失調症とは?

発症しやすい年齢

統合失調症の好発年齢(=発症しやすい年齢)は、10代後半~20代中頃とされています。
しかしながら、30代での発症も少なからず見られますし、「一定年齢を迎えたら発症しない」というものではありません。

男女の発症率は同程度ですが、平均的な発症年齢は異なります。
男性と比べて、女性の平均発症年齢は5歳ほど遅くなっています。
進学、就職、結婚など、環境が大きく変わったタイミングで発症する傾向があります。

【参考】厚生労働省 みんなのメンタルヘルス

統合失調症スペクトラム

アメリカ精神医学会の「精神障害/疾患の診断・統計マニュアル」は、2013年に第5版(DSM-5)が出版されました。
DSM-ⅣTR(2000年)からDSM-5にアップデートされた際、統合失調症の扱いは大きく変わっています。

具体的には、統合失調症を「正常な状態と明確に区分できる病気」と捉えることをやめています。
具体的には「正常な状態」から「統合失調症」までを連続体(=グラデーションのようになっていて、明確な区分が存在しない)と捉える方向にシフトしました。
そのため、DSM-5において、統合失調症及び関連疾患は「統合失調症スペクトラム」というカテゴリーに属しています。

統合失調症スペクトラムでは、症状の程度・持続期間などにより、次の5つの症状を定義しています。

【参考】DSM-5

▼統合失調型障害(統合失調型パーソナリティ障害)
統合失調症スペクトラムの中では、もっとも軽い病態です。
「親密な人間関係をうまく築けない」「急に緊張に苛(さいな)まれて、落ち着いていられなくなる」などの問題を抱えます。
統合失調症に見られるような幻覚・妄想はありませんが、しばしば奇妙な「認知の歪み」「知覚の歪み」を持っています。

他人の些細な言動に特別な意味を見いだす「関係念慮」、オカルト・超能力などに対する関心が見られるケースも多く、周囲からは「奇特・風変わりな人物」と見られることがあります。

▼妄想性障害
「自分は誰かに愛されている(被愛妄想)」「自分は特別な存在である(誇大妄想)」「誰かに陥れられている(被害妄想)」などの妄想にとらわれます。
妄想が1か月以上にわたる一方、統合失調症のほかの症状が見られない場合、妄想性障害の疑いが出てきます。

▼短期精神病性障害
統合失調症が疑われるような症状が発現しますが、1日以上1か月未満の一時的な症状にとどまります。
妄想、幻覚、意味のわからない会話などは最終的になくなり、発症前の状態に回復します。

▼統合失調症様障害
統合失調症の診断基準を満たす程度の症状が発現しますが、その状態は1か月以上6か月未満にとどまります。
完全に回復はしないまでも、6か月以内に統合失調症の診断基準は満たさなくなります。

▼統合失調症
統合失調症に特徴的な複数の症状が1か月以上にわたっており、統合失調症を疑うに十分な兆候が6か月以上にわたって続いている場合、統合失調症と診断します。

一緒に調べられている病気

うつ病

境界性パーソナリティ障害

板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。
 

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