肥満症

肥満症を改善するためには何をすべきですか?

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

 

肥満体型の人は生活習慣病を引き起こしやすいです。
肥満を解消するためには食事内容を変更することです。
量を減らしたり、カロリーが少ないメニューにしたりしてダイエットをおこないます。
運動することで、エネルギーを消費しやすい身体に変えることも大切です。

肥満症~食事療法と運動療法による改善 / 生活習慣病世代の食事と運動

肥満の大きな原因は、エネルギーの過剰摂取と消費エネルギー不足。つまり、食べ過ぎと運動不足です。
肥満になると、糖尿病や高血圧、痛風、脳出血などの生活習慣病を発症するリスクが高くなります。

現在の生活習慣を見直すことが、肥満症を改善する健康への第一歩です。毎日を健康に楽しく過ごすために肥満を改善する方法をご紹介します。

肥満症の生活習慣の改善方法とは

肥満症のダイエットの目的は、生活習慣病の改善とそれによる発病のリスクを取り除いていくことです。

肥満症の解消方法は大きく2つあります。食事療法および運動療法です。
ただし、すでに肥満度が高く、合併症が進行している場合などは薬物療法や外科的治療が行われることがあります。

日本肥満学会で標榜している目標は、「今の体重の3%を減らすこと」です。
あくまで生活習慣を改善することで生活習慣病の発病リスクを取り除くということを一番に考えましょう。

【参考】日本肥満学会-学会誌

BMIについて(ボディ・マス・インデックス)

自分の体重と身長の関係を考慮して、どれくらいの肥満度に位置しているかはBMI(ボディ・マス・インデックス)で計算します。
BMIが25を超えた場合は肥満症といえます。

■BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
■適正体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

BMI判定日本肥満学会による肥満判定基準

BMI判定
18.5未満 低体重
18.5以上25未満普通体重
25以上30未満肥満(1度)
30以上35未満肥満(2度)
35以上40未満 肥満(3度)
40以上肥満(4度)

【参考】日本肥満学会-肥満度分類

肥満症の食事療法

肥満学会の肥満症の「肥満症治療ガイドライン2008」による食事療法では、一日の摂取エネルギーをだいたい1,000~1,800kcalにとどめた肥満症治療食を医師や栄養士の指示のもとでおこないます。。
栄養バランスの良いメニューを考え、動物性脂肪や油脂、糖分を摂り過ぎないようにします。
BMIが30以上の場合や早急に減量が必要な場合は、一日に1,000~1,400kcalに減食します。

さらに、睡眠時無呼吸症候群などの健康障害をともない、すぐに大幅な減量が必要な場合は600kcal以下の低エネルギー食による治療を行います。
食事はタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養不足に注意してメニューを考えなくてはなりません。

摂取するエネルギーが少ないと、身体は基礎代謝量(呼吸や体温調節など人間の生命活動を維持するのに使われるエネルギー)を減らして、少ないエネルギーで生きていけるように順応してしまうため、空腹を我慢してダイエットしても全然やせない、ということになってしまいます。

さらに、食べないで我慢しているストレスから、一時的にやせたとしてもすぐにリバウンドしてしまうこともあります。
そのうえ、急激なダイエットは、肌や髪が荒れてしまったり、生理がとまったりすることもあります。

【参考】厚生労働省学会-ガイドラインにおける食事療法等に関する記載

生活習慣病世代の食生活の注意ポイント

肥満予防のために、下記のポイントに注意しましょう。

1.過剰なエネルギー摂取を避ける
体格などによって差はありますが、自分に見合った摂取エネルギー量を心がけます。
生活、運動や基礎代謝などで消費するエネルギー量に対して、摂取するエネルギー量が上回れは脂肪として蓄えられます。

基礎代謝は年齢とともに減っていきますが、生活習慣病世代は食事の量はさほど変わりません。
そのため、内臓脂肪として身体に蓄積され、肥満につながります。

推定エネルギー摂取量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」などが参考になります。

2.脂肪分の高い食事を避ける
一日の脂肪分の摂取量は、一日の総エネルギー摂取量の20~25%が理想です。戦後直後から比較すると脂肪摂取量は増加しています。
食の欧米化が進み高脂肪食が増えています。脂肪の摂取量の増加は動脈硬化や乳がん、大腸がんの発症リスクになる可能性があります。

【参考】厚生労働省学会-ガイドラインにおける食事療法等に関する記載

3.食塩の摂り過ぎを避ける
一日10g未満、血圧が高い人は6g未満を目安にしましょう。食塩の摂り過ぎは、高血圧や胃がんを招く要因であると考えられています。

【参考】厚生労働省学会-ガイドラインにおける食事療法等に関する記載

4.カルシウム不足にならないように注意する
小魚、牛乳、海藻などカルシウムの含有量が多く、また吸収率の良いものを食べましょう。
減食するとこれらの栄養層が不足しがちになります。不足するとストレスに弱くなりイライラしたり、骨粗鬆症の要因となります。

5.規則な食習慣
三食決まった時間に食べる習慣をつけましょう。
朝食を抜く人が多いですが、食事と食事の時間が開きすぎると身体が飢餓状態となり、エネルギーをため込もうとし、より脂肪として蓄積されやすくなるので注意です。

6.糖質制限
最近は、カロリーで計算するのではなく、摂取する糖質量で計算して、減量を目指していく糖質制限が紹介されています。
糖尿病の患者では血糖上昇が抑えられ、非糖尿病の人でも減量効果が高いとされるため、注目されています。

肥満症の食事療法

肥満症の運動療法

肥満の程度によって、ウォーキングや水中運動など有酸素運動を継続して行います。肥満の状態によっては激しい運動は、膝などの関節を痛めたり、肺や心臓などの内蔵に負荷を与えかねません。負担の少ない運動から徐々に始めていきましょう。

また、筋肉トレーニングも有効です。筋肉量を増やすことで消費エネルギー量をアップさせます。加齢により筋肉量が減っていくと基礎代謝も下がります。生命維持のために日々、消費しているエネルギーの量が減るため、体重が落ちにくくなります。
高齢になってからでも筋力を上げることはできますので、無理をせず取り組んでみましょう。

準備運動(ウォーミングアップ)と、整理運動(クールダウン)も大切です。
怪我の予防と疲労を残さないために、筋や関節をほぐしたり、伸ばすストレッチが効果的です。

生活習慣病世代の運動量

運動量の目安は、厚生労働省の「エクササイズガイド」を参考にすると良いでしょう。

日常生活の中の「生活運動」や、スポーツや趣味の「運動」の運動量を、強度と時間で示しています。
「エクササイズガイド」では身体活動の強度を「メッツ」と表現しています。「メッツ」に時間をかけたもの(「メッツ」×時間)を「エクササイズ」という単位で表し、生活習慣予防のためには、3メッツ以上の身体活動(普通歩行など)を週に23エクササイズ(23時間)以上行うことが目標とされています。その中の4エクササイズは活発な運動をおこなうことが推奨されています。

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

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病気スコープ編集部
2017年10月25日

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