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ひまんしょう肥満症

更新日:2022/03/16 公開日:2019/01/23 view数:6,419
目次
  1. 肥満症とは
  2. 肥満症の症状
  3. 肥満症の診療科目・検査方法
  4. 肥満症の原因
  5. 肥満症の予防・治療方法・治療期間
  6. 肥満症の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 肥満症になりやすい年齢や性別

肥満症とは

肥満症は太っている状態が健康に影響のある状態を意味しています。中には内分泌や遺伝などが原因で肥満になっていることもあります。

また、肥満体型はそれ自体が疾病ではありません。しかし生活習慣病を引きおこしやすいとされています。
肥満を解消するためには食事内容を変更することも1つの方法です。
量を減らしたり、カロリーが少ないメニューにしたり食事の質を考慮してダイエットをおこないます。
運動することで、エネルギーを消費しやすい身体に変えることも大切です。

主に内科で診療し、食事や運動、生活習慣の指導などをおこなっていきます。糖尿病といった合併症がある場合は糖尿病内科というように、疾患に合わせた診療科目での受診を紹介します。

肥満症の症状

肥満症の症状では脂肪細胞の質的な異常と量的な異常による症状があります。
質的な異常としては2型糖尿病脂質異常症高血圧、高尿酸血症、脳梗塞などをおこす可能性があります。
量的な異常によりおこる症状としては変形性関節症などの運動器疾患や睡眠時無呼吸症候群をおこす場合があります。




肥満症の診療科目・検査方法

自分の体重と身長の関係を考慮して、どれくらいの肥満度に位置しているかはBMI(ボディ・マス・インデックス)で計算します。
BMIが25を超えた場合は肥満と判定され、健康に影響がある場合は肥満症とされます。

  • BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
  • 適正体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

BMI判定日本肥満学会による肥満判定基準

BMI 判定
18.5未満  低体重
18.5以上25未満 普通体重
25以上30未満 肥満(1度)
30以上35未満 肥満(2度)
35以上40未満  肥満(3度)
40以上 肥満(4度)

このほか、肥満に関連する病気について検査をおこないます。血液、尿検査、心電図、X線検査、腹部エコー、腹部CT、睡眠検査などがおこなわれることもあります。

肥満だけでは必ずしも受診の必要はありませんが、何かしらの症状がある場合は内科や、合併している症状の疾患に対する診療を受ける必要があります。

肥満症の原因

肥満の主な原因は、エネルギーの過剰摂取と消費エネルギー不足です。
つまり、食べ過ぎと運動不足によるものといえます。
肥満になると、糖尿病高血圧症痛風、脳出血などの生活習慣病を発症するリスクが高くなります。肥満により健康を害する症状がおこると肥満症とされます。

肥満症の中には遺伝や内分泌異常などによりおこっている場合もあります。
日本ではBMIが25以上で肥満と判定され、肥満が病因によるものでなく、健康に障害があると肥満症と診断されます。

肥満症の予防・治療方法・治療期間

肥満の解消方法は食事療法と運動療法の大きく2つがあります。
ただし、すでに肥満度が高く、合併症が進行している場合などは薬物療法や外科的治療がおこなわれることがあります。

日本肥満学会で標榜している目標は、「今の体重の3%を減らすこと(3度以上の肥満症は5〜10%)」です。
まずは、生活習慣を改善することで生活習慣病の発病リスクを取り除くということを一番に考えます。

肥満症の食事療法

肥満学会の肥満症の「肥満症治療ガイドライン2016」による食事療法では、一日の摂取エネルギーをだいたい1日あたり 25 kcal/kg標準(適正)体重以下にとどめた肥満症治療食を医師や栄養士の指示のもとでおこないます。
栄養バランスの良いメニューを考え、動物性脂肪や油脂、糖分を摂り過ぎないようにします。
BMIが35以上の場合や早急に減量が必要な場合は、一日に20〜25 kcal/kg × 標準体重/日以下に減食します。

さらに、睡眠時無呼吸症候群などの健康障害をともない、すぐに大幅な減量が必要な場合は600kcal以下の超低エネルギー食による治療をおこないます。
食事はタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養不足に注意してメニューを考えなくてはなりません。

摂取するエネルギーが少ないと、体は基礎代謝量(呼吸や体温調節など人間の生命活動を維持するのに使われるエネルギー)を減らして、少ないエネルギーで生きていけるように順応してしまうため、空腹を我慢してダイエットしても期待するほどやせません。

さらに、食べないで我慢しているストレスから、一時的にやせたとしてもすぐにリバウンドしてしまうこともあります。そのうえ、急激なダイエットは、肌や髪が荒れてしまったり、生理がとまったりすることもあります。

肥満予防のために、下記のポイントに注意します。

1.過剰なエネルギー摂取を避ける

体格などによって差があるため、自分に見合った摂取エネルギー量を心がけます。
生活、運動や基礎代謝などで消費するエネルギー量に対して、摂取するエネルギー量が上回れば脂肪として蓄えられます。

基礎代謝は年齢とともに減っていきますが、食事の量は年を重ねてもさほど変わりません。
そのため、過剰なエネルギー源は内臓脂肪として身体に蓄積され、肥満につながります。
推定エネルギー摂取量は、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準」などが参考になります。

2.脂肪分の高い食事を避ける

一日の脂肪分の摂取量は、一日の総エネルギー摂取量の20~25%が理想です。戦後直後から比較すると脂肪摂取量は増加しています。
食の欧米化が進み高脂肪食が増えています。脂肪の摂取量の増加は動脈硬化や乳がん、大腸がんの発症リスクになる可能性があります。

3.食塩の摂り過ぎを避ける

一日男性8g未満、女性7g未満、血圧が高い人は6g未満を目安にします。食塩の摂り過ぎは、高血圧や胃がんを招く要因であると考えられています。

4.カルシウム不足にならないように注意する

小魚、牛乳、海藻などカルシウムの含有量が多く、また吸収率の良いものを食べるようにしましょう。
減食するとこれらの栄養素が不足しがちになります。不足するとストレスに弱くなりイライラしたり、骨粗鬆症の要因となります。

5.規則な食習慣

三食決まった時間に食べる習慣をつけます。
朝食を抜く人が多くみられますが、食事と食事の時間が開きすぎると身体が飢餓状態となり、エネルギーをため込もうとし、より脂肪として蓄積されやすくなるので注意します。

6.糖質制限

最近は、カロリーで計算するのではなく、摂取する糖質量で計算して、減量を目指していく糖質制限が紹介されています。
糖尿病の患者さんでは血糖上昇が抑えられ、非糖尿病の人でも減量効果が高いとされるため、注目されています。

肥満症の運動療法

肥満の程度によって、ウォーキングや水中運動など有酸素運動を継続しておこないます。しかし、肥満の状態によっては激しい運動は、膝などの関節を痛めたり、肺や心臓などの内蔵に負荷を与えかねません。負担の少ない運動から徐々に始めていくとよいでしょう。

また、筋肉トレーニングも有効です。筋肉量を増やすことで消費エネルギー量をアップさせます。加齢により筋肉量が減っていくと基礎代謝も下がります。生命維持のために日々、消費しているエネルギーの量が減るため、体重が落ちにくくなっていきます。
しかし、高齢になってからでも筋力を上げることはできるので、無理をせず取り組むことを推奨します。

準備運動(ウォーミングアップ)と、整理運動(クールダウン)も、怪我の予防と疲労を残さないために重要です。筋や関節をほぐしたり、伸ばすストレッチが効果的です。

生活習慣病世代の運動量

運動量の目安は、厚生労働省発表の「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」を参考にすると良いでしょう。
日常生活の中の「身体活動」や、スポーツや趣味の「運動」の運動量を、強度と時間で示しています。
「アクティブガイド」では、“今より10分多く体を動かそう”ということをメッセージとして、身体活動や運動習慣を増やすため「気づく」「始める」「達成する」「つながる」と段階的に健康寿命をのばす工夫がされています。
何をすれば良いか、具体的に示されているので参考にするとよいでしょう。

肥満症の治療経過(合併症・後遺症)

長期的に体重が減少した状態を維持することは容易ではありません。肥満それ自体は影響が分かりにくいですが、さまざまな疾病が合併しやすい状況となってしまいます。

肥満症になりやすい年齢や性別

2017年に厚生労働省が実施した国民健康・栄養調査による肥満者の割合は男性で30.7%、女性で21.9%でした。男性はほぼ全ての年齢で肥満者の割合が増加しています。女性は若年層を中心にやせが増えている傾向にあります。

執筆・監修ドクター

板東 浩
板東 浩 医師 医師 担当科目 内科

経歴1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

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