あでのいどひだいアデノイド肥大

アデノイドは幼児期に肥大していることが多く、5〜6歳くらいでピークを迎え次第に小さくなっていきます。大人でのアデノイド肥大はほとんどみられません。

症状が特におこらないことも多くありますが、空気の通り道になる場所でもあるため、アデノイドが大きくなることで、息苦しさを感じます。特に鼻呼吸がしにくく、口呼吸になるためいびきもかきやすくなります。

そのため、アデノイド顔貌とよばれる「上前歯の並びが悪くなる」「下顎が後ろに下がる」「口が開けっぱなしになる」といった特徴的な顔立ちになることもあります。

アデノイド肥大は睡眠時無呼吸症候群や中耳炎や副鼻腔炎の原因になることもあります。

さらに、呼吸がうまくできないため、集中力に欠け、学習障害の原因になっていることもあります。

耳鼻いんこう科にて “後鼻鏡検査”やファイバースコープによる視診を行い、アデノイド肥大の大きさや増殖具合を確認します。

また場合によっては触診や上喉頭側面のエックス線撮影による画像検査を行うこともあります。

なぜアデノイド肥大が起こるのか、原因が解明されていないことも多いです。

また、原因としてウイルスや細菌によって喉が感染することで肥大することもあります。頻繁に感染症に罹患することで慢性的にアデノイド肥大をおこすこともあります。

また、まれではありますが腫瘍によってアデノイド肥大がおきている場合があります。

通常、アデノイド肥大によって、呼吸障害や心肺機能障害、摂食障害などがおこっていると治療対象となります。しかし、単にアデノイドが肥大している、軽症ということでは治療対象とならないことが多いです。

一時的に肥大している場合は抗炎症薬の投与を行います。細菌感染が原因であれば抗菌薬、アレルギーが原因であれば抗ヒスタミン薬の投与を行うこともあります。

慢性化した場合は肥大しているアデノイドの切除を局所麻酔、または全身麻酔にて行います。

手術当日は絶食、かつベッド上で過ごすことになりますが、翌日から立ったり歩いたりするこことができるようになります。
食事は術後1週間ほど経ってからとなります。

術後は術後合併症の中でも最も頻度が高い「出血」に注意が必要です。

また、気道閉塞や創部感染、味覚障害などの合併症にも注意しましょう。

アデノイドは幼児期に肥大していることが多いです。4〜5歳くらいが一番大きい状態になり、大人になるにつれ、小さくなっていきます。