きゅうせいいえん急性胃炎

上腹部痛や腹部膨満感、胃のむかつき、胃もたれなどが生じます。

上部消化管内視鏡検査（胃カメラ）をおこないます。

症状があれば受診は必要です。消化器内科を受診しましょう。

精神的・身体的ストレスや、抗生物質・NSAIDs（※1）などの薬剤、香辛料やコーヒー、アニサキス（※2）などの寄生虫、ヘリコバクター・ピロリ菌（※3）も原因となります。

治療には原因の除去が必要です。ストレスが原因の場合は、環境の改善や生活習慣の改善が大切です。
制酸剤、胃粘膜保護剤の内服にて改善されることが多いです。
アニサキスが原因の場合は内視鏡的に除去を要します。
また、出血が強い場合は「内視鏡的治療」や「止血剤の投与」をおこないます。

早ければ1日で改善することもあります。
だいだいは約1週間～2週間の治療期間となります。

制酸剤や胃粘膜保護剤にて治療可能です。

厚生労働省の患者調査では、罹患者数は1987年には93万8000人でしたが、2014年には73万5000人とやや減少しています。

年齢や性差は特にありません。

※1　NSAIDs （エヌセイズ）

NSAIDsは、「非ステロイド性消炎鎮痛薬」の略称です。
「Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs」の頭文字をとったものになります。
「炎症・痛みを抑える薬」で、ステロイドではないものを指します。
ただし、非ステロイドの消炎鎮痛薬でも、「ピリン系（イソプロピルアンチピリンetc.）」「アセトアミノフェン」はNSAIDsに含みません。
NSAIDsに分類させる消炎鎮痛薬の一例は、「ロキソプロフェン」「イブプロフェン」「ジクロフェナク」などです。

※2　アニサキス

アニサキスは、「主に魚介類の内臓表面に寄生する寄生虫」です。
鮭、サバ、サンマ、タラ、マス、サンマ、スルメイカなどの内臓に寄生していることがあります。
体長は2～3cm程度で、寄生しているときは渦巻状になっています。
アニサキスが寄生した魚介類を生食（刺身など）したとき、アニサキスによる食中毒を起こす例があります。
アニサキスが胃壁・腸壁に侵入すると、激しい腹痛や嘔吐を引きおこします。
胃アニサキス症では、内視鏡を入れて物理的に虫体を摘出します。
腸アニサキス症では、基本的に対症療法をしながらアニサキスが死ぬのを待ちますが、腸閉塞を起こせば開腹手術になることもあります。

※3　ヘリコバクター・ピロリ菌

ヘリコバクター・ピロリ菌は、「人間の胃粘膜に感染する細菌」です。
胃炎・胃潰瘍・胃がんの原因菌として知られています。
2018年現在、「ピロリ菌に感染しているどうか」を調べるための検査は保険適用になっています。
ピロリ菌に感染していた場合、除菌することで将来的な胃がんリスクを抑えることが可能です。