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ピロリ菌って何?検査方法から除菌まで詳しく解説!

更新日:2017/03/29 公開日:2017/03/29 view数:599

日本人のがん死因率トップ1でもある胃がんの原因となる“ピロリ菌”。40年前と比べると感染者が減ってきているものの、年齢が上がるとともに感染者も多く、未だ60歳以上の半数以上がピロリ菌保有者でもあります。

ピロリ菌を保有しているからといってすぐにがんになる訳ではありませんが、多くの人が胃に何かしらの影響を与えることがあります。今回は、健康を脅かすピロリ菌についてご紹介していきます。

目次
  1. ピロリ菌について
  2. ピロリ菌検査方法と費用について
  3. ピロリ菌の除菌方法と注意点
  4. まとめ

ピロリ菌について

ピロリ菌

1.ピロリ菌とは

ピロリ菌は『ヘリコバクター・ピロリ』という細菌で、酸素の少ないところで生息し、酸性度の強い胃酸がある胃の中でも生きていけるグラム陰性微好気性菌です。

原因は明らかにはなっていませんが、口から病原体が体内に侵入する『経口感染』や、糞便が手指を介して口へ運ばれ、病原体が体内に侵入する『糞口感染』しやすく、感染している人から小さいお子さんへ口移しをしたり、不衛生な環境での飲食で感染したり、ペットから媒介するなどが考えられます。

小さいお子さんは免疫力が低いので感染しやすく、大人は排菌することがほとんどなので成人後に感染することはあまりありません。

最近では、感染者は減少傾向にあるものの、一度感染するとほぼ一生住み続ける特性があるので、衛生環境の整っていない時代に幼少期を過ごした年代になると2人に1人が感染しているのが現状です。

2.胃炎・胃がんのリスクが上がるピロリ菌

もともと『胃炎』や『十二指腸潰瘍』、『胃潰瘍』などの原因は、ストレスや胃酸が必要以上に分泌される胃酸過多によるものと考えられていましたが、1983年にピロリ菌が発見され、胃炎、潰瘍、胃がんなどに関わっていることが明らかとなりました。

ピロリ菌から発生する毒素によって、胃で慢性的に炎症が起き、胃粘膜がダメージを受け、胃酸で粘膜が傷つき潰瘍ができていきます。そして、感染者の約1割の人は胃がんにかかりやすいことが統計的にわかっています。

他にも『胃ポリープ』、『胃MALTリンパ腫』、『萎縮性胃炎』などが起こるリスクが高まります。

3.あなたは大丈夫?ピロリ菌に感染すると出てくる症状

ピロリ菌の症状

胃炎、胃の潰瘍が起こると胃酸過多にもなるので、様々な症状が体にでてきます。代表的な4つについてご紹介します。これらの症状が繰り返し起こるときはピロリ菌に感染している可能性があります。

胸焼け

通常は胃粘膜によって胃酸から胃のダメージを守っていますが、ピロリ菌に感染すると保護役の胃粘膜がダメージを受けるので、胃酸の刺激を受けやすくなります。そうすると、胸焼けが起こりやすくなってきます。

吐き気・嘔吐

ピロリ菌によって、胃の粘膜が弱り、繰り返し炎症が起きることで、胃の機能が落ちた状態になります。胃の機能が落ちると、胃酸の刺激のみでも吐き気・嘔吐が起こることがありますし、胃酸が増えすぎることによって、胃液や胃の内容物が逆流しやすくなります。

胃もたれ

ピロリ菌によって繰り返しに胃の炎症が起こると、消化機能が落ち、胃もたれが起こることがあります。

食欲不振

胃の炎症、また日常からの胸焼けや吐き気、胃の不快感なども加わり、食欲不振になることがあります。

ピロリ菌検査方法と費用について

ピロリ菌の検査は、医師から感染の疑いがあると判断された人は健康保険にて1〜3割負担で検査を受けることができます。内容にもよりますが、内視鏡を使う場合はおおよそ1〜2万円ほど、使わない場合は5千円ほどになります。

ピロリ菌の有無だけでなく胃壁をきちんと診るためには内視鏡検査をおすすめします。

今後心配だから検査をしたい、人間ドックや健康診断のついでに検査をしたいという人は全額自己負担での検査も可能です。また、自宅でできる検査キットも市販されており、3〜5千円ほどで行うことができます。

1.内視鏡を使う検査

内視鏡を使う検査

迅速ウレアーゼ試験

胃の粘膜を採取し、試薬が入った試験管内で反応を確認して、感染の有無を調べます。ピロリ菌が持っている胃を攻撃する特有の毒素“ウレアーゼ”の活性があると、赤色に変化します。

メリット
・精度が高い
・短時間で結果を確認できる

デメリット
・胃の一部の粘膜を採取して行うので、胃の別の場所で感染していた場合見逃してしまうことがある

組織鏡検法

胃の粘膜を採取し、染色して顕微鏡で感染しているか調べる検査になります。

メリット
・直接見ることができ、精度が高い
・組織診断(炎症、腸上皮化生、萎縮の程度の評価)なども可能

デメリット
・胃の一部の粘膜を採取して行うので、胃の別の場所で感染していた場合見逃してしまうことがある

培養法

胃の粘膜の組織を採取し、ピロリ菌が発育できる環境下で1週間ほど培養して、感染の有無を調べます。また、除菌で使用する抗生物質の効果についても確認することができます。

メリット
・除菌で使う抗生物質の効果について確認することができる

デメリット
・結果が分かるまでに時間がかかる
・胃の一部の粘膜を採取して行うので、胃の別の場所で感染していた場合見逃してしまうことがある

2.内視鏡を使わない検査

内視鏡を使わない検査

内視鏡検査や造影検査(バリウムなどの造影剤を使用して行う検査)を受けて、『胃・十二指腸潰瘍』『慢性胃炎』『胃MALTリンパ節腫』『特発性血小板減少性紫斑病』『早期胃がんに対する内視鏡治療後』『内視鏡検査後胃炎と診断されている』のいずれかに該当する場合は健康保険にて1〜3割負担での検査になります。また、いずれかに該当しない場合は、全額自己負担での検査になります。

尿素呼気試験法

通常ピロリ菌に感染していると、ピロリ菌毒素ウレアーゼの作用によって呼気(吐き出す息)に炭酸ガスが多く含まれるので、呼気の二酸化炭素量で感染の有無を確認します。

まず、空腹時の呼気を採取して、その後すぐに検査用の尿素が含まれた薬を服薬します。再度、呼気を採取して二酸化炭素の量を判定します。感染している場合は二酸化炭素の量が最初よりも増えます。

メリット
・精度が高い
・簡単に検査ができる
・小さなお子さんでも実施できる

デメリット
・食事の影響があるため、検査前には空腹にしておく必要がある
・検査材料が呼気であるため、検査前には禁煙しておく必要がある
・バリウム検査を施行した後には、同日に施行することができない
・内視鏡検査後に施行する場合は、1時間以上経過した後に検査施行する必要がある

抗体測定

ピロリ菌に感染すると体内ではピロリ菌から守るために抗体ができます。その抗体の有無を血液や尿を採取し確認します。

メリット
・検査に時間がかからない
・ピロリ菌が少なくても確認することができる

デメリット
・あえてデメリットとするなら、採血が必要である
・除菌後の抗体低下には1年以上かかることがあるため、除菌が成功しているかを早く知りたい場合には適さない検査である

糞便中抗原測定

検便を行い、糞便中のピロリ菌の抗原を調べて確認する方法です。

メリット
・精度が高い

デメリット
・あえてデメリットとするなら、検体の採取や検査の処理が複雑である

ピロリ菌の除菌方法と注意点

ピロリ菌の除菌方法

1.ピロリ菌の除菌方法と費用

胃酸分泌抑制薬と抗生物質2種類の併用が一般的です。一次除菌と、抗生物質の種類を替えた二次除菌があり、医師の指示通り正しく内服を1週間継続できた方が、一次除菌を終えた段階でピロリ菌を除菌できた確率が70〜80%となることが報告されています。また、二次除菌を終えた段階で除菌できた確率は90〜95%になります。

ピロリ菌除菌費用は、保険適応疾患が『ヘリコバクターピロリ感染性胃炎』『胃十二指腸潰瘍』『胃MALTリンパ腫』『特発性血小板減少性紫斑病』『早期胃がん内視鏡治療後』の患者さんのみになっており、料金はおおよそ5千円〜1万円の除菌薬剤料金になります。

2.除菌中の副作用

軟便・下痢・味覚異常・発熱・アレルギー症状などがありますが、ほとんどが一過性で服薬中止後に改善がみられます。

いずれも軽度ではあるものの下血を伴う下痢、アレルギー症状の発疹・かゆみ・じんましんが発現した時には服用を中止し、医師に相談するようにいわれます。

3.ピロリ菌除菌時の注意事項

ピロリ菌の注意事項

薬をきちんと服用する

お薬を朝と夕飯後1日2回の服用を7日間連続で続けます。きちんと服用しないと除菌が失敗する可能性が高くなります。

アルコールを飲まない

薬の中に胃酸を抑制するものが入っています。アルコールを飲むと胃酸が増えてしまって折角の薬の効果がなくなってしまいます。また、アルコールが肝臓をはじめとした内臓に負荷を与えてしまうこともあるので除菌中はアルコールの摂取を控えてください。

体に異変が出たときは医師へ相談する

高熱や発疹、ひどい腹痛などがある場合は必ず医師に相談してください。

4週間以上経過後、結果を必ず確認する

ピロリ菌の除菌後4週間以上経ってから内視鏡を使わない検査を再度行い、除菌が完全かを確認します。90%以上は除菌可能な治療ですが残念ながら数%は除菌できない場合があります。

除菌できなかった場合は、薬剤を変更し除菌をする事になりますので、除菌後の結果確認は必ず行い、その後も継続して主治医の先生の指示に従いましょう。ちなみに、三次除菌以降は自費になるところが多くあります。

まとめ

昔と違い、胃炎、胃がんのリスクはほとんどがピロリ菌によるものとわかってきています。衛生環境が整い感染者が減っているというものの、まだまだ感染者の多い日本。医療機関で早めに検査を行い、感染の有無を知ること、また感染していたら早めに除菌をすることをお勧めします。

執筆・監修ドクター

岡村 長門
岡村 長門 医師 岡村クリニック 院長 担当科目 心臓血管外科/循環器内科/内科

経歴1996年 埼玉医科大学卒業
1997年 埼玉医科大学第一外科入(一般外科、呼吸器外科、心臓血管外科)終了
1999年 戸田中央総合病院心臓血管外科医として就職
2000年 埼玉医科大学心臓血管外科就職
2006年-2012年3月 公立昭和病院心臓血管外科就職
2012年4月 岡村医院、医師として勤務
2012年7月 岡村クリニック開院

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