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ちょうしんけいしゅよう聴神経腫瘍

ぜんていしんけいしょうしゅ前庭神経鞘腫
更新日:2022/08/16 公開日:2019/01/31 view数:9,341

聴神経腫瘍とは?

聴神経腫瘍は、脳幹に情報を送る神経に発生する良性の脳腫瘍ですが、まれに悪性のこともあります。

初期は片方の耳の聞こえが悪いことや、反復するめまい等で気づくことが多く、この場合であればまだ腫瘍は小さい状態です。しかし、数年放置すると腫瘍は大きくなり、手術による治療が必要となります。

治療では難聴や他の臓器への圧迫を防ぐために、腫瘍を取り除いたり、腫瘍を小さくします。

腫瘍をそのままにすれば周辺組織を圧迫し、臓器障害を起こして命の危険もあります。腫瘍が見つかった際は定期的な検査を受けるようにしましょう。

目次
  1. 聴神経腫瘍の症状
  2. 聴神経腫瘍の診療科目・検査方法
  3. 聴神経腫瘍の原因
  4. 聴神経腫瘍の予防・治療方法・治療期間
  5. 聴神経腫瘍の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 聴神経腫瘍になりやすい年齢や性別

聴神経腫瘍の症状

初期は片方の耳の聞こえが悪くなる聴力低下、耳鳴り、浮遊感などのめまいがほとんどで、突発性難聴と間違われることもあります。

腫瘍が大きくなると、聴神経や脳神経を圧迫することで、複数の障害が現れます。歩行困難やめまい、吐き気、嚥下障害、顔面神経麻痺や意識障害など、症状はさまざまです。

また、頭の中に水(髄液)がたまる水頭症を合併することもあり、その際は意欲低下、尿失禁認知症などが起こることもあります。

ただ、最近は診断技術の進化により、耳やめまい以外の症状を起こすのはまれになりました。



聴神経腫瘍の診療科目・検査方法

症状によって聴力検査や聴覚検査、平衡感覚の検査などを行います。

MRIで腫瘍を確認することで、聴神経腫瘍の疑いがあるかの判断が可能です。確定診断には、腫瘍を採取し顕微鏡をつかって組織学的検査を行います。

また、CTによる検査の場合は大きな腫瘍であれば確認できますが、小さな腫瘍では見えない場合もあります。

腫瘍はすぐに大きくなることはなく、また必ずしも大きくなるわけではありません。しかし、大きくなったあとは治療も大掛かりになります。

そのため発見された場合は定期的に耳鼻いんこう科、または脳神経外科を受診し、経過観察をする必要があります。

聴神経腫瘍の原因

腫瘍ができる原因ははっきりわかっていませんが、遺伝子の突然変異も要因と考えられています。

腫瘍は神経線維を包む「シュワン細胞」から発生します。
聴神経は蝸牛神経と前庭神経の総称で、聴神経腫瘍はいずれかに腫瘍が発生することですが、平衡感覚を担う前庭神経から発生するものが多いとされています。

多くは良性腫瘍のため、他の臓器への転移はないが、腫瘍が大きくなることでさまざまな臓器へ障害を引き起こします。

聴神経腫瘍の予防・治療方法・治療期間

薬での治療法はなく、放射線か手術による治療になります。
すぐに腫瘍は大きくならないので、小さな場合は経過観察となり、温存療法をする場合もあります。

めまいや吐き気、意識障害などが起こっていると、腫瘍が大きくなっている可能性が高く、腫瘍3cm以上の場合は手術による摘出を行います。

このほか、腫瘍を小さくしたり、それ以上大きくならないようにしたりするために、一点に集中して放射線を当てる「ガンマナイフ治療」を行う場合もあります。

治療法は症状や患者の年齢などを考慮して検討します。

聴神経腫瘍の治療経過(合併症・後遺症)

手術をしたからといって聴力や耳鳴りが必ず改善されるということはありません。

腫瘍は急に大きくなることはなく、徐々に大きくなっていくので、半年に一度くらいの頻度で、MRIによる検査で状態を確認しましょう。腫瘍を全て摘出すれば再発することはありません。

ただ、聴力を犠牲にして腫瘍を取らなければならない場合があります。
症状が現れても検査をしないまま放置すると、腫瘍が大きくなり周辺組織を圧迫して命に関わることもあります。

聴神経腫瘍になりやすい年齢や性別

脳腫瘍の中では3番目に発症頻度が高く、脳腫瘍の7~10%ほどが聴神経腫瘍といわれています。

年間に10万に1人の割合で、中年以降、男性よりも女性に多く発症しています。

執筆・監修ドクター

矢崎 裕久
矢崎 裕久 医師 矢崎耳鼻咽喉科医院 院長 担当科目 耳鼻いんこう科

経歴1988年 聖マリアンナ医科大学 卒業 同耳鼻咽喉科入局
1998年 山梨医科大学 耳鼻咽喉科 入局
2005年 矢崎耳鼻咽喉科 入職

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