MCVが高い原因は?飲酒は控えて改善を!「大球性貧血」の可能性も

【医師監修】
血液検査では「MCV」という数値を確認できますが、これは貧血の原因をしらべるのに必要な項目です。
この数値が高いのは体内で異変が起きている証なので、その原因を取り除いて正常値に戻さなくてはいけません。
この記事ではMCVが高くなる原因と、この数値が高いとどんな異常が生じるのかについて解説していきます。
MCVとは?

MCVとは「平均赤血球容積」を表す数値で、簡単にいうと赤血球の大きさをしらべることができます。
MCVと同時に次の項目も測定するのが一般的です。
・MCH:平均赤血球ヘモグロビン量
・MCHC:平均赤血球ヘモグロビン濃度
これらは全て貧血の原因をしらべるのに必要な数値で、この数値が高いと「ビタミンB12欠乏性貧血」「葉酸欠乏性貧血」「過剰飲酒」の可能性が疑われます。
1.MCVの算出方法
「ヘマトクリット(%) ÷ 赤血球(106/㎣) × 10 = MCV」となります。
基準値は80~90flとなり、「fl(フェムトリットル)」は1000兆分の1リットルを表す単位です。
2.数値ごとの名称
MCVの数値によって、以下のような名称で示されます。
・基準値:正球性(赤血球の大きさが正常)
・高 い:大球性(赤血球が平均的に大きい)
・低 い:小球性(赤血球が平均的に小さい)
MCVが高くなる原因は?
1.大球性貧血(赤血球が大きい)

大球性貧血はMCV上昇の主な原因となります。
赤血球の生産に必要なビタミンB12や葉酸が不足し、通常よりも大きな赤血球がつくられることで生じます。
大球性貧血は2種類
大球性貧血はさらに2種類に分けられます。
ビタミンB12不足が原因の場合は「ビタミン欠乏性貧血」、葉酸不足なら「葉酸欠乏性貧血」と呼ばれます。
ビタミンB12が不足する原因
ビタミンB12は、普通の食生活をしている限り不足するものではありません。
そのため不足している場合は、摂取ではなく吸収機能(胃や回腸)に問題があるケースがほとんどです。
例えば体質・加齢・胃切除・萎縮性胃炎などで、栄養素の吸収が悪くなっていることなどが挙げられます。
葉酸が不足する原因
葉酸は食事からしっかり摂らないと不足するため、食生活の乱れは大敵です。
2.アルコールの多量摂取

飲酒の習慣がある方も、MCVが高くなる傾向があります。
体内でアルコールを分解するときに発生する「アセトアルデヒド」が、MCVの上昇に影響するためです。
3. 病気が原因となっていることも

MCVが高くなる原因としては、大球性貧血のほかに次のような病気の可能性も考えられます。
・骨髄異形成症候群:赤血球をつくりだす骨髄に異常がみられる病気
・再生不良性貧血:骨髄の機能が低下する病気
・溶血性貧血:何らかの原因で赤血球が破壊される病気
・肝疾患:肝臓のはたらきが阻害され正常に機能しなくなる病気
MCVが高いときの改善法
1.自分でできる改善方法

食生活の改善
まずは日々の食事から、しっかりビタミンB12と葉酸を摂ることが大切です。
それぞれ下記の食材に多く含まれます。
・ビタミンB12:しじみ・赤貝・牛レバー・あさり・いくらなど
・葉酸:レバー・うなぎ・うに・豆類・ほうれん草など
お酒を控える
MCVが高いといわれてから禁酒をしても、基準値に戻るまで2~4ヵ月ほどかかるとされています。
そのため日頃から節酒を心がけることが大切です。
アルコールを多量摂取する方は、MCVの上昇に比例して食道がんや咽頭がんのリスクも上がる傾向があります。
飲酒は適量にとどめるようにしましょう。
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2.病院での治療について

食生活を見直すだけで改善される場合もありますが、状態が深刻であれば治療の必要があります。
病院では、基本的にはビタミンB12と葉酸を補う処置が施されます。
問診
病院ではまず問診にて次のような内容を確認します。
・消化器官の手術歴
・普段の食生活
・飲酒の傾向
・妊娠の有無
注射、点滴
ビタミンB12不足であると判断された場合、注射や点滴を用いて体内に投与します。
ビタミンB12は食事内容に左右されないため、自力で補うのが難しい栄養素です。
そのため吸収機能に問題がある場合は、定期的な投与が必要となります。
経口投与
葉酸に関しては、食生活を見直しても改善しない場合、経口投与などの治療も併せて行います。
まとめ
MCVという言葉は普段あまり耳にしないかもしれません。しかし貧血をはじめとした病気の指標となる大切な数値です。
MCVが高くなっている場合はビタミンB12や葉酸が不足しているか、骨髄や肝臓などに病気が生じているかもしれません。
検査の結果数値が高いといわれたら、自分で気をつけられることは意識的に改善しましょう。
また、定期的に検査を受けて異常がないか確認することも大切です。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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