貧血の原因を解説!女性に多いのはなぜ?鉄分を吸収しやすい食事をご紹介

何となくだるい、疲れやすい、などの症状が続いていることはありませんか?
近年、貧血の女性が増えてきています。
「大きな病気ではないだろう」と、軽く考えがちですが、放っておくのは危険です。
貧血は食事や運動でも改善できるため、原因をよく知っておくことが大切です。
そのため、この記事では『貧血』の原因を中心にご紹介します。
女性に多い「貧血」のメカニズムを解説!
1.貧血には「赤血球の数値」と「ヘモグロビン」が関係

貧血とは、血液中にある酸素を運ぶ役割をする「赤血球」の数値が、赤血球の中で酸素と結合している「ヘモグロビン」の量よりも下回った状態のことをいいます。
ちなみにヘモグロビン濃度は、成人女性で12g/dl未満になると貧血の疑いがあるとされています。
2.そもそも、貧血はなぜ起こる?

「ヘモグロビン」は、血液中で「酸素」と結合して、全身に酸素を運ぶ大切な役割があります。
そのため、ヘモグロビンが減少すると体に酸素が行き届かなくなります。すると、体が酸欠状態になって、だるさや疲労感などの不調があらわれます。
3.貧血が女性に起こりやすいのはなぜ?

貧血はとくに成人女性に多いとされています。理由としては以下のことが考えられます。
- 月経や出産などで出血することがある
- 無理なダイエットにより食事からの鉄の摂取が減っている
- 忙しい女性が増え、朝食を抜くなど偏った食生活になっている
4.貧血には4つの種類がある

貧血には以下の4つの種類がありますが、ほとんどが『鉄欠乏性貧血』だと考えられます。
- 『鉄欠乏性貧血』…鉄不足による貧血
- 『悪性貧血』(または『巨赤芽急性貧血』)…ビタミンB12や葉酸の不足による貧血
- 『悪性貧血』…骨髄の異常によって赤血球などが減少することによって起こる貧血
- 『溶血性貧血』…赤血球の寿命が異常に早くなることによって起こる貧血
貧血の原因を種類別にくわしく解説!
1.『鉄欠乏性貧血』

「鉄不足」が原因で起こる貧血は、全体の約7割!
鉄は、血液中で酸素を運搬している「ヘモグロビン」を構成している成分のひとつです。そのため、鉄が不足するとヘモグロビンも減少してしまい、貧血を引き起こします。
この貧血を、『鉄欠乏性貧血』といいます。
貧血が女性に多い一番の理由は「生理」
女性は生理によって血液を排出するため、体内の鉄分を失いやすい傾向にあります。
そのため、貧血患者の約7割、貧血患者の女性の10人に1人が『鉄欠乏性貧血』だといわれています。
2.『悪性貧血』

日本人にはあまり見られない貧血
日本人にはあまり見られませんが、ビタミンB12・葉酸の不足による『悪性貧血』(巨赤芽球性貧血)という貧血があります。
赤血球になる前の細胞である「赤芽球(せきがきゅう)」が大きくなって「巨赤芽球(きょせきがきゅう)」となり、血液中に出てくる赤血球も大きくなります。
そのため、『悪性貧血』は『巨赤芽急性貧血』ともよばれています。
ビタミンB12や葉酸が不足すると、細胞分裂に問題が…?
ビタミンB12と葉酸はDNAの合成を手伝いますが、細胞分裂にはこの働きが欠かせません。しかしこれらが不足するとDNAの合成が阻害されるため、細胞分裂に支障が出ます。
そうすると分裂できなかった細胞が大きくなり、異常な巨赤芽球が生産されてしまうという仕組みです。
赤血球が大きくなると、なぜ貧血を起こすの?
赤血球が通常よりも大きくなると、赤血球になる前に壊れてしまうことがあります。
この場合、白血球や血小板も同じような状態になってしまうため、すべての血球が減少して貧血を引き起こします。
3.『再生不良貧血』(難病指定)

骨髄の異常が原因
『再生不良貧血』は、血液をつくり出す「骨髄」に異常が起こることが原因です。
骨髄に異常が起きると、ヘモグロビンだけでなく血球のすべて(赤血球・白血球・血小板)が減少してしまいます。すると、体に酸素が行き届かなくなって貧血を引き起こします。
『鉄欠乏性貧血』とのちがいは?
『再生不良貧血』の場合は、ヘモグロビンの減少によって体内に行きわたる酸素が低下するだけではありません。
白血球の減少による免疫力の低下や、血小板が減少することでケガなどの際に血が止まりにくい状態となるなど、貧血の以外の症状も出てきます。
4.『溶血性貧血』(難病指定)

赤血球の寿命が異常に早くなるのが原因
『溶血性貧血』は、通常120日前後といわれる赤血球の寿命が15~20日と異常に早くなることが原因です。赤血球の膜が次々に破壊され、ヘモグロビンが流れ出てしまうことによって貧血の状態になります。
『自己免疫性溶血性貧血』という病気に発展することも
あとから作られた赤血球を、異物として次々に破壊してしまう病気の可能性もあります。
その状態まで進行すると、『自己免疫性溶血性貧血』という難病指定の病気になります。
なぜ、激しい運動をする人に多いの?
『溶血性貧血』は、アスリートなど激しい運動をする人に多く見られます。
これは赤血球が物理的に破壊されることが原因で起こるため、足の裏に強い衝撃を受けるスポーツ選手は引き起こしやすいとされています。
次の方は特に足裏に衝撃を受けやすいため、赤血球が壊れて溶血性貧血を起こす可能性が比較的高いと言えるでしょう。
- マラソン選手
- バレーボール選手
- 剣道選手
- 空手選手
貧血になってしまったときの対処法は?

一般的な『鉄欠乏性貧血』の場合は徐々に進行するため、あまり自覚症状はありません。
貧血が起きた際にすぐに体を横にできる状況であれば、横になってゆっくりと休むことで辛さを軽減できます。
息切れやだるさが強い場合は、医療機関を受診して検査をしましょう。
貧血を予防・改善するには食事と運動の見直しを!
1.鉄分を中心にバランスのよい食事を心がけましょう

主食・主菜・副菜に鉄分を補給!
基本的には3食規則正しく、バランスのいい食事を心がけていれば鉄などの栄養が不足することは少ないでしょう。しかし、食事を抜くことが多い人や運動量の多い人は、鉄分不足に陥りやすくなります。日ごろから鉄分を多く摂るように意識しましょう。
食べ物には含まれる鉄分は2種類あります!
- 「ヘム鉄」…肉や魚などの動物性食品に多く含まれる
- 「非ヘム鉄」…海藻や野菜などの植物性食品に含まれる
ヘム鉄は体内への吸収率が非ヘム鉄よりも数倍高いといわれています。
非ヘム鉄はたんぱく質やビタミンCと一緒に摂取することで、体内への吸収率がアップします。組み合わせを工夫することで効果的に鉄を補給することができるでしょう。
赤血球をつくる「タンパク質」もしっかり摂取!
血液中の赤血球をつくる土台となる栄養素は「タンパク質」です。
タンパク質が不足していると赤血球が作られないため、いくら鉄を補給しても貧血が改善されません。
血液をつくる食品も忘れずに!
血液をつくる効果のある「ビタミンB12」「ビタミンB1」「葉酸」などを多く含む食材も多く摂りましょう。次のような食品があてはまります。
- ビタミンB12…赤貝、牡蠣、しじみなどの貝類
- ビタミンB1…にんにく、豚肉、胚芽
- 葉酸…枝豆、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜やレバー
2. 適度な運動で貧血を改善!

適度な運動はヘモグロビンを増やします
適度な運動は体内のヘモグロビンを増やしてくれます。血液の流れもよくなり、赤血球も活発につくられるようになるので、貧血の改善につながるでしょう。
過度な運動はNG!あくまで適度な運動を
過度な運動は、心臓に負担をかけたり、赤血球を壊したりする恐れがあります。
精神的にもつらくなるとストレスを招くこともあるため、適度な運動を心がけましょう。
まとめ
貧血の症状には個人差があるため、ヘモグロビンの濃度が低くてもまったく症状が出ない人もいます。しかし、自覚症状がないからといって原因や病気の重さが軽いわけではありません。
健康診断などで指摘された場合や「貧血かも?」と感じた場合は、自己判断せず病院を受診して相談しましょう。
また、貧血は生活習慣から改善できる部分もたくさんあります。できることから意識して改善していきましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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