子宮頸がん

子宮頸がんの治療には、どのような方法がありますか?抗がん剤で治りますか?

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

 

子宮頸がんの治療として、がんが進行している部位を切り取る手術をおこないます。
がん細胞がある部分だけではなく、転移の可能性がある部位まで切り取ることもあります。
がんの進行を抑える場合は抗がん剤を投与して抑えますが、副作用があります。

子宮頸がんの治療方法と治療薬

子宮頚がんの治療方法と治療薬

手術でがん細胞を除去

初期の子宮頸がんは、手術によるがん細胞の除去が一般的です。
手術は「がん」の進行具合にもよりますが、3種類の手術方法があります。
「がん」の治療をする代わりに副作用や、欠点があることも合わせて理解しておきましょう。

①円錐切除術

子宮頚部を円錐状に切除することで診断の確認をするのが目的ですが、初期の「がん」なら治療可能です。レーザーメスや超音波メスを使用して、痛みや出血が少ない治療をしてくれる病院もあります。

【副作用・欠点】

・出血
この治療法では少なからず出血を伴います。出血はかさぶたが一時的に止めてくれますが、そのかさぶたが取れるまで1、2週間かかります。
切開した部分が治癒するのが4~7週間するので、その間も出血の可能性があります。

・頸管狭窄・頸管閉鎖
手術によって子宮頚管が狭くなることがあります。狭くなるだけでなく、閉じてしまうこともあり、その場合は手術が必要になります。
また、今まで月経痛がなかった人も痛みを感じるようになることがあるようです。

②単純子宮全摘出術

頚部だけでなく、子宮全体を摘出する手術です。

【副作用、欠点】

・子供ができなくなる
子宮を摘出するということは、子供をつくることができなくなるということを意味します。
がんは治療できるかもしれませんが、妊娠できるかどうかは女性にとってとても重要なことです。医師と十分に相談して手術を決断しましょう。

③広汎子宮全摘出術

子宮から膣を含め、リンパ節まで切除する手術です。場合によっては卵管、卵巣も取り除きます。
広い範囲を切除するため、進行しているがんも取り除くことができます。

【副作用、欠点】

・子供ができなくなる
単純子宮全摘出術と同じように、子宮を取り除くため、妊娠することができなくなります。

・足がむくむ
リンパ節も一緒に取り除くため、リンパ液が滞り、足がむくんでしまいます。
寝るときや椅子に座るときは、できるだけ足を下ろしたままにせず、お尻より少し足を高く保つようにする必要があります。
同じ姿勢でおこなう仕事をなるべく避け、休みをこまめに取るように心がけましょう。

・排尿が難しくなる
手術を終えると、膀胱や直腸の神経が働かず、うまく尿が出なかったり、尿漏れをしたりしてしまうケースがあります。手術の際には尿道に管を通して排尿するようにします。身体がそれに慣れてしまうと、自分で排尿するのが難しくなるのです。
これを治療するには根気よく訓練する必要があります。

薬物療法(抗がん剤療法)

薬物療法とは、抗がん剤を使ってがんの進行を抑えたり、転移や再発を防いだり、小さながんを治療したりするためにおこなう方法です。
抗がん剤は、療法によって用いられるものが異なります。ここでは子宮頸がんで用いられる「化学療法」について解説します。

化学療法

化学療法とは、がん細胞を破壊するためにおこなう療法です。この治療法に用いる抗がん剤の種類は、がんの種類や進行度、受けた治療によって異なります。
がん細胞のDNAを破壊するものや合成を抑えるもの、分裂を抑えるものなどを組み合わせて処方します。

【副作用】

・薬の作用が他の細胞や部位にも影響
化学療法で用いる抗がん剤は、がん細胞のみならず、皮膚や爪、髪の毛にも作用します。
そのため、身体の各機能が低下し、皮膚の再生や髪の毛、爪の成長が遅くなります。
吐き気や嘔吐、脱毛、口内炎、貧血といった症状も出てきます。心臓や腎臓、生殖器官にも影響する場合があります。
副作用に対しても薬物療法をおこなったり、日常生活を工夫したりして対処することが必要です。

・アレルギー反応
初めて抗がん剤を使った人は、かゆみや発疹が出ることがあります。ひどいときは不整脈、血圧低下、呼吸困難を引き起こします。
アレルギー反応が出たら、すぐに医師に連絡すべきです。

・骨髄抑制(こつずいよくせい)
血液を作り出す骨髄が抗がん剤の影響を受けると、血液中に含まれる白血球、赤血球、血小板が少なくなります。これを「骨髄抑制」と言います。
これにより身体の免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなってしまいます。

放射線療法

放射線療法とは、高出力のX線やガンマ線を使ってがん細胞を攻撃し、小さくする治療法です。
身体の外から放射線を照射する外部照射と、膣を通してがん細胞に直接照射する腔内照射があります。
この療法は手術の補助的におこなうか、がん細胞をきれいに取り去るときにおこないます。
子宮頸がんの治療では、抗がん剤治療と併用しておこなうのがよいとされています。

【副作用】

・放射線による異常
放射線を照射した皮膚に炎症が起きたり、だるさや嘔吐、食欲低下が起きたりします。
個人差がありますが、治療して数ヶ月後に起こる更年期障害のような合併症が起こる場合もあります。

免疫細胞療法

免疫細胞療法とは、がん細胞を免疫力で排除する方法です。
人間は毎日のようにがん細胞を作っており、それを免疫力で排除しているとされています。
患者さんの血液から、がん細胞を攻撃するリンパ球や、リンパ球にがん細胞の情報を伝える樹状細胞を取り出し、外で培養、活性化することで数を増やし、機能を高めます。

免疫細胞療法は患者さん自身の免疫力を高めてがん細胞を撃退する方法のため、副作用が少なく、長期的な効果が期待できます。免疫細胞療法と言っても複数の方法があるため、医師と相談して決めましょう。

ただし、進行しているがんを免疫力で撃退するのは難しくなります。手術や放射線療法と組み合わせておこなうことが前提となります。

板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。
 
病気スコープ編集部
2017年10月25日

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