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しきゅうけいがん子宮頸がん

更新日:2022/08/10 公開日:2019/02/12 view数:37,293
目次
  1. 子宮頸がんとは
  2. 子宮頸がんの症状
  3. 子宮頸がんの診療科目・検査方法
  4. 子宮頸がんの原因
  5. 子宮頸がんの予防・治療方法・治療期間
  6. 子宮頸がんの治療経過(合併症・後遺症)
  7. 子宮頸がんになりやすい年齢や性別

子宮頸がんとは

子宮頸がんは子宮の入り口である子宮頸管にがん細胞ができる子宮がんの一種です。「子宮頚がん」というように異なる字体で記載する場合もあります。

子宮頸がんの原因はヒトパピローマウィルスです。早期治療をおこなうことで治る見込みがありますが、発見が遅れると治療が難しい病気です。30代~40代で発症する傾向にありましたが、近年は若い人が発症する傾向にあります。

一般的な細胞はケガをしたときに傷口を防ぐため細胞が増殖し、治れば増殖を停止する仕組みになっています。しかし、がん細胞になると、周りの組織を壊しつつ勝手に増殖を繰り返し、停止することはありません。やがて、がん細胞の増殖スピードは徐々に上がり、浸潤(しみ出るようにがん細胞が広がること)と転移(身体のあちこちにも発生すること)を繰り返します。

そうなると正常な細胞が摂るべき栄養を奪っていくため、身体が衰弱していきます。抗がん剤で進行を遅らせたり、がん細胞を切除したりしますが、進行していると、転移スピードが速く取り返しのつかないことになります。

「子宮頸がん」以外の子宮がんとしては「子宮体がん」があります。卵巣や子宮自体の含めた部分にがん細胞が発生する病気です。問診では自分の月経周期や閉経年齢、妊娠回数といったことをあらかじめ答えられるようにしておきましょう。

ワクチンも開発されており、予防接種も可能です。しかし副反応について考慮しなければいけません。

子宮頸がんの症状

早期にはほとんど自覚症状がありません。しかし進行するにしたがって、異常なおりもの、月経以外の出血(不正出血)、性行為の際の出血、下腹部の痛みなどがあらわれてきます。

このほかにも、月経の異常がみられ、下腹部や腰の痛みといった症状が少しずつ増強されていきます。

月経異常

月経異常は、正常な月経の範囲ではない状態のことです。
異常かどうかは、以下の4つのことに注目して判断します。

数値はあくまで平均的な目安であり、個人差もあるので、医師に診てもらって正しく判断してもらうことが推奨されます。

月経周期の日数

正常な場合は25~38日周期で回りますが、これより長くても短くても異常だと判断します。

月経の経血量

正常な範囲の経血量は20ml~140mlとなっています。これより多くても少なくても異常と判断されます。

月経持続時間の長さ

3~7日が正常です。これよりも長い、短い場合には異常といえます。

月経痛が異常に痛い

日常生活に支障をきたすほどの月経による痛みがある場合は異常があると考えられます。

月経のとき以外の出血

月経以外の時期の出血が目立つようになります。「不正出血」と呼ばれる出血で、経血の色や量とは異なる場合もあります。

性交や腟洗浄、内診で出血

性行為をしているときや、膣洗浄、また医師にみてもらっているときなど、普段出血するはずのない場面で出血してしまうことがあります。

「おりもの」の異常

おりものの臭いがきつくなったり、量が増えたりするなどの変化があらわれます。
出血も多くなり、茶褐色のおりものになっている場合も注意が必要です。おりものは子宮の状態がある程度分かる指標ともなります。

下腹部や腰の痛み

がんが進行すると、周りの細胞にも浸潤し出し、腫瘍が他の器官を圧迫する場合があります。

そのため、下腹部や腰に痛みを感じるようになります。

血尿や排尿障害

子宮の前方には膀胱(ぼうこう)があります。「がん」が膀胱にまで広がると血尿や排尿痛、尿路閉鎖がおこります。

これらの症状が出てきた場合、子宮頸がん自体はかなり進行している状態といえます。

子宮頸がんの診療科目・検査方法

子宮頸がんや子宮体がんなどの子宮がんを検査してもらうには、婦人科産婦人科を受診します。
子宮頸がんが発症するのは、潜伏してから10年近く経ってからです。そのため、10代で検診に行ってもわからないまま終了することが多くあります。遅すぎても「がん」が進行してしまうため、20歳前後で一度検診することが推奨されます。

子宮頸がんの検査は膣を拡げみます。そのため月経血が出ていると検査がしづらくなります。適しているのは「生理が終わってから3日後以降」とされています。

問診

検診を受けるうえで、あらかじめ自分で把握しておいたほうがよい情報があります。問診で答えなければいけない内容や、検査するときに医師側が気をつけなければいけない患者さんの体質も、伝えられるようにしておきましょう。

最後の月経はいつあったか

この情報により、検査当時が月経周期の何日目かが分かります。細胞の見やすさも時期によって異なるため、重要です。

月経の周期

何日周期かを確認するために必要です。

生理痛の有無、月経血量

閉経した年齢

すでに閉経している場合はそのときの年齢も把握しておきます。閉経が遅い場合は子宮体がんにもなりやすくなります。

妊娠の回数

妊娠した回数や流産した回数を確認します。帝王切開したかどうかなども確認します。

ホルモン治療の有無

経口避妊薬(ピル)や不妊治療でホルモン治療を受けたか確認します。更年期障害の治療も当てはまります

6ヶ月以内の不正出血の有無

月経の時期以外に出血があるか確認します。不正出血はホルモンバランスの乱れでもおこりますが、子宮頸がんや子宮体がんの可能性もあります。生理不順で不正出血かわからないときにも伝えておくと良いでしょう。

アレルギーの有無

検査に用いるヨードやゴムに対するアレルギーの有無を確認します。

子宮がんの治療歴

子宮がんを治療した治療歴、また、他の病歴確認をおこないます。

検査方法

診療から検査の流れは以下の通りです。

  1. 問診
    上記の「自分で把握しておくべき情報」のような、患者さんのさまざま情報を聞き、子宮頸がんの可能性を考えます。
  2. 視診
    実際に膣のなかを観察することで、おりものの状態や炎症の有無をみます。
  3. 細胞診
    ブラシやへら、妊婦さんや妊娠の可能性ある方には綿棒のようなもので子宮頸部を優しくこすり、細胞を採取します。
  4. コルポスコピー診・組織診
    細胞診でASC-US以上の結果がみられた場合におこなうのがコルポスコピー診です。膣や子宮の頸部の表面を拡大する顕微鏡で細かくみます。
    組織診とはコルポスコピー診をおこなったあとに細胞組織を採取し、どれぐらい細胞が病変しているか、深みや深度をみる検査をおこないます。

子宮頸がんの原因

HPV(ヒトパピローマウィルス)は皮膚や粘膜に感染するウィルスで、種類は100種類に及びます。性行為でかかるHPVはこのうちの30種類です。そのなかでも低リスクのウィルスと高リスクのウィルスに分類されています。

感染した人の部位に触ったり、同じタオルを使ったりすることでも感染し、皮膚に感染すると手足にイボをつくることもあります。

性行為によって感染する可能性

HPVには、感染している人の性器と接触することでうつります。

性行為で感染するHPV30種類のうち、子宮頸がんになりやすい高リスク型は15種類あると言われており、さらにそのなかでも16型、18型のウィルスはがんの発症率が高いことが知られています。

HPVから「がん」になるまでの流れ

HPVに感染しても、1年以内に感染した人の70%、3年以内では90%からウィルスは追い出されるというデータがあります。

しかし、16型や18型などが年数を重ねて潜伏すると、細胞を異形成させ、がんを引きおこします。

子宮頸がんにつながる「異形成」

「異形成」とは正常な細胞の形態が変わることを指します。軽いものならば自然に治りますが、長期間異形成が続くとがん細胞に変わってしまいます。

異形成のクラス分けには日本母性保護医協会が作成した「細胞診クラス分類」と米国で研究された「ベセスダシステム」があります。

「ベセスダシステム」は異形成の状態を細かく分類していますが、患者さんにはわかりにくい専門的な内容です。

生活習慣

厚生労働省は、タバコを吸っている人のほうが子宮頸がんを発症しやすいとしています。子宮頸がんに限らず、がんになりやすい要因はタバコ以外にもあります。運動不足や、食生活の乱れ、多量の飲酒などの生活習慣ががんを引きおこします。

子宮頸がんの予防・治療方法・治療期間

初期の子宮頸がんは、手術によるがん細胞の除去が一般的です。
手術は「がん」の進行具合にもよりますが、3種類の手術方法があります。

「がん」の治療をする代わりに副作用や、欠点があることも合わせて理解しておきましょう。

円錐切除術(えんすいせつじょじゅつ)

子宮頸部を円錐状に切除することで診断の確認をするのが目的ですが、初期の「がん」なら治療も可能です。レーザーメスや超音波メスを使用して、痛みや出血が少ない治療をしてくれる病院もあります。

副作用・欠点

  • 出血
    この治療法では少なからず出血を伴います。出血はかさぶたが一時的に止めてくれますが、そのかさぶたが取れるまで1、2週間かかります。切開した部分が治癒するのが4~7週間かかるので、その間も出血の可能性があります。
  • 頸管狭窄・頸管閉鎖
    手術によって子宮頸管が狭くなることがあります。狭くなるだけでなく、閉じてしまうこともあり、その場合は手術が必要になります。
    また、今まで月経痛がなかった人も痛みを感じるようになることがあります。

単純子宮全摘出術

頸部だけでなく、子宮全体を摘出する手術です。

副作用、欠点

  • 子供ができなくなる
    子宮を摘出するということは、子供をつくることができなくなるということを意味します。
    がんは治療できる可能性がありますが、妊娠できるかどうかは女性にとってとても重要なことです。医師と十分に相談して手術を決断する必要があります。

広汎子宮全摘出術

子宮から膣を含め、リンパ節まで切除する手術です。場合によっては卵管、卵巣も取り除きます。広い範囲を切除するため、進行しているがんも取り除くことができます。

副作用、欠点

  1. 子供ができなくなる
    単純子宮全摘出術と同じように、子宮を取り除くため、妊娠することができなくなります。
  2. 足がむくむ
    リンパ節も一緒に取り除くため、リンパ液が滞り、足がむくみます。
    寝るときや椅子に座るときは、できるだけ足を下ろしたままにせず、お尻より少し足を高く保つようにする必要があります。
    同じ姿勢でおこなう仕事をなるべく避け、休みをこまめに取るように心がけましょう。
  3. 排尿が難しくなる
    手術を終えると、膀胱や直腸の神経が働かず、うまく尿が出なかったり、尿漏れをしたりしてしまうケースがあります。そのため手術の際には尿道に管を通して排尿します。身体がそれに慣れてしまうと、自分で排尿するのが難しくなります。
    これを治療するには根気よく訓練する必要があります。

薬物療法(抗がん剤療法)

薬物療法とは、抗がん剤を使ってがんの進行を抑えたり、転移や再発を防いだり、小さながんを治療したりするためにおこなう方法です。
ここでは子宮頸がんで用いられる「化学療法」について解説します。

化学療法とは、がん細胞を破壊するためにおこないます。この治療法に用いる抗がん剤の種類は、がんの種類や進行度、受けた治療によって異なります。がん細胞のDNAを破壊するものや合成を抑えるもの、分裂を抑えるものなどを組み合わせて処方します。

副作用

  • 薬の作用が他の細胞や部位にも影響
    化学療法で用いる抗がん剤は、がん細胞のみならず、皮膚や爪、髪の毛にも作用します。そのため、身体の各機能が低下し、皮膚の再生や髪の毛、爪の成長が遅くなります。
    吐き気や嘔吐(おうと)、脱毛、口内炎、貧血といった症状もあらわれます。心臓や腎臓、生殖器官にも影響する場合があります。副作用に対しても薬物療法をおこなったり、日常生活を工夫したりして対処することが必要です。
  • アレルギー反応
    初めて抗がん剤を使った人は、かゆみや発疹が出ることがあります。ひどいときは不整脈、血圧低下、呼吸困難を引きおこします。アレルギー反応が出たら、すぐに医師に連絡する必要があります。
  • 骨髄抑制(こつずいよくせい)
    血液を作り出す骨髄が抗がん剤の影響を受けると、血液中に含まれる白血球、赤血球、血小板が少なくなります。これを「骨髄抑制」と言います。これにより身体の免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。

放射線療法

放射線療法とは、高出力のX線やガンマ線を使ってがん細胞を攻撃し、小さくする治療法です。
身体の外から放射線を照射する外部照射と、膣を通してがん細胞に直接照射する腔内照射があります。

この療法は手術の補助的におこなうか、がん細胞をきれいに取り去るときにおこないます。子宮頸がんの治療では、抗がん剤治療と併用しておこなうのがよいとされています。

副作用

  • 放射線による異常
    放射線を照射した皮膚に炎症がおきたり、だるさや嘔吐、食欲低下が起きたりします。個人差がありますが、治療して数ヶ月後に更年期障害のような合併症がおこる場合もあります。

子宮頸がんの治療経過(合併症・後遺症)

子宮頸がんは他のがんと同様、早い段階でがん細胞を切除することで治療することができます。

しかし、「完治」という表現はできません。がん細胞が他の部位に転移することが考えられ、治療しても、血液やリンパを通じてがん細胞が転移していることもあるためです。治療によって子宮を失う可能性もあります。そのため、妊娠することができなくなってしまうことを考慮しなければいけません。

転移

初めは子宮頸部に存在していたものが、膀胱や腎臓などに転移する可能性があります。がんは身体のどこにでもできます。がん細胞の進行は早く、治療をしても別の場所に次々と転移して手に負えなくなるケースも多くあります。発見が遅れると治療も困難になり、命に関わります。

子宮摘出

子宮頸がんは進行すると、子宮全体を摘出する手術も必要になります。それは女性にとって、子供が産めなくなるということを意味します。

合併症

水腎症(すいじんしょう)

子宮頸がんが進行して腫瘍が大きくなると、尿管がふさがれてしまうことがあります。尿が通れなくなることで腎臓に尿が溜まり、拡張する病気になります。これを水腎症と言います。水腎症が続くことで腎臓に負担がかかり、機能が低下し「腎不全」の状態になります。水腎症によって腎不全になると、尿毒症や膿腎症を引きおこします。

尿毒症

尿毒症は、腎臓の機能低下によって本来排出されるべき老廃物が血液中に溜まったままの状態になる病気です。症状としては、全身に倦怠感と疲労感を感じ、食欲もなくなり、吐き気や嘔吐が出てきます。また、血圧の上昇や免疫不全といった身体の異常を引きおこし、呼吸系や循環器系、眼、中枢神経まで、血液を通してさまざまな病気を発症しやすくなります。

膿腎症

膿腎症とは、腎臓にある腎実質という部分の周りにある袋に膿(うみ)が溜まる病気です。水腎症で尿が溜まり、結石をつくられることで組織を傷つけ、膿が溜まります。症状は、腎臓機能の低下による全身の倦怠感、疲労感や腹部豊満があります。

子宮頸がんワクチン

子宮頸がんの予防としては、原因とされているHPVを防ぐワクチンを接種する方法があります。ワクチンは、「サーバリックス」と「ガーダシル」の2種類があり、接種時期としては中学1年生の時期が望ましいとされています。数回接種することが必要で、接種間隔はそれぞれ異なります。

ワクチンはHPVの感染を予防するもので、すでにHPVに感染している細胞からHPVを排除する効果は認められません。したがって、初めての性交渉を経験する前に接種することが最も効果的です。

サーバリックス
1回目の接種から1ヶ月後に2回目、1回目の接種から6ヶ月後に3回目

ガーダシル
1回目の接種から2ヶ月後に2回目、1回目の接種から6ヶ月後に3回目

この2種類は、子宮頸がんになるリスクが高いHPVの型を抑えるワクチンとして作用します。

子宮頸がんになりやすい年齢や性別

子宮頸がんになる人は20代~30代の若い女性に増えてきており、30歳代後半がピークとなっています。

しかし近年、性行為をおこなう年齢が若くなってきており、10代で性行為をした際にHPVに感染する人が多くなっています。そのため、20代~30代になってから、がん細胞を抱える人が増加しています。

執筆・監修ドクター

石野 博嗣
石野 博嗣 医師 石野医院 副院長 担当科目 婦人科/内科

経歴1999年 日本医科大学産婦人科教室入局 日本医科大学付属病院 産婦人科研修医
2001年 国立横須賀病院(現 横須賀市立うわまち病院) 産婦人科
2002年 東京都保健医療公社 東部地域病院 婦人科
2003年 日本医科大学付属病院 女性診療科・産科 助手代理
2004年 日本医科大学付属第二病院 女性診療科・産科 助手
現在 石野医院の副院長

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