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緑内障

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

緑内障とは

緑内障の症状について

緑内障は、目で見た情報を脳に伝える視神経に何らかの要因で障害が出て、視野のなかに見えない場所(暗点)が出たり、視野が狭くなったりする病気です。症状は時間をかけてあらわれます。しかし、人間の目は片方の視力が悪くても、もう片方の目が補うようになっています。

そのため、片眼で緑内障が進行していても気づきにくい病気です。進行し続けると、次第に視力が奪われ、いずれ失明の危険もあります。

失明する病気の原因第1位

緑内障は、視覚障害で失明する原因の第1位です。
近年では医療の進歩により失明の可能性は低くなっているものの、ゼロではありません。40代の日本人で20人に1人は発症しているといわれており、緑内障と診断されているのはそのうちの1割しかいないというデータもあります。

失明の危険性がある病気にかかっていることに気づいていない人が多い状況です。

【参考】
川迫労働省科学研究成果データベース
きちんと理解、続ける治療 緑内障

緑内障の原因は房水(ぼうすい)と眼圧による視神経への負担

視神経に障害を与える要因として、房水と眼圧の関係があります。
房水は目のなかにある液体で、眼圧は目の中の圧力、つまり目の硬さと解釈できます。
房水が溜まることで眼圧が高まり、視神経に障害が出るのが緑内障を発症するパターンの1つです。

緑内障は原因や進行具合、仕組みで種類が異なる

緑内障といっても、要因が明らかかどうか、どの部分に障害が見られて緑内障になっているかで、種類が異なります。
種類としては大きく3種類に分類されます。その種類は以下の通りです。

①続発性緑内障・・・他の病気やケガなどによって眼圧が上昇して起こる緑内障

②発達性緑内障(小児の続発緑内障、先天性緑内障)・・・生まれつきの緑内障

③原発性緑内障・・・原因が特定できないが、眼圧が上昇し起こる緑内障

④正常眼圧緑内障・・・眼圧は正常値だが、何らかの要因で視神経に障害が出ている緑内障

一般的な緑内障は②の「原発性緑内障」であり、そのなかでもゆっくりと進行する「原発性開放隅角緑内障(げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう)」です。

また、急に痛みが生じ、緑内障の症状が出ることが多いものを「原発性閉塞隅角緑内障(げんぱつへいそくぐうかくりょくないしょう)」と言います。
別名「急性緑内障」といわれ、早急に治療しなければ早くて1日で失明の恐れがあります。

緑内障と白内障の違いとは?

緑内障と白内障の違いは、白内障は失明する病気ではないという点です。白内障は目の水晶体が白く濁る病気です。歳を重ねるごとに発症しやすくなり、40代からなる人が多い傾向にあります。

原因はレンズの役割を担っている水晶体にあるため、手術は水晶体を交換するだけで済み、失明することなく治療できます。世界的にみれば失明する眼の病気第1位ですが、これは医療技術や制度の水準がまだ低い国での失明率が高いためです。

日本での失明率は3%程度で、その原因は適切な治療を受けなかったためとされています。

【参考】2007年調査結果(厚生労働省研究班の調査報告書より)

緑内障とは
板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

突発性難聴

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

突発性難聴とはどんな病気?

突発性難聴とはどんな病気?

そもそも「難聴」とは?「難聴」と「全ろう」の違い

難聴とは聴覚の機能が低下し、音が聞き取りにくくなっている状態のことを言います。
音が聞こえないことを「難聴」と考えている人がいますが、まったく聞こえないことは「全ろう」といい、難聴とは異なります。
難聴は障害が出ている原因と部位によって、種類が3つに分けられています。

①伝音性難聴

伝音性難聴は、何らかの要因で外耳や中耳部分が塞がれ、音が内耳に伝わりにくくなる難聴のことを言います。
要因として、中耳部分の感染症である「中耳炎」や「真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)」、鼓膜の損傷があげられます。
生まれつき耳の形で伝わりにくくなる遺伝的なケースもあります。

②感音性難聴

感音性難聴は、内耳や聴神経といった「感音器」の部分に、何らかの障害が起きて発症する難聴です。原因は加齢や病気、騒音による内耳や聴神経への負担が考えられます。
症状は、小さい音が聞こえにくくなる、聞こえる音の幅が小さくなり、高・低音域の音が聞こえなくなる、などが挙げられます。
感音性難聴は「メニエール病」や「ヘッドフォン難聴」、「突発性難聴」といった種類があります。ここでは、そのうちの一つである「突発性難聴」について説明しています。

③混合性難聴

混合性難聴は伝音性難聴と感音性難聴が合わさって起きる難聴です。
外耳、中耳で感染症や障害を受け、内耳や聴神経部分でも疾患が出ている状態のことをいいます。
混合性難聴は高齢の人の割合が高いため、加齢で耳の各機能が低下して発症する「老人性難聴」が多い傾向にあります。

突発性難聴の原因は不明

突発性難聴の詳しい原因はまだ分かっていません。
厚生労働省では、突発性難聴を以下のように定義しています。

1. 主症状

1) 突然の難聴
文字どおり即時的な難聴、または朝、目が覚めて気づくような難聴。ただし、難聴が発症したとき“就寝中”とか “作業中”とか自分がその時何をしていたかが明言できるもの。

2) 高度な感音難聴
必ずしも“高度”である必要はないが、実際問題としては高度でないと突然難聴になったことに気づかないことが多い。

3) 原因が不明、または不確実
つまり原因が明白でないこと。

2. 副症状

1) 耳鳴り
難聴の発症と前後して耳鳴りを生ずることがある。

2) めまい、及び吐き気、嘔吐
難聴の発生と前後してめまいや吐き気、嘔吐を伴うことがあるが、めまい発作を繰り返すことはない。

3) 第Ⅷ脳神経以外に顕著な神経症状を伴うことはない

突発性難聴を発症することでどの程度聞こえなくなるのかというと、「高度難聴」と表現され、大きな声で話してもらうか、補聴器をつけないと聞こえないレベルとされています。
音が聞こえにくくなること以外に、めまいや吐き気といった症状も引き起こします。
大きな音を長時間聞くミュージシャンや音響関係の仕事をしている人、工事の仕事をしている人が発症している傾向にあります。
突発性難聴は現在、1/3の確率でしか聴力が戻る見込みがありません。「軽減こそされるが耳鳴りや聞こえにくさが残る」確率が1/3、聴力が戻らない確率が1/3と分かれます。
なるべく早く病院で診てもらい、薬による治療を受けることが大切です。

【参考】 昭和48年 厚生省班研究報告書

板東浩先生 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

花粉症

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

花粉症について

花粉症について

花粉症ってどんな病気?

花粉症は名前のとおり花粉が関係して発症し、くしゃみや鼻みず、鼻づまりを引き起こしたり、目がかゆくなったり、のどが痛くなったりする病気です。

日本では4人に1人が発症しているとされており、特にスギやヒノキの花粉が飛ぶ2~5月ごろがピークにあたります。

全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした2008年(1月~4月)の鼻アレルギーの全国疫学調査があります。それによるとアレルギー 性鼻炎全体の有病率は39.4%であり、花粉症全体の有病率は29.8%、そしてスギ花粉症の有病率は26.5%でした。

花粉症の発症者は女性を中心に年々増加傾向にあり、仕事や勉学を妨げる症状に悩まされています。

花粉の種類と飛散時期

花粉症を引き起こす代表的な花粉を紹介します。

・スギ花粉

2~4月にかけて飛散する花粉。日本での花粉症になるとしたら、最も多いのがこのスギ花粉です。沖縄と北海道を除き、全国的に発症の引き金になります。

・ヒノキ花粉

3~5月にかけて花粉が飛びます。スギと同じく全国的に広がる花粉で、スギ花粉と一緒に花粉を持つと重症になるので注意が必要です。

・ブタクサ花粉

8~10月に飛散し、スギやヒノキに続いて飛散量が多い花粉です。しかし、背の低い草花系の花粉で飛距離が短いので、植物が生えているところに近づかないことで防止することができます。

・イネ花粉

イネの飛散時期は5~9月であり、他のイネ科の飛散時期も考慮すると、春から秋にかけて長い間飛散している種類です。スギやヒノキと違い、北海道、沖縄も含めて全国的に飛散しています。


 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

インフルエンザ

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

インフルエンザとはどんな病気?

インフルエンザとは

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。

風邪はさまざまなウイルスが原因となって感染しますが、インフルエンザはインフルエンザウイルスからの感染のみが発症する原因となります。

インフルエンザと風邪は初期症状が似ているため、発症してすぐは勘違いすることが多くあります。

インフルエンザの場合、発症してから1~3日で38℃を超える高熱やのどの痛み、頭痛、全身のだるさ、関節痛などの全身症状が急激に現れます。
風邪は一般的にゆるやかに症状が現れるケースが多く、このように短期間で急速に症状が悪化するのがインフルエンザの特徴と言えます。

治療は薬の服用と十分な休養、栄養補給により、1週間ほどで症状が治まることがほとんどです。
まれに肺炎や気管支炎、脳症などの合併症を引き起こし、重症化する恐れもあります。

インフルエンザの流行時期

毎年流行する季節性のインフルエンザは、例年11・12月頃から流行が始まり、1月~3月頃にピークを迎えます。

近年では4月以降にもインフルエンザの流行が続き、学級閉鎖になるケースなども見られるので、普段流行しない時期であっても注意は必要です。

2016/17年に流行したインフルエンザ

2016年に、国内で最初に流行したのは「A香港型」ウイルスでした。

2016/17年シーズンはA型が収束した4月中旬になってB型が流行し、一部の地域では新学期早々に学級閉鎖にまで追い込まれました。
「春インフル」という言葉も話題となりました。

最新のインフルエンザの流行情報については、全国の市区町村や厚生労働省のホームページにて確認していただくことができます。

板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

高血圧

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

高血圧についての基本知識

「高血圧」とは?

高血圧とは、血圧が平均的な数値よりも高い状態のことを言います。
継続的に血圧が高い場合は「高血圧症」とも言われ、合併症を引き起こしやすい状態です。
精神状態や時間帯で血圧が大きく変化する人もみられ、症状もめまいや動機など多岐にわたるため、すぐには「高血圧」と判別しにくい病気です。

高血圧の種類は要因によって異なる

高血圧は大きく2種類に分類されます。1つはホルモン分泌の異常や腎臓疾患、薬の副作用が原因とされる「二次性高血圧」というものです。他の病気や治療するときの薬によって血圧が高まっているため、その要因を取り除けば高血圧も自然と治っていきます。

もう1つは遺伝が要因であったり、生活習慣が影響したりして血圧が高くなっている「本態性高血圧」です。日本における高血圧は、この本態性高血圧が9割を占めています。

血圧は精神的にも変化するもので、病院に来たら血圧が上昇する「白衣高血圧」や、反対に病院では問題ないが、家庭で計測すると血圧が高い「仮面高血圧」といった高血圧もあります。

他にも早朝に血圧が上がる「早朝高血圧」、夜間の血圧が高い「夜間高血圧」といった、時間帯で現れる高血圧も注目され始めています。

ここでは、「本態性高血圧」について詳しく解説していきます。

「血圧」についての説明と数値基準

血圧とは血管内の血流による圧力です。
心臓が血を送り出すときの高い血圧を収縮期血圧といい、俗に「上の血圧」と言います。
反対に血液の流れが緩やかで低い血圧を拡張期血圧といい、「下の血圧」と表現されます。

落ち着いている状態のときに、上の血圧が139mmHg以下、下の血圧が89mmHg以下というのが年齢問わず「正常域血圧」とされています。
一方、上の血圧が140mmHg、下の血圧が90mmHgより高い状態なら、「高血圧」といえます。

年齢や合併症によって変わる血圧の「目標値」

高齢の方と若い方では、血圧の「目標値」が変わってきます。人間は歳を取ると臓器の働きが弱くなり、自然と血圧も高くなるためです。目標値は高血圧と診断される数値で、上回っている場合は「ここまで下げましょう」という数値のことです。

75歳以下の方の目標値は前述のとおり、上の血圧が135~139mmHg以下、下の血圧が89mmHg以下となっています。
それに対して75歳以上のかたの目標値は、上の血圧が145mmHg、下の血圧が85mmHgと上の血圧は高めに、下の血圧は低めに設定されています。
糖尿病や慢性腎臓病などの合併症を発症している方の血圧目標値も、それぞれ設定されています。

血圧の基準値

分類収縮期血圧(最高血圧)  拡張期血圧(最低血圧)
至適血圧<120 かつ <80
正常血圧120~129 かつ/または 80~84
正常高値血圧130~139 かつ/または 85~89
I度高血圧140~159 かつ/または 90~99
II度高血圧160~179 かつ/または 100~109
III度高血圧≧180 かつ/または ≧110
(孤立性)収縮期高血圧≧140 かつ <90

※赤字部分が一般的にいう高血圧
【参考】 
日本高血圧学会ホームページより高血圧治療ガイドライン2014電子版

至適血圧・・・脳卒中や心筋梗塞など、血圧が関係する病気のリスクが低いとされる最適な血圧正常血圧・・・至適血圧よりリスクは上がるが、正常な血圧

正常値高血圧・・・高血圧の注意が必要

I度高血圧・・・高血圧の程度が比較的低い

II度高血圧・・・高血圧の程度が中程度

III度高血圧・・・高血圧の程度が高い

「至適血圧」~「正常値高血圧」の数値に納まっていれば、いますぐに高血圧の治療を始める必要はありません。
ただし、血圧は日頃の生活習慣に大きく影響されるため、油断せず運動と食事のバランスに気をつけましょう。

計測環境ごとの基準値

計測環境ごとの高血圧基準収縮期血圧(上)拡張期血圧(下)
家庭血圧135以上または85以上
診察室血圧140以上または90以上
自由行動下血圧(24時間)130以上または80以上
自由行動下血圧(昼間)135以上または85以上
自由行動下血圧(夜間)120以上または70以上
(単位 : mmHg)

家庭血圧・・・自宅で計測したときの血圧

診察室血圧・・・病院で計測したときの血圧

自由行動血圧・・・計測器具を身につけた状態で、一定間隔おきに計測したときの血圧

【参考】 日本高血圧学会ホームページより高血圧治療ガイドライン2014電子版

血圧は測定する環境によって数値が変わりやすいため、環境ごとに基準が定められています。
診察室血圧では、緊張で数値が高めに出る場合があります。診察室血圧が家庭血圧よりも低く出る方もいます。
家庭血圧では計測ミスを防ぐため、原則2回計測し、平均値を出します。家庭血圧と診察室血圧に差がある場合、診断の際には家庭血圧が重要視されます。
診察室血圧のみ高血圧の数値になる場合、白衣高血圧と呼ばれ、家庭血圧のみ高血圧の数値になる場合、仮面高血圧と呼ばれます。
白衣高血圧は病院での緊張が原因で血圧が上がっているものと考えられ、あまり治療の対象となりません。仮面高血圧の原因には、職場や家庭のストレスが考えられます。

年代、性別の血圧平均値

血圧が正常値の割合 年代別 一覧表

血圧正常値30代40代50代60代70代
女性85%65%43%26%19%
男性62%41%31%22%18%

【参考】 日本高血圧学会ホームページより高血圧治療ガイドライン2014電子版

40代までに高血圧になっている人の男女比は、男性の方が多い傾向にあります。これは男性が食生活や生活習慣を乱しがちなためだといわれています。
50代になると女性が高血圧になる比率が高まっています。女性は更年期に入ると女性ホルモンが減少し、血圧の調整機能が低下するためです。

板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

眼瞼痙攣

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

眼瞼痙攣(がんけんけいれん)とはどんな病気?

眼瞼痙攣(がんけんけいれん)はまぶたの痙攣のことで、自分の意志とは関係なくけいれん筋肉に収縮が起こる病気です。
初期症状がドライアイと似ているために正しい診断がつかないことも多く、そういったケースまで含めると、現在日本でこの症状に悩んでいる人は数十万人以上にのぼるといわれています。

このうち最も多いのが40代以降の女性、ついで中高年の男性となっています。

「眼が疲れるとまぶたがピクピクする」「最近まばたきの回数が増えた」「テレビやパソコンがまぶしくて見づらい」「ドライアイの治療をしているのに、ちっとも良くならない」。そんな状態が長引いている人は、眼科で詳しく診察してもらいましょう。

眼瞼痙攣の症状とは?

初期症状としては「まぶしい感じ」や「眼が乾いてショボショボする」「まぶたの周りの筋肉階段がピクピクする」などがあります。
通常は両眼に症状が現れますが、左右で程度に差があることも少なくありません。
やがて症状が進んでくると、まぶたがしょっちゅう下がってくる感じがしたり、さらには全く眼を開けていられなくなったり、視力があるにもかかわらず、失明と同じような状態にまで陥ることもあります。

症状の進行はそれほど早くはありませんが、放っておいても自然に治ることは少ないとされています。
進行の度合いによっては、階段を踏みはずす、電柱にぶつかるなどでケガをしてしまうこともあります。
そうなると仕事や買い物に行くのも困難になり、日常生活に大きな支障をきたします。

眼瞼痙攣の発症原因

発症の原因については、「大脳の一部が機能障害を起こしている」という説や、「眼瞼炎、結膜炎などのまぶたや角膜の病気が刺激を与えたことによって発症した」「抗うつ薬など別の病気のために飲んだ薬が引き金となった」というケースが報告されています。

しかし、まだ完全には解明されていません。そのため、治療は症状を抑える対症療法が中心となっています。

眼瞼痙攣の検査と診断

ドライアイか眼瞼痙攣かを判断するために、眼科では次のようなテストが行われます。
眼瞼痙攣は、緊張などの精神的影響から診察時に症状が現れないことがあります。まばたきのテストは、そのような場合の症状誘発にも有効です。

眼瞼痙攣の診断に役立つまばたきのテスト

・軽瞬テスト:眉毛部分を動かさず、まばたきをゆっくりとリズミカルに行う。
・早瞬テスト:できるだけ早くて軽いまばたきを10秒間行う。
・強瞬テスト:強く目を閉じ、すばやく目を開ける動作を10回行う。

そのほか、下まぶたにろ紙を挟んで涙がどのくらい不足しているかを調べるシルマーテストや、CT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像)、PET(陽電子放射断層撮影)などの画像診断も行います。

正しい診断のために医師に伝えたい症状例

・症状が現れたのは、いつ頃からか
・症状は片眼にだけ起こるのか、両眼なのか
・眼のかゆみや痛みはあるか
・症状が起こるのは、ときどきか、四六時中か
・まぶしいと感じるのは、どんなときか
・どのようにものが見えにくいのか(視力低下と区別するために)
・現在服用している薬はあるか(特に精神科・神経科で処方された薬)
など

間違えやすい病気

眼瞼痙攣は下記のような病気と間違えやすいので注意しましょう。

病名ドライアイ眼瞼ミオキミア眼部チック
症状眼が疲れやすい、まぶしい、眼が乾く、視野がかすむ、眼の痛みや頭痛などまぶたの一部が自分の意志とは関係なく一時的にピクピクと痙攣。通常は片眼にだけ症状が現れる。眼瞼痙攣の症状とよく似ているが、実際は眼瞼ミオキミアである場合が多い自分の意思とは関係なく頻繁にまばたきしてしまう、ものが二重に見える、急に視力が落ちるなど
原因エアコンによる乾燥、コンタクトレンズの長時間装着、パソコンやテレビによる眼の酷使、ストレスなど疲れやストレス強い緊張やストレスなど
診断・治療シルマーテストやドライアイ診断装置などで診断する。ドライアイ用点眼薬の使用、こまめな眼の休息、まばたきを意識的にするなどで改善されることが多い。
重度の場合は涙点プラグ(※1)を挿入する治療法を用いる
まばたきのテストや針筋電図検査(※2)により診断する。疲れやストレス原因の除去により、数日から数週間で治まる過剰なまばたきなどに対する問診により診断する。ストレス原因の除去や時間の経過により自然に治まることが多い

※1 涙点プラグ:シリコン製の小さいプラグを涙の出口に挿入し、涙を眼の表面にためる装置
※2 針筋電図検査:針電極を用いて筋肉の状態を調べる検査

眼瞼痙攣の治療法

原因不明の病気のため、まだ根本的な治療法は確立されていません。症状を抑えるために薬物内服療法を用いることもありますが、現在ではボツリヌス療法が主流となっています。

この治療法で用いられる「ボツリヌス毒素」は美容業界でシワとりなどに使用されています。

薬物内服療法

症状が軽い場合には抗パーキンソン薬、抗コリン薬、向精神薬などを服用します。
服用しても改善されない場合には、「ボツリヌス療法」をすすめられることになります。

薬物内服療法

ボツリヌス療法

現在、眼瞼痙攣で主流となっている治療法です。痙攣しているまぶたの筋肉にA型ボツリヌス毒素製剤を注射します。
注射により神経細胞内に取り込まれたA型ボツリヌス毒素製剤は、筋肉の収縮に関与する神経伝達物質アセチルコリンの放出を抑制します。

その結果、症状を軽くすることができます。個人差はありますが、1回の注射による効果の持続は約3~4ヵ月です。
そのため、効果がなくなるたびに再投与する必要があります。まれに、まぶたが閉じにくくなるなどの副作用もありますが、そのほとんどが1ヵ月ほどで消失します。

「ボツリヌス毒素」といっても、口から入って腸へ大量に吸収されなければ中毒症状は起こりません。
眼瞼痙攣の治療として1回に使用されるのは比較的少量なので体への負担も少なく、治療時間も短いため、日常生活に組み込みやすい治療法であるといえます。
眼瞼痙攣の治療であれば保険が適用されるという利点もあります。

また、眼瞼痙攣でのボツリヌス療法は所定の研修を受けた専門医でなければ施術することができません。受診の際に実施可能かどうかを確認しましょう。

ボツリヌス療法を受けてはいけない人

・妊娠中の人
・授乳中の人
・数ヵ月以内に妊娠を望む男女
・15歳未満
・重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症
などの疾患がある人

ボツリヌス療法を受ける前に医師と相談する必要のある人

・以前ボツリヌス療法を受けて、なんらかの副作用のあった人
・体質的にアレルギーの出やすい人

手術

眼輪筋(※)(がんりんきん)の一部を切除する治療法です。しかし、術後に表情が変わってしまうことがあり、再発もありうることから、よほど重度の場合にしか適用されていません。

※眼輪筋:眼の周りを取り囲んでいる筋肉

日常生活で気をつけること

一般的に、眼のトラブルの多くは疲れやストレスが引き金となっておこります。
日頃から、下記のようなちょっとしたことに気をつけて眼をいたわりましょう。

パソコン、テレビはほどほどに

画面を長時間見続ける生活をしていると、眼の疲れやドライアイ、視力低下を招きます。
2時間パソコンの仕事をしたら、15分程度の休憩をとりましょう。

毎日十分な睡眠を

体と同じように眼もしっかり休ませてあげましょう。

定期的に視力検査を

気づかないうちに視力が下がっていることもあります。視力に合っていない眼鏡やコンタクトレンズの使用は眼に負担をかけてしまいます。

コンタクトレンズの使用に注意して

メーカーの指示を超えて長期間連続装着したり、洗浄などのケアを怠ったりすると、大切な眼に深刻なトラブルを招くこともあります。
忙しいときや疲れているときも、面倒くさがらず、こまめにはずしてケアしましょう。

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

子どものアレルギー性鼻炎

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

鼻をいじる子どもは注意!アレルギー性鼻炎

ハウスダスト(※)や花粉などで鼻粘膜が刺激されて起こる鼻炎をアレルギー性鼻炎といいます。
最近では発症の低年齢化も進み、子どものアレルギー性鼻炎も多くみられます。

生命にかかわる病気ではありませんが、そのまま放っておくと、鼻のかゆみが気になって授業に集中できない、鼻が詰まって眠れないなど、日常生活に影響を及ぼします。
鼻のかゆみや鼻づまりが気になり、鼻をほじったりいじったりして鼻血が出ることもしばしばあります。

乳幼児の場合は、鼻が詰まってミルクが飲めなくなったり、食事ができなくなったりすることもあります。
子どもは自分の苦しんでいる症状をうまく伝えることができず、病気を悪化させてしまうことも少なくありません。
気になる症状がみられたら、早めに耳鼻咽喉科の医師に相談しましょう。

※ハウスダスト・・・ダニの糞や死骸、カビやペットの毛などが含まれた室内の塵や埃のことで、アレルギーの原因になる

アレルギー性鼻炎の症状

くしゃみ・鼻みず(水溶性)・鼻づまりが三大症状で、風邪の初期症状とよく似ています。
子どものアレルギー性鼻炎では、成人に比べて鼻づまり型が多く、くしゃみ型が少ない傾向にあります。
また、眼のかゆみや充血といった症状が成人に比べて強く現れる傾向がみられます。

アレルギー性鼻炎の発症は、自律神経の働きと深いかかわりを持っています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、日中は交感神経が、夜から朝にかけては副交感神経が働きます。
アレルギー性鼻炎の症状は、副交感神経の働きが活発になった時に出やすくなるため、朝夕に強く現れる傾向です。

アレルギー性鼻炎の症状

アレルギー性鼻炎になる原因

アレルギー性鼻炎の原因となる物質を「抗原(=アレルゲン)」といいます。
抗原が鼻から体内に侵入すると、私たちの体は「抗体(=IgE抗体(※))」という物質を作って抗原を攻撃します。

このような体の防御システムを「免疫」といいます。しかし、抗体が体内で増えすぎると過剰反応を起こし、くしゃみや鼻みずなどによって抗原を排除しようとします。これがアレルギー性鼻炎の原因となります。

※IgE抗体・・・アレルギーの原因となる抗原との接触を繰り返すたびに体内に蓄積される物質で、一定量を超えるとアレルギー性鼻炎を発症する

アレルギー性鼻炎の種類

アレルギー性鼻炎は、ほぼ一年中症状が現れる通年性アレルギー性鼻炎と、ある特定の時期に症状が現れる季節性アレルギー性鼻炎の2つに分かれます。

通年性アレルギー性鼻炎は、冬場や夏場に症状が強く現れる傾向にあります。これは、冷暖房をかけるため窓が閉め切った状態となり、ハウスダストが室内を飛び回るからです。
また、空気の乾燥も症状を悪化させる原因となります。

季節性アレルギー性鼻炎は「花粉症」とも呼ばれ、花粉が抗原である場合がほとんどです。発症時期は、抗原である植物の開花時期と一致しています。
複数の花粉に反応を起こすと、ほぼ一年中症状が現れます。また、くしゃみ・鼻みず(水溶性)・鼻づまりの三大症状に加え、眼やのどのかゆみ・眼の充血・涙目などの症状を伴います。

検査と診断

まず、問診で発症時期や症状の程度、家族のアレルギー既往歴などについて質問されます。

次いで、鼻粘膜の状態をみるための鼻鏡検査や、風邪の初期症状とアレルギー性鼻炎を見分けるための鼻汁中好酸球検査などを行います。
アレルギー性鼻炎と診断されると、原因となっている抗原を特定するための皮膚反応検査・血中特異的IgE抗体検査・鼻粘膜誘発テストを行います。

そのほか、副鼻腔炎(蓄膿症)の合併の有無を調べるためレントゲン検査を行う場合もあります。

アレルギー性鼻炎を診断するための主な検査

■鼻鏡検査
鼻鏡という器具を使用して、鼻粘膜の状態をみる検査。
アレルギー性鼻炎だと、粘膜が青白くふくらんでいたり、鼻みずが粘膜の周りを覆っていたりする。

■鼻汁中好酸球検査
風邪の初期症状とアレルギー性鼻炎の症状を見分ける検査。
スライドガラスに鼻みずをとり、試薬を加えて好酸球(※)の数値を調べる。
好酸球の数値が増加しているとアレルギー性鼻炎と診断される。

■皮膚反応検査
抗原を特定する検査。抗原液を注射したり、ごく浅い傷を作って抗原液をたらしたりして、皮膚の反応をみる。
抗原に対する抗体をもっていると、かゆみや腫れなどの症状が現れる。
検査結果に影響を及ぼすため、薬を服用している場合は必ず医師に相談すること。

■血中特異的IgE抗体検査
抗原を特定する検査。採血し、抗原に対する抗体の有無を調べる。

■鼻粘膜誘発テスト
抗原を特定する検査。抗原を染み込ませたろ紙を鼻粘膜に置いて反応をみる。
くしゃみや鼻みずなどの症状が現れることによって、抗原を特定する。

※好酸球・・・白血球の1種。アレルギー反応を高め、症状を悪化させたり慢性化させたりする

アレルギー性鼻炎の治療法

治療法は、抗原の除去や回避・薬物療法・特異的免疫療法(減感作療法)・手術の4つに分かれます。重症度や抗原の種類、患者さんのライフスタイルによって治療法を選択します。

抗原の除去や回避

アレルギー性鼻炎の治療の基本であり、患者自身や家族が日常生活の中で行うことのできる治療法です。

■ハウスダストの除去

  • ・室内の掃除には、排気循環式の掃除機を使用する。1平方メートルに付き20秒を目安に、1週間に2回以上掃除機をかける
    ・ハウスダストが付くのを防ぐため、布製のソファーの使用を避ける
    ・カーペットや畳をフローリングに変更する。また、ダニが繁殖しやすくなるため、畳にカーペットを敷くのを避ける
    ・マットレスや布団、枕には抗ダニ作用のあるカバーをかける
    ・ダニは高温多湿を好むため、部屋の湿度を50%、室温を20~25℃に保つよう心掛ける
    ・ぬいぐるみなどのハウスダストが付きやすい玩具は、小まめに洗って清潔に保つ
    ・布団は日光に当てて乾燥させ、掃除機をかける。花粉症の場合は、掃除機をかけるのみとする

■花粉の回避

  • ・花粉情報に注意し、飛散が多い時は外出を控える
    ・窓や戸を閉めて花粉が室内に入らないよう注意する
    ・外出時にはマスクやメガネを着用する
    ・毛織物などの衣服は避ける。付いた花粉をふき取ったり、払い落としたりしやすいように、ツルツルした素材の衣服を着用する
    ・帰宅時は、衣服や髪に付いた花粉をよく払い落としてから入室するよう心掛け、洗顔やうがいをし、鼻をかむ
    ・基本的に布団や衣類は屋外に干さない

■ペット抗原の除去

  • ・ペットは屋外で飼育する。特に寝室には入れないように注意する
    ・ペットの飼育環境を清潔に保つ

薬物療法

最もよく行われる治療法ですが、市販薬の多くは成人用で、子どもには適さないことも少なくありません。
必ず耳鼻咽喉科を受診したうえで、子どもに適した薬を処方してもらいましょう。

また、点鼻薬が苦手な子どもの場合は、周囲の大人がまずお手本をみせてあげてから徐々に慣らしていくことが大切です。

■アレルギー性鼻炎の治療で使用される主な薬剤

  • ・ケミカルメディエーター遊離抑制薬
    鼻づまりに効果がある。内服薬と点鼻薬があり、効果が現れるまで2週間ほどかかる。・第二世代抗ヒスタミン薬
    症状全般に効果がある。眠気などの副作用が少ない。内服薬は、効果が現れるまでに2週間ほどかかる。点眼薬や点鼻薬は比較的即効性がある。飲み合わせの悪い薬があるため、ほかの薬を服用している場合は必ず医師に相談すること。・抗トロンボキサンA2薬、抗ロイコトリエン薬
    鼻づまりに効果がある内服薬。穏やかな効き目で効果が現れるまでに時間がかかる。・ステロイド薬
    鼻粘膜の炎症を抑え、症状全般に効果がある薬。内服薬と点鼻薬がある。点鼻薬は数日で効果が現れ、副作用が少ない。内服薬は、ほとんどが症状の強い成人用であり、子どもには適さない場合が多い。・抗コリン薬
    鼻みずに効果がある点鼻薬。副交感神経の働きを抑える薬で、原則として12歳以上に使用する。・血管収縮薬
    鼻づまりに効果がある。即効性はあるが、使用しすぎると鼻づまりがひどくなる場合もあるため注意が必要です。
    原則として6歳未満での使用は避け、それ以上の年長児に使用する場合にも医師に相談しなければなりません。

特異的免疫療法(減感作療法)

抗原を少量ずつ注射して体内に取り込むことによって、その抗原に対する反応を徐々に弱めていく治療法です。
ごくまれに、アナフィラキシーショック(※)などの副作用がみられるため、反応に注意しながら行います。

治療期間は2~3年間ほどを必要としますが、治療を続けることで完治する可能性もあり、アレルギー性鼻炎の患者さんの約70%に効果があるといわれています。

※アナフィラキシーショック・・・抗原が体内に入り、血圧低下や呼吸困難、皮膚の発赤などの全身症状が現れた状態

手術

強度の鼻づまりやほかの治療法で効果がみられない場合は、手術による治療を行います。

レーザー手術は、抗原に対して過敏になった鼻粘膜を軽く焼くことで反応を弱めます。
入院が不要なため用いられやすい方法ではありますが、おとなしく治療を受けられない乳幼児などには適しません。
個人差はありますが、数カ月から2年程度効果が持続します。しかし、焼かれた鼻粘膜はいずれ再生するため、完治にはいたりません。

そのほか、鼻粘膜を切除する手術や鼻づまりを改善する整復術、鼻みずを分泌する神経を切って鼻みずを止める手術などがあります。
これらの手術はそれぞれ全身麻酔で行われ、1週間ほどの入院を必要とします。 ただし、子どもに適用されることはほとんどありません。

日常生活での注意点

アレルギー性鼻炎は完治の難しい病気ですが、日常生活に気をつければ症状の緩和や発症の予防も可能です。
子供が快適に過ごせるように、下記のことに気をつけましょう。

■周囲の大人は禁煙を
たばこの煙は鼻粘膜を刺激し、症状の悪化につながります。周囲の大人は禁煙を心掛けましょう。

■十分な睡眠がとれる環境作りを
睡眠不足は身体の抵抗力を弱めます。十分な睡眠がとれるような環境を整えましょう。

■バランスのよい食事を
野菜などのビタミンやミネラルを多く含む食品を取り入れ、バランスのよい食事をつくるように心がけます。
タンパク質や脂肪、食品添加物を多く含む食品はなるべく避けましょう。

■室内の乾燥に注意
鼻粘膜には適度な湿度が必要です。加湿器などを使用し、乾燥を防ぎます。
加湿器はカビが発生しやすいため、定期的な掃除を行いましょう。

■一緒に楽しめる運動を
適度な運動は、ストレス解消とともに自律神経の働きを高めます。
子供が継続して運動を楽しめるようサポートしましょう。
水泳をする場合は、鼻粘膜を敏感にして症状の悪化をさせてしまうことがあるため、十分に注意が必要です。

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

片側顔面痙攣

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

片側顔面痙攣とは?

片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)は、顔の片側が自分の意志とは関係なく、ピクピクと痙攣したり引きつったりする病気です。
40代以降の中高年齢層での発症率が高く、男性よりも女性に多くみられます。

発症初期は、ときどきしか症状が現れませんが、進行するにつれて発症頻度が高くなり、就寝中にまで及ぶこともあります。
また、片眼をつぶってしまうほど顔が引きつることもあり、人前に出にくくなったり、車の運転が難しくなったりするなど、日常生活にも支障をきたすようになります。

気になる症状があれば、早めに医師(神経内科や脳神経外科)に相談しましょう。

症状は?

初期症状としては片眼の周囲が軽くピクピクと痙攣する程度ですが、次第に同じ側の頬、額、口、顎へと範囲が広がります。
さらに症状が進行すると、顔が引きつってゆがんだり、片眼がギュッとつぶったままになったりします。

また、痙攣の振動が内耳に伝わることによって、耳鳴りがする場合もあります。

発症の原因は?

片側顔面痙攣の主な発症の原因は、内側に悪玉コレステロールが付着して、弾力性を失ったり硬くなったりした血管(動脈硬化した血管)が、顔面神経を圧迫することによって起こるといわれています。
また、脳腫瘍や動脈瘤(※1)が顔面神経を圧迫しているという説や、顔面神経麻痺(※2)の後遺症であるとの説や、ストレスなどの精神的緊張が引き金になるという説もあります。

※1 動脈瘤:血管の壁が薄くなって動脈の一部が風船のように大きく膨らんでくる病気
※2 顔面神経麻痺:片側の顔面の筋肉が突然に脱力して麻痺する病気

発症の原因は?

検査と診断

問診や視診などにより診断します。診察時に症状が現れない場合には、眼をギュッとつぶってパッと開いたり、口を真一文字に引き伸ばしたりすることによって、まぶたの下の痙攣を誘発するテストを行います。

詳しい検査として、CT(コンピューター断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像)、MRA(磁気共鳴血管造影)などの画像診断を行い、顔面神経を圧迫している血管の状態や脳腫瘍などの可能性の有無を調べます。

片側顔面痙攣は眼瞼痙攣(がんけんけいれん)とよく似ていますが、片側顔面痙攣が片眼から症状が現れ始めて同じ側の顔面に広がるのに対し、眼瞼痙攣は両眼に症状が現れるだけで範囲が広がることはありません。

治療法は?

抗不安薬や抗てんかん薬、筋弛緩薬などの薬物内服療法が用いられる場合もありますが、主流はボツリヌス療法と手術の大きく2つになります。

ボツリヌス療法

痙攣している顔の筋肉にA型ボツリヌス毒素製剤を注射し、軽度の麻痺を起こすことによって症状を抑制します。
個人差はありますが、1回の注射で約3~4ヵ月間効果が持続します。数ヵ月ごとに再投与しなければなりませんが、治療時間は短く数分で終了します。

副作用はほとんど出ることはないですが、まれにまぶたが閉じにくくなったり、口角が下がったりすることがあります。
ボツリヌス毒素といっても、口から入って腸で大量に吸収されない限り、中毒症状は起こりません。

片側顔面痙攣でのボツリヌス療法は保険が適用されますが、所定の研修を受講した専門医以外は施術することができないため、受診機関が限られます。また、妊娠中や授乳中などボツリヌス療法を受けられない場合もありますので、受診の際は医師によく相談しましょう。

手術

脳の血管による顔面神経の圧迫を除去する手術(神経減圧術)を行います。
有効性の高い根本治療ですが、全身麻酔を伴う開頭手術のため2週間ほどの入院が必要です。

また、顔面神経麻痺や聴力障害などの合併症を引き起こす可能性もあります。

日常生活で気をつけたいこと

ウォーキング片側顔面痙攣は、動脈硬化やストレスなどの精神的緊張が関係しているといわれています。
日常生活において動脈硬化の予防やストレス解消を心がけましょう。

適度な運動を心がけて
ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動は、動脈硬化の予防に効果があります。楽しく続けられそうなものから始めてみましょう。

バランスの良い食事を
悪玉コレステロールは動脈硬化を誘発します。規則正しい食習慣と「1日3食腹8分目」を心がけ、よく噛んでゆっくりと食べましょう。
悪玉コレステロール値の上昇を抑える青魚や食物繊維を中心とした食事がお勧めです。

リラックスできる時間を
精神的ストレスは心身ともに大きな負担となります。好きな音楽を聴いたり、本を読んだりするなど、リラックスできる時間を持つよう心がけましょう。

睡眠不足に注意して
睡眠不足はストレスの原因になります。毎日十分な睡眠をとるよう心がけましょう。

喫煙・飲酒はほどほどに
過度の喫煙や飲酒も動脈硬化を誘発します。吸い過ぎ、飲み過ぎには十分注意し、できれば禁煙をするのがよいでしょう。

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

子供の夏の感染症

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

夏に子どもがかかりやすい感染症

夏に子供がかかりやすい感染症は、手足口病 や咽頭結膜熱(プール熱) 、ヘルパンギーナ 、溶連菌感染症(猩紅熱(しょうこうねつ))などがあります。

感染力が高いものが多く、幼稚園や保育園では集団感染しやすくなっていますので、周りの子供の感染の様子で気を付ける感染症が判断できるケースもあります。

手足口病

症状

大人の場合は手、足、口に、子どもの場合はさらに肘、膝、お尻に米粒ほどの水疱性の発疹ができます。
発疹は水疱状で、やがて破れて潰瘍になり、痛痒くなってきます。口の中にできると、痛みで食事が困難になり、脱水症状をおこすことがあります。
発熱や下痢、嘔吐をともなうことも。

嘔吐や頭痛が続く場合、心筋炎や髄膜炎を合併していることもあります。

原因

エンテロウイルスなどの腸管ウイルスやコクサッキーウイルスなどの感染が原因となります。
複数のウイルスがあるので、一度かかったら大丈夫という病気ではありません。

感染経路は、風邪と同じように鼻汁・唾液などからの感染です。
また、便からも感染しますので、子供の手をよく洗うように保護者の方は気をつけましょう。

治療

小児科を受診しますが比較的軽い病気ですので、自然に治るケースが多いです。

しかし、口の中の痛みや発熱が強い場合は症状を緩和する対症療法をおこないます。
口腔内の痛みのために食事がしにくい場合は水も飲むのも困難なため脱水症状を起こしやすい状態です。
刺激が少なく、無理なく飲み込める食事内容にし、また水分補給を十分におこないます

【参考】「健康Salad」手足口病の時のおすすめレシピ<すいとん>

手足口病

咽頭結膜熱(プール熱)

症状

急な発熱(38~40℃)、のど腫れや痛み、リンパ節の腫れ、目やに、涙、充血など結膜炎の症状がみられます。
それ以外に吐き気、腹痛、下痢などが見られることもあります。

原因

アデノウイルスが感染の原因です。プールの水から感染することから、「プール熱」とも呼ばれます。6~9月頃に発生しやすく、幼稚園児や小学生はプールでうつることが多いのですが、せきやくしゃみを介して感染したり、便を介して目や口に感染して、赤ちゃんが感染したりすることもあります。
プールに入る前と後にシャワーでよく体、手、目を洗うことと、タオルや洗面器、食器を共用にしないことです。また、洗濯も別にします。

治療

小児科や眼科を受診します。症状を和らげる対症療法を行います。
高熱の場合は小児科を、結膜炎の症状がある場合は眼科での治療が必要です。

ヘルパンギーナ

症状

急な高熱(39℃前後)と咽頭、口の中の上顎の奥の粘膜に、小さな水疱ができます。
水疱が破裂し潰瘍状(かいようじょう)になることもあります。5歳未満の乳幼児に多く、食欲低下、嘔吐する場合もあります。

原因

おもにコクサッキーウイルスへの感染が原因ですが、原因となるウイルスは複数種類あるため、何度も発症することがあります。

治療

小児科を受診し、対症療法を用います。症状が重い場合は解熱剤を服用するなどで症状を和らげます。
口腔内の痛みで食事が難しい場合があるので、食事内容はやわらかく、のどごしの良いものを食べさせましょう。

また脱水症状への注意も必要ですので、水分補給をこまめに行います。

溶連菌感染症(猩紅熱(しょうこうねつ))

症状

急な発熱(38~40℃前後)と頭痛、のどの痛み、食欲不振、吐き気など、風邪のような初期症状があります。
やがてのどが非常に赤くなり、舌の表面にブツブツの赤みができることが多く(いちご舌)、口の中も真っ赤になります。

また扁桃腺や首のリンパ節が腫れたり、扁桃腺に白~黄色がかった膜ができたりすることがあります。
他に嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、首のリンパ節が腫れて痛むこともあり、発症後1~2日すると、かゆみをともなう小さな発疹が全身にあらわれます。

原因

A群β溶血性連鎖球菌が原因の溶連菌感染症です。A群β溶血性連鎖球菌という細菌が、くしゃみやせきを介して感染しておこります。
5歳をピークに4~9歳がかかりやすく、秋から春に多く発症します。
のどは12~3月に、皮膚では7月~9月に多い傾向にあります。

治療

小児科を受診し、抗生物質を服用します。
服用後、1~2日で元気になったように見えて溶連菌を完全に除く前に服用をやめてしまい再発することが多く、中耳炎・気管支炎・リンパ節炎・副鼻腔炎、急性腎炎、リウマチ熱を合併する危険度が高くなります。

単なる風邪の場合は、途中で服薬をやめても特に影響はありません。一方、溶連菌感染症の場合は、医師の指示通りの治療を最後まで続けることが大切です。

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

単純ヘルペス

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

単純ヘルペスってどんな病気?

「単純ヘルペス」は、私たち誰もがかかる可能性のある、ごくありふれた皮膚の感染症です。
「単純ヘルペスウイルス」というウイルスが原因となって起こり、発疹や水ぶくれなどの症状が現れます。

ウイルスには1型と2型の2種類があります。1型は口の周りや顔面など上半身に発症することが多く、2型は性器や下肢など主に下半身に症状が出るといわれています。
このうち、口手鏡の周りにできるものを「口唇ヘルペス」、性器周辺にできるものを「性器ヘルペス(GH:Genital herpes)」と呼び、単純ヘルペスの中でも最も一般的な病気です。

単純ヘルペスウイルスは感染力が強く、しかも一度感染すると、症状は治まってもウイルスは体内の神経節()に潜り込み、一生そこに棲みついてしまいます。そのため、しばしば再発を繰り返します。
大切なのは、もし感染してしまった場合にも、症状を悪化させずに早期に治療すること、人にうつさないこと、そして再発を予防していくことです。

神経節は、神経細胞が集まっているところです。

病気の特徴と症状は?

単純ヘルペスに感染すると、発疹や水ぶくれなどの皮膚症状が現れます。初感染の場合は、高熱などの重い全身症状を伴うことがあります。
その一方で、感染していても自覚症状がなかったり、症状がまったく出なかったりすることもあります。

口唇ヘルペス

口唇ヘルペスの主な原因は単純ヘルペス1型ウイルスで、接触や飛沫(※)による感染が一般的です。

初期症状としては、唇や口の周りの皮膚にピリピリ・ムズムズした不快感や痛がゆさを覚えます。その後、数時間から数日で患部に皮膚の赤みや水ぶくれができます。やがて水ぶくれは破れてかさぶたとなり、2週間程度で治ります。

初感染時には、大きめ(直径5ミリ程度)の水ぶくれが多発し、熱が出たり、あごの下のリンパ節が腫れたりすることもあります。それに比べて再発の場合は、皮膚の赤みや水ぶくれの現れる範囲が狭く、症状も軽くてすみます。

※飛沫:くしゃみや咳(せき)などでだ液や鼻水が小さな水滴となって飛び散ること

口唇ヘルペス

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、性交渉による感染がほとんどです。感染してから2日~12日の潜伏期間をおいて発症し、性器やおしりの周辺の皮膚に赤いブツブツや水ぶくれ、ただれができます。
初感染の場合は、強い痛みや発熱を伴う場合があり、排尿や歩行が困難になることもあります。治療をきちんとすれば1週間程度で治ります。

性器ヘルペスは主として単純ヘルペス2型ウイルスへの感染によって発症します。2型ウイルスは頻繁に再発を繰り返す傾向があります。
ただ再発時には、小さな水ぶくれやただれができる程度の軽い症状ですむことが多く、それに気付かずに感染を拡げてしまうことがあるため注意が必要です。

また、女性の感染率が男性に比べて高く、20代の女性に最も多いとされています。最近では性体験の低年齢化により、若年層の患者が増えています。

単純ヘルペスウイルスによるその他の感染症(主なもの)

ヘルペス角膜炎…目の角膜に感染します。目の痛み・涙目・目が赤くなるといった症状が出ます。何度も再発すると、重大な視力障害を引き起こすこともあります。

ヘルペス脳炎…発熱・意識障害・けいれん発作・幻覚などの症状が起こります。

新生児ヘルペス…母子感染などによって発症するもので、生後間もなく発熱、黄だん、呼吸障害などの症状が現れます。脳症などの後遺症が残ったり、死亡したりするケースもあります。

アトピー性皮膚炎の人は感染に要注意

アトピー性皮膚炎の人は皮膚が弱いため、単純ヘルペスウイルスに比較的簡単に感染してしまいます。
感染すると顔や身体などの広範囲に水ぶくれが現れ、ただれたような状態になります。
特に初感染の場合は、ウイルスに対する免疫がないため重症化し、命に関わることさえあります。

アトピー性皮膚炎の患者が単純ヘルペスウイルスに感染することで起こる合併症の代表的なものに「カポジ水痘様発疹症」があります。症状としては、広範囲にわたって顔や首などに小さな水疱ができ、リンパ節が腫れたり高熱が出たりすることもあります。
アトピー自体の悪化との見分けがつきにくいことがあるので注意が必要です。

検査方法と診断

「ヘルペスかな?」と思ったら、病院やクリニックでできるだけ早く受診しましょう。唇などの症状の場合は皮膚科へ、性器や下半身の場合は泌尿器科・産婦人科に行くことをおすすめします。

単純ヘルペスは、唇や性器にできた水ぶくれなど皮膚の症状から診断することができます。
症状が出ている部分の皮膚や粘膜を綿棒でとって組織検査をすれば単純ヘルペスかどうかが簡単にわかります。

その他、症状が出ていない場合、あるいは初感染なのか再感染なのかといったことを判定するために血液中のウイルス抗体()を測定する検査もあります(これは主に皮膚科・泌尿器科、感染症内科などの専門医で受けることができます)。

ウイルス抗体:リンパ球でつくり出される糖タンパク分子で、主に血液や体液の中に存在し、体内に侵入してきたウイルスに対処しようとするもの

どんな治療をするの?

現在の医学では、いったん体内に入った単純ヘルペスウイルスを完全に排除することはできません。しかし、薬を用いることによって、ウイルスの増殖を抑えることは可能です。適切な処置をするのが早ければ早いほど、症状は軽くてすみます。
そのため、再発の前兆を感じたり症状が出てきたりしたら、できるだけ早い時期に治療を始めてください。

一般的な治療としては、抗ウイルス薬の外用薬や内服薬を用います。
全身症状が現れるなどの重症例や免疫不全の人に対する治療では、入院した上で抗ウイルス薬の点滴静脈注射を行います。
その際、細菌の二次感染を防ぐために、抗生物質を服用することもあります。

単純ヘルペスのための抗ウイルス薬

薬の名前薬の形使用法(※)副作用
アシクロビル経口薬・軟膏・点滴など経口薬は1日5回服用吐き気など胃腸症状
塩酸バラシクロビル
経口薬
1日2~3回服用
同上
ビダラビン軟膏1日1~4回、患部に適量を塗布または貼布皮膚の刺激感、皮膚のかゆみや赤みなど

症状の程度などによって、薬の服用回数は変わることがあります。

性器ヘルペスの再発を抑える療法について

単純ヘルペスの中でも、特に「性器ヘルペス」は再発を繰り返すのが特徴です。
この再発の頻度を少なくするために、症状が現れる前にウイルスの増殖を抑える治療が、最近になって日本でも行えるようになりました。
「抗ウイルス薬」を毎日少しずつ飲むことによって、再発リスクを低下させる治療法で「再発抑制療法」と呼ばれています。

「再発抑制療法」は、性器ヘルペスの標準的な治療法として、現在世界50カ国以上で認められています。
この療法は、性器ヘルペスの再発を抑えるメリットに加え、パートナーへの感染率を下げることがわかっています。
「再発抑制療法」は、おおむね年に6回以上再発する患者さんが対象となります。

詳しくは医療機関(泌尿器科・産婦人科などの専門医)にご相談ください。

単純ヘルペスの予防と対策

単純ヘルペスウイルスは人に感染する力が強く、人と人との直接的な接触のほか、タオルなどを介して感染してしまうことがあります。
皮膚に傷や湿疹ができて抵抗力が弱まっていると、ヘルペスウイルスが侵入しやすくなるので注意が必要です。

また、既にウイルスを持っている人は、身体の抵抗力が低下すると体内に潜むウイルスが暴れ出し、再発しやすくなります。
再発のきっかけとして考えられるのは、かぜ・性交渉・過労・ストレス・紫外線などです。

単純ヘルペスの種類にかかわらず、再発のリスクを減らし、パートナーや他の人にうつさないためにも、予防を心がけましょう。

再発を予防するために

ストレスや疲労をためない

まず日ごろの健康管理を心がけ、ストレスや疲労をためないことが大切です。バランスのよい食事と十分な休息をとるようにしましょう。
お酒を大量に飲むことも控えるようにしてください。

紫外線に注意する

紫外線は口唇ヘルペスを再発させる可能性があります。海水浴やスキーなどで紫外線の強い場所に行くときには、日焼け止めを使う、帽子をかぶるなどの紫外線対策をしっかり行いましょう。

人にうつさないために

患部はいつも清潔に

水ぶくれなど明らかな症状が出ているときはウイルスの量も多く、感染力の強い時期です。患部を触ったら、きちんと手洗いをしてください。
水ぶくれを破ると症状が治まるのを遅らせるほか、細菌に感染したり痕が残ったりすることもあります。患部を不潔にしないように十分に気をつけましょう。

直接の性的接触を避ける

単純ヘルペスを発症しているときは、性的接触は避けるようにしましょう。
性器ヘルペスによる感染だけではなく、口唇ヘルペスの人とのオーラルセックスによって感染し、性器ヘルペスを発症することもあります。
特にパートナーがウイルス抗体を持っていない場合には、重症化させる可能性があります。

また、たとえ自覚症状がなくても、だ液や精液などにウイルスが排泄されていることがあり、キスやセックスでパートナーに感染させてしまうことがあります。
前出の「再発抑制療法」を受けていても、感染リスクが完全になくなるわけではありません。

パートナーとともに病気についての理解を深め、コンドームを使用することが、より確実な感染防止策だと考えられます。

新生児に触れる際の心がけ

赤ちゃんは免疫機能が未熟なため、口唇ヘルペスなどができている間のキスは避けてください。
患部を触った手で、赤ちゃんに触れないように注意しましょう。

身の回りのものは共用しない

タオルの共用は避けましょう。コップやグラスなどの食器も、単純ヘルペスの症状が出ている間は、人と同じものは使わないようにしてください。

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

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