「陰部に白いできものが…」パンツのラインにできたニキビのようなしこりは毛嚢炎かも!何科で治療できる?原因や薬は?
顔にニキビができた時は比較的対処しやすいですが、デリケートゾーンにニキビのようなできものができてしまった場合、対処に困るのではないでしょうか。
どうしてここにできものができてしまうのか不思議に思う方も多いと思います。
デリケートゾーンにできるできものは、何なのでしょうか?
この記事では、人にはなかなか相談しにくいデリケートゾーンにできるできもの原因や自分でできる対処法、病院でうける治療法について紹介していきます。
デリケートゾーンにできる「できもの」とは
デリケートゾーンとは、陰部や性器の辺りのことをさします。
デリケートゾーンにはニキビのようなできものができることがあります。
1.毛嚢炎(もうのうえん)
ニキビと似た症状
デリケートゾーンにできるできものの多くは、毛嚢炎のことが多いです。
毛嚢炎は、デリケートゾーンにできるできものの中でも顔にできるニキビと症状が似ています。
毛穴に汚れなどが詰まることで皮膚が炎症を起こし、赤くなったり痛みが出たりします。
アンダーヘアを自己処理した後にできやすい
デリケートゾーンに毛嚢炎ができやすい原因は、デリケートゾーンは角質層が薄く、刺激に弱い場所のため、小さな傷や刺激に敏感に反応してしまうからです。
例えば、アンダーへアを自己処理した後は、特に肌が敏感になっています。
この時に肌が乾燥すると、肌に必要な水分と油分のバランスが崩れて毛嚢炎ができやすくなります。
生理中など雑菌が繁殖しやすい環境にも注意
外陰部は、皮脂腺や汗腺が多くあり、おりものなどの分泌物などで湿っているためムレやすいといえます。
特に生理中、ナプキンを使用している時は、ムレやすいだけでなく、ナプキンとの摩擦も起こります。
このように雑菌が繁殖しやすい環境となっているため、デリケートゾーンは毛嚢炎になりやすいのです。
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2.粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤という皮下にできる粘液のたまった袋状のおできができることもあります。
これらは、皮脂腺の出口が、垢や老廃物などによってふさがり、たまったものと考えられ、通常は痛みやかゆみもありません。放置してもそのままか、徐々に小さくなっていきます。
粉瘤は自然にこわれ、中の膿が出ない限り小さくなることはありません。
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3.性器ヘルペス/コンジローマ
性行為によってできる性器ヘルペスもあります。
痛みやかゆみ、赤いぶつぶつや水ぶくれができたり、皮膚がえぐれた状態になったりする特徴があります。
また、性器ヘルペスと同じで、性行為によって感染するコンジローマがあります。
コンジローマは、小さないぼが1つだけできることもあれば、何個もできる場合もあります。
おりものが増えたり、おりものの状態がいつもと異なってきます。
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4.バルトリン腺嚢胞(のうほう)/バルトリン腺脳腫(のうしゅ)
外陰部の膣口の両側にあるバルトリン腺がブドウ球菌などの細菌に感染して起こると考えられています。
赤くなり痛みが出て、炎症が酷くなると、膣の入り口付近左右に1つずつあるバルトリン腺の排泄管の開口部をふさぎ、膿が内部にたまって腫れあがります。
デリケートゾーンのできものが…どう対処する?
1.自分でできる対処法
アンダーヘアの処理にはカミソリは避けて
デリケートゾーンは見えにくいため、アンダーヘアの処理でカミソリを使うと肌を傷つける可能性があります。
細かい傷ができ、そこから化膿してしまうことがあるので、カミソリは避けるようにしましょう。
デリケートゾーンは基本的にはシャワーのみでOK
また、ボディ用の洗剤でデリケートゾーンを洗いすぎると刺激を与えてしまいます。
基本的にはシャワーのみで洗いますが、においや汚れなどが気になる場合は、デリケートゾーン専用の洗剤で洗うようにしましょう。
アンダーヘアはしっかりと洗います。
ナプキンはこまめに替えて
生理中は、ナプキンを清潔なものにこまめに替えるようにします。
下着はコットンやシルクなどの素材で、通気性の良いものを選び、ムレを防ぎ、清潔になるようにします。
規則正しい食事を心がける
デリケートゾーンのできものは、食事の乱れも影響します。規則正しい食事を心がけましょう。
2.市販薬を使う場合
まずは薬剤師に相談を
デリケートゾーンのできものはさまざまです。
症状や種類によって、使用する市販薬も異なります。
市販薬を使う場合は、薬剤師に相談し、1週間使用しても良くならない時は病院を受診するようにして下さい。
毛嚢炎にニキビ用の薬を使用しない
毛嚢炎(もうのうえん)は、症状がニキビに似ていてもニキビとは異なります。ニキビ用の薬を使用することはやめましょう。
病院でうける治療
1.何科にかかればいい?
デリケートゾーンのできものの治療には、婦人科、産婦人科を受診します。
ただ、特に抵抗がなければ皮膚科でも診察は可能です。
2.診察の流れ
まず医師の問診や視診、触診をうけて診断がおります。
婦人科または産婦人科では、顔が見えないようにカーテンが引かれます。
正しく診断を行うためには、恥ずかしいかもしれませんが、デリケートゾーンを直接見てもらうことが大切になります。
3.処方薬
ほとんどの場合、塗り薬や膣に入れる膣内座薬が処方され、自宅で治療することになります。
パートナーも一緒に治療が必要になる可能性もあります。感染を拡げないためにも早めに医療機関への受診をおすすめします。
まとめ
デリケートゾーンにできるできものの原因は、人によってさまざまです。
できものができた場合、自己判断で処理することによって悪化することもあります。
最近は女性の医師も増えてきています。恥ずかしいかもしれませんが、早めに専門の病院を受診し、治療をしてもらいましょう。
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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