埋没毛(埋もれ毛)の治し方は?自宅でできるケアと皮膚科での治療法
【医師監修】埋没毛(埋もれ毛)は、多くの女性が経験していると思います。
女性は日常的にムダ毛のお手入れをしていると思いますが、処理のしかたによっては埋没毛を引き起こすことがあります。
体毛が皮膚に埋もれるのは、視覚的にも気持ちのいいものではありません。
そこでこの記事では、埋没毛の原因や治し方を紹介します。
そもそも埋没毛ってどういう状態?
皮膚に埋もれたまま成長し、外に出られなくなった体毛を『埋没毛』と言います。
皮膚の中で切れた毛が伸びるより先に皮膚の修復や再生が行われることで、体毛の出口が塞がってしまった状態です。
埋没毛は、一度発生した場所で再発しやすいという特徴があります。
埋没毛が起こりやすい部位
皮膚の柔らかいところや、体毛の生える方向がバラバラな部分に起こりやすいです。
特に先の尖った毛や太くて硬い毛は皮膚に埋もれやすいので、下記の部位は埋没毛を起こしやすいと言えます。
・膝
・ふくらはぎ
・太もも
・すね
・二の腕
・眉毛
・ビキニライン
埋没毛が起こる原因
基本的に埋没毛は、傷ついた毛穴が炎症を起こす→かさぶたができる→その下に生えてくる毛が出口を失うという流れで発生するので、原因は主にムダ毛の処理方法にあります。
1.カミソリによるムダ毛処理
カミソリによる剃毛は、ムダ毛だけでなく皮膚表面も剃ってしまうことが多いです。
特に入浴中は体が温まることで皮膚が柔らかくなっているため、この状態でカミソリを使用すると角質ごと剥がれてしまいます。
剥がれた角質部分は傷を負っている状態なので、修復するためにかさぶたができて埋没毛の原因となります。
カミソリは肌トラブルの原因にも…
皮膚を保護する角質が剥がれることで雑菌が侵入しやすくなり、埋没毛以外にも様々な肌トラブルを起こすことがあります。
深剃りや逆剃りも肌を傷つけるので注意しましょう。
2.毛抜きでのムダ毛処理
毛抜きの使用は毛根組織を傷つけるほか、毛穴周辺の角質も剥がす恐れがあります。
そうすると毛根や皮膚を修復するために細胞が働き、毛が成長しきる前に修復作業が完了して、新しい皮膚が毛の出口を塞ぎます。
また毛根からしっかり抜くことができなかった場合、毛が途中でちぎれて埋没毛の原因となります。
炎症や化膿を起こすことも
毛抜きを繰り返し使うと、様々な肌トラブルを起こしやすくなるので注意が必要です。
・埋没毛が起こりやすくなる
・毛根から出血する
・毛根から皮膚にかけて炎症や化膿を起こす
自宅でできる埋没毛の治し方
埋没毛をピンセットで無理やり引っ張りだす方もいますが、これはおすすめできません。
毛を抜くという行為は皮膚や毛根を傷つけるため、今以上に埋没毛を誘発する可能性があります。
無理やり引き抜くことはせず、次のような方法でケアしてみましょう。
1.ムダ毛処理の頻度を減らす
カミソリや毛抜きを頻繁に使用すると肌へ負担をかけ、埋没毛が発生しやすくなります。
どうしても必要な時以外、頻繁に自己処理をしないようにしましょう。
2.電気シェーバーを使用する
自己処理する際は電気ボディーシェーバーなどを使用すると、肌への負担が軽減されるのでおすすめです。
電気シェーバーはカミソリと違って肌に当たる部分が少ないほか、皮膚を薄く削ってしまうこともありません。
3.角質を柔らかくする
角質ケアもおすすめです。
埋没毛がある部位にピーリングやスクラブケアを行って、古い角質や汚れをやさしく溶かすと良いでしょう。
頻繁に行うと肌に負担をかけるので、週1回程度のペースが望ましいです。
角質ケア後は肌が乾燥しやすくなっているので、しっかりと保湿をしてください。
4.放っておく
何もせずに毛が伸びるのを待つという方法もおすすめです。
放っておくと成長した毛が分解されて皮膚の外へ出て行ったり、代謝によって自然と肌表面へ押し出されたりすることもあります。
しかし場合によっては色素沈着や炎症を起こすこともあるので、ただ放置するのではなく状態を把握しておくことが大切です。
チクチクするといった症状があれば、早めに病院を受診しましょう。
皮膚科でうける埋没毛の治療
1.埋没毛の治療法
埋没毛の診療は皮膚科で行います。治療法は経過観察がメインとなりますが、皮膚を柔らかくする薬が処方されることもあります。
毛嚢炎などの炎症がある場合
毛嚢炎などの炎症が起きている場合は、内服薬や軟膏を処方されます。
ピーリングを行うことも
病院によってはピーリング剤を埋没毛部位に塗り、角質を溶かすことで毛を外に出す治療法も行っています。
切開する場合もある
症状が悪化した場合は切開することもあり、改善までに時間がかかることが多いです。
2.埋没毛の治療は保険適用となる?
埋没毛の治療は基本的に保険が適用されるので、治療費が高額となるケースはほとんどないでしょう。
ただし医療レーザー脱毛に関しては、保険が適用されません。
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まとめ
埋没毛は一度できた部分に再発しやすい特徴があります。
ムダ毛の自己処理を行う際は肌を傷つけないよう気をつけ、日頃から埋没毛を予防することが大切です。
できてしまった埋没毛は無理に引っ張りださず、毛が自然に伸びて排出されるのを待ちましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2007年 山梨大学医学部卒業
国際医療センター国府台病院で初期研修の後、日本医科大学麻酔科学講座に入局
2011年 皮膚科、美容皮膚科に転科
現在はGINZA Zen 禅クリニック院長に至る
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