爪水虫は人にうつる!対策はどうする?治るまでの期間と再発について
水虫、というと足裏など皮膚にできるもの、というイメージが強いかもしれません。しかし、爪に水虫の症状があらわれる『爪水虫』という病気があります。感染力が強いことが特徴です。
こちらの記事では、爪水虫の症状やどんな人にかかりやすいのか、周りの人にうつさないための対策について解説します。
爪水虫について
1.爪水虫とは?どんな病気?
爪や爪周りに水虫の症状が出た状態
『水虫』の症状が爪や、爪周りに出た状態を『爪水虫』といいます。
水虫というと、足の表面や足裏に発症するイメージが強いかもしれませんが、爪にも水虫は存在します。
そもそも、水虫は『白癬菌(はくせんきん)』というカビの一種が皮膚の表面に寄生することで発症します。これは爪水虫の場合も同様です。
爪水虫にかかると…爪の変色やすじが入るなどの症状が生じる
爪水虫にかかると、爪の『変色』や『すじ』、『ごつごつする』といった症状があらわれます。
2.爪水虫の発生しやすい時期
爪水虫の原因である白癬菌は、高温多湿を好みます。そのため、暖かい時期に発症しやすいです。
とはいえ、15度以上から生息することができるので、真冬を除いた長い期間にわたって爪水虫を発症することがあります。
3.爪水虫にかかりやすい人
次のような人は、水虫にかかりやすいので注意しましょう。
いつも同じ靴で不衛生にしている
夏でもブーツや通気性の悪い靴をはいている
家の中にいるときや、寝るときも靴下をはいている
先に解説したように、白癬菌は高温多湿を好みます。常に靴や靴下をはいている人は、裸足で過ごす時間が長い人に比べて発症する可能性が高くなります。
爪水虫は人にうつる!感染を広げないために
水虫の原因である白癬菌は、感染力がとても強いことが特徴です。
1.スリッパやバスマット、衣類の共用からうつる
足水虫、爪水虫の区別なく感染します。水虫を発症している人が歩いたマットや靴、靴下、スリッパ、衣類などの共用などによってうつります。
2.家族は感染する可能性が高い!対策とは?
タオルやバスマットは別のものを使う
特に、家族間は感染する可能性が高いです。家族の誰かが水虫を発症していたら、同じタオルは使わず、バスマットもその都度交換しましょう。
足を清潔に保つ!家族は裸足で歩かないように
また、とにかく清潔に保つことも大切です。家に帰ったら、すぐに足を洗いましょう。そして周りの人は、裸足で歩かないようにして、水虫の感染を予防してください。
3.気になる症状があれば、すぐに皮膚科へ!
もし水虫が疑われる症状がみられたら、感染の広がりを防ぐためにも、すぐに皮膚科を受診しましょう。
家族が水虫を発症している場合は、そのことも一言添えてください。
爪水虫の治療法
1.治療には塗り薬や飲み薬をつかう
爪水虫の治療には、塗り薬だけでなく、飲み薬も併用することがあります。どちらの場合も、抗真菌薬を用います。
爪水虫の場合は、塗り薬のみだと爪の中まで薬の成分が到達しにくいため、飲み薬も必要になることが多いです。
飲み薬による治療の副作用
飲み薬による治療には、副作用がともなうこともあります。
ほかに自分が飲んでいる薬や受けている治療があれば医師にそれを伝え、アレルギーなどについても相談したうえで適切な治療を選択しましょう。
妊娠中のかたは特に注意!飲み薬は避けることをおすすめ
妊娠中のかたは、なるべく飲み薬の服用を避けることをおすすめします。
妊娠中、または妊娠の可能性がある場合は、事前に医師に伝え、相談しながら治療法を決定していきましょう。
2. 長い…爪水虫の治療期間
また爪水虫は、足水虫に比べて治療期間が長いことが特徴です。足水虫の治療期間は通常2か月程度ですが、爪水虫の場合、その3倍の半年はかかります。
塗り薬による治療が2か月ほどで終わっても、内服薬による治療が3~4か月と続くことも珍しくありません。その間、症状をみながら薬を変えることもあります。
3.再発を防ぐために。完治までしっかり通院を
白癬菌は、皮膚の奥深くに潜り込んでいることがあります。
そのため症状がよくなったからといって薬の服用をやめてしまうと、実は完治しておらず再発する可能性も高いです。治療期間が長く感じられるかもしれませんが、しっかり治すためにも、医師の指示にしたがって通院を続けましょう。
まとめ
爪水虫、足水虫ともに感染力の強さが特徴です。
家族に水虫を発症している人がいたら、十分に注意しましょう。タオルの交換や、同じ場所を素足で歩かないようにするなどして、感染の拡大を防いでください。
爪水虫は、足水虫に比べて治療期間が長いですが、根気よく治すことが完治への近道です。医師としっかり相談をしながら、治療につとめましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2007年 山梨大学医学部卒業
国際医療センター国府台病院で初期研修の後、日本医科大学麻酔科学講座に入局
2011年 皮膚科、美容皮膚科に転科
現在はGINZA Zen 禅クリニック院長に至る
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