痛い巻き爪の治療法!病院は何科?悪化をふせぐ3つのポイントとは
【医師監修】
巻き爪は足の指にかかる負担によって発症するもので、10人に1人にみられると言われています。
『巻き爪』は指に負担がかかることでできやすく、足の親指に生じることが多いです。
誰にでも起こり得る症状で、なんと10人に1人は巻き爪になるともいわれています。
この記事では、病院でおこなわれる巻き爪治療や、日常生活で悪化を防ぐ方法、巻き爪になったときに何科にかかればいいのかをご紹介します。
巻き爪は何科で治療するの?
1.そもそも、巻き爪って、どんな状態?
『巻き爪』は、足の指の爪の先端部分が、弓形に内側へと曲がっている状態です。
足の親指に起こりやすいです。
2.あなたはどのタイプ?巻き爪は3種類に分けられる
陥入爪(かんにゅうそう)
『陥入爪』は、もっとも多くみられる巻き爪の症状です。
爪が深く弯曲して、爪の周囲にある皮膚に食い込むことで傷ができ、炎症を起こした状態です。
爪が圧迫されることで、指の周りが腫れて痛みが出る『化膿性肉芽腫(かのうせいにくがしゅ)』ができることがあります。
化膿性肉芽腫は、小さく赤みのある皮膚の腫瘍で、出血もしやすいです。
陥入爪の原因は、次のものがあります。
・先の細い靴などをはくことによる爪の圧迫
・深爪など爪切りの方法が不適切な場合
・立ち仕事や肥満による過度な体重負荷
・足の血流の悪化
・爪の水虫による変形
・ケガ
弯曲爪(わんきょくそう)
『弯曲爪』は、陥入爪がひどくなった状態です。
爪の両側が、爪の裏側にある皮膚(爪床…そうしょう)を挟み込むように「の」の字型に巻き込み、持ち上げている状態です。
症状の程度によっては炎症が起こって、爪によって傷ついた皮膚が『出血』や『化膿』を引き起こすこともあります。
爪甲鈎弯症(そうこうこうわんしょう)
『爪甲鈎弯症』は、爪が異常に分厚くなって、そのまま伸びた状態で、「ツノ」のようにもみえます。
高齢者に多くみられます。また、『甲状腺機能低下症』などの、内分泌にかかわる病気によっても引き起こされます。
巻き爪は何科を受診?治療法について解説
1.皮膚科、形成外科で治療
巻き爪は、皮膚科で治療します。
そのほか、形成外科でも治療を受けられます。
2.巻き爪の治療法
巻き爪の治療法には、大きく分けると『保存的治療』と『外科的治療』があります。
陥入爪や弯曲爪の場合、症状に応じて医師とも相談しながら、治療法を選択します。
保存的療法
保存的療法では、爪が食い込まないように、跳ね上げる治療をおこないます。
○コットンパッキング法
巻き爪とその下の皮膚のあいだにコットンを詰め、痛みを和らげる治療法です。昔からある方法で、症状が軽度な場合におこなわれます。
保険適用で受けられます。
○ワイヤー法
爪の先のところ(指先に近い部分)に穴を開けて、記憶合金のワイヤーを挿入する治療法です。
痛みはほとんどなく、日常生活にも支障をきたしません。手術の代わりにもなる矯正方法ですが、保険は適用されないため、自由診療です。
定期的に通院して、ワイヤーを交換する必要があり、治るまでは数ヶ月を要します。
※自由診療は、取り扱っていない医療機関もあります。事前に確認してから受診しましょう。
○抗菌薬の内服
ばい菌が入ってしまった場合は、『抗菌薬』を内服することもあります。
外科的治療
外科的治療は、保存的治療で改善がない、再発をくり返す、爪の左右を囲む『側爪郭(そくそうかく)』の盛り上がりが強く、歩行に支障が出る、などの場合におこなわれます。
外科的治療は、形成外科でおこなうことが多いです。
手術では、爪を作る『爪母(そうぼ)』を取り除き、変形した爪が生えてこないよう、爪の幅を狭くする処置がおこなわれます。
手術をすると、症状は2週間ほどで改善することが多いです。
しかし、爪が伸びてくるまでには半年かかるため、日常生活に支障をきたすことがあります。
爪は指先の細かな感覚や繊細な動きをつかさどるほか、指先を保護する役割もあるため、爪が全て伸びるまでは手指を使う動きに影響が出るでしょう。
3. 爪甲鈎弯症には、有効な治療法はない
爪甲鈎弯症の場合は、有効な治療法がありません。
やすりなどで爪の形を整える、といった処置がおこなわれます。
4.巻き爪を放置するとどうなる?
巻き爪を放置すると、爪だけでなく全身にも影響を及んできます。
爪が痛むことで、足の指に体重をかけにくくなり、自然な歩行が困難になります。
姿勢が崩れると、同時に筋力のバランスも崩れ、『肩こり』や『腰痛』といった症状にもつながります。
巻き爪を悪化させないための3つのポイント
普段の生活では、次の3点に注意しましょう。
1.足を清潔に保つ
足を清潔に保つことで細菌が入る機会を減らし、膿む原因を作らないようにすると、爪を正常に発育させることができます。
お風呂に入って、汚れがたまりやすい「爪のあいだ」などをきれいに洗いましょう。
2.足に合った靴を選ぶ
先のとがった靴や、ハイヒールなどの窮屈な靴は避けましょう。
また、靴も清潔に保ち、蒸れにも注意しましょう。
3.爪を切るときは、深爪に注意!
深爪にしてしまうと、陥入爪を悪化させるおそれがあります。
爪の先端を1㎜程残して、爪が四角になるように先端を切る『スクエアカット』を心がけ、深爪を防ぎましょう。
自分で対処するにも、巻き爪が今どのような状況なのか、きちんと把握することが大切です。
まとめ
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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