ぶどうまくえんぶどう膜炎
ぶどう膜炎とは?
眼の中の虹彩(眼に入る光の量を調節します)、毛様体(眼のピントを調節します)、脈絡膜(みゃくらくまく:眼に栄養を与えたり、眼を保護したりしています)の三つの組織を総称してぶどう膜と呼びます。このぶどう膜とその周辺の組織におこる炎症のことをぶどう膜炎といいます。
ぶどう膜炎は、病原菌に感染しておこる場合、自己免疫によっておこる場合などの他、原因が分からず病名が特定できない場合もあります。
ぶどう膜炎はひどくなると、失明してしまうこともある病気ですので、早い段階での眼科による診断、治療が重要になります。
ぶどう膜炎の症状
ぶどう膜炎にかかると眼の充血、視力低下、眼痛、羞明(まぶしく感じる)、眼脂(目やにが出る)、霧視(霧がかかったように見える)、飛蚊症(小さな虫やごみのようなものが飛んで見える)、などの症状が片眼または両眼(片眼ずつ交互に症状が出ることも)にあらわれます。原因によっては耳鳴り、聴力低下、不整脈、肝機能障害、腎機能障害、口内炎などや、頭痛、発熱、皮膚症状などが眼の症状と同時にあらわれることもあります。
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治療法
細菌やウイルスなどの病原微生物が原因のときは、それに対して働きかける抗菌薬や抗ウイルス薬などを用います。(点滴や内服)
局所対症療法としては炎症を抑える副腎皮質ホルモン(ステロイド)剤や、炎症により瞳が不整円となることを予防する散瞳薬の点眼が行われます。眼の炎症が著しい場合は眼球結膜下へのステロイド剤の注射や全身への投薬(内服や静脈注射)が行われます。
治療期間
状態により数カ月から数年かかり、持病となることもあります。
ぶどう膜炎の治療経過(合併症・後遺症)
治療の難しい非感染性ぶどう膜炎に対する、副作用が少なく長期間使いやすい薬(アダリムマブ)が使用されるようになりました。視力の予後はさまざまであり、経過をみていくことが必要です。細菌によるぶどう膜炎は病状の進行が速いことから視力の予後は不良です。
ぶどう膜炎になりやすい年齢や性別
ぶどう膜炎を発症する「サルコイドーシス」という病気は、男女比では1:2で女性に多く、20~30歳代と60歳代に多くみられます。同様にぶどう膜炎を発症する「フォークト・小柳・原田病」の患者数は、日本人口100万人当たり15人ほどとされ、男女比は女性にやや多く、20~40歳代、加えて高齢者にもみられます。
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執筆・監修ドクター
経歴昭和大学医学部卒業、医学博士。
昭和大学東病院助教、三友堂病院眼科科長、彩の国東大宮メディカルセンター眼科科長
をへて二本松眼科病院に勤務。
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