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骨粗しょう症

目次
  1. 概要
  2. 症状
  3. 原因
  4. 検査内容と主な診療科目
  5. 治療方法と治療期間
  6. 治療の展望と予後
  7. 発生しやすい年代と性差
守島亜季 先生

【執筆ドクター】

守島医院 守島 亜季 先生

概要

骨粗しょう症とは?

骨粗しょう症とは、「骨強度の低下を特徴とし、ちょっとした転倒や衝撃などで骨折するリスクが増大しやすくなる骨格疾患」です。

「骨強度」とは骨密度と骨質の2つの要因からなります。
女性では閉経により50歳前後から骨密度は低下していき、さらに加齢による運動量や食事量の低下といった生活習慣の変化が関係して発症しやすくなります。

痛みなどの自覚症状はないことが多く、加齢に伴い進行していくので、骨折を予防するためには定期的な骨密度検査が重要です。
骨密度は主にdual energy X-rayabsorptiometry(DXA)で測定されます。

がんや心筋梗塞などのように直接命に危険性をおよぼす病気ではありませんが、高齢になってからの骨折は、そのまま介護が必要な状態になりかねないため注意が必要です。

骨粗しょう症は原発性骨粗しょう症と続発性骨粗しょう症に分類されます。
原発性骨粗しょう症は閉経後骨粗しょう症と男性における骨粗しょう症、特発性骨粗しょう症に分かれます。

症状

基本的には、骨粗しょう症自体には自覚症状はない。
しかし、骨密度や骨質の低下により脆弱性骨折が生じることがあり、そのために背骨の変形から生じる腰痛、大腿骨近位部骨折による立位・歩行不能状態や、上腕骨骨折、橈骨(手首)などによる骨折箇所の機能不全、それに伴う痛みが表れる。

骨折リスク評価の進歩に伴い、診断基準が2012年度に改訂された。
最新版(2012年度版)の診断基準では、椎体または大腿骨近位部骨折があれば、骨密度にかかわらず骨粗しょう症と診断される。
また、その他の脆弱性骨折があり骨密度が若年成人平均値(YAM)の80%未満の場合、もしくは脆弱性骨折がない場合には骨密度が70%、または-2.5SD以下の場合に骨粗しょう症と診断される。

※脆弱性骨折

骨密度が「低骨量」である、または骨がすかすかになっているために、転倒などちょっとした衝撃で起こってしまう骨折。

原因

骨粗しょう症の主な原因は、骨量の低下により、骨の新陳代謝のバランスが崩れることである。
骨は常に古い骨を壊して(骨吸収)、新しい骨をつくる(骨形成)という新陳代謝を行っている。

健康な状態では、骨吸収と骨形成のバランスがとれているが加齢や生活習慣(運動不足、喫煙、食生活の乱れなど)によって新陳代謝のバランスが崩れると、骨吸収ばかりが進み、骨形成が追いつかなくなる。
それによって古い骨を壊す骨吸収ばかりが進み、骨密度が低下する。

加えて、女性の場合、閉経により骨密度を維持する働きのあるホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減るため圧倒的に閉経後の女性に多い疾患である。

さらに、特定の病気や服薬により二次的に起こる「続発性骨粗しょう症」もある。
甲状腺機能亢進症やクッシング症候群などの内分泌疾患、胃切除や吸収症候群などの栄養に関わる疾患、関節リウマチ、糖尿病などの生活習慣病、ステロイドなどの薬剤で、さまざまな複合的要因がある。

検査内容と主な診療科目

骨粗しょう症であるかどうかを判断するには、骨密度検査が骨の強さを判定するための代表的な指針となる。

骨密度検査には、全身のほとんどの骨を測ることが可能なDXA(デキサ)法、X線を使わないため妊娠中の人でも測定できる超音波法、X線を使い容易に計測できるMD(エムディ)法などがある。
ただし、定量的超音波(QUS)法はスクリーニングには使用可能であるが、診断のための測定装置ではない。
また、背骨や頚椎のX線写真を撮り、骨折や変形の有無、本人も自覚していない脆弱性骨折が疑われる時にレントゲン検査をする場合もある。

その他、骨代謝マーカーという血液・尿検査による検査法は、骨の新陳代謝の速度を知ることができ、他の病気と区別するためにも行われることがある。

転倒や打撲などのきっかけがあり、痛みや、可動域の制限が生じたら、ただちに整形外科の受診の必要性がある。
また、きっかけがなくとも、最近、背中が曲がってきた、背が縮んだ気がする、腰が痛いなど、気になることがあれば整形外科への受診が望まれる。

治療方法と治療期間

骨密度の低下を抑え、骨折を防ぐための薬物治療が中心となる。種類や効果も違う薬がいくつか出ており、病気の進行度や骨折の危険性の高低によっても処方は変わってくる。
わが国で骨祖しょう症治療薬として認可されている薬剤は、①骨吸収抑制を主とした薬剤②骨形成促進を主とした薬剤③骨吸収抑制と骨形成促進作用を有する薬剤の3種類に分類される。

①骨吸収抑制を主とした薬剤

骨吸収の速度を抑え、骨密度の高い骨にするためのビスホスホネート製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、抗RANKL抗体薬、カルシウム製剤が該当する

②骨形成促進を主とした薬剤

骨の形成を促進する、副甲状腺ホルモン(テリパラチド)が該当する

③骨吸収抑制と骨形成促進作用を有する薬剤

活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤が該当する

骨密度や骨折した部位にもよるが、薬物治療の多くは1~2年といった長期間で効果をみていく。
食事療法や運動療法など、普段の生活の見直しや実行も必要であり、根気よく、医師の処方を守った規則正しい服薬が肝要である。

治療の展望と予後

骨粗しょう症が進行することによって骨折のリスクが高くなるため、骨折の有無、部位、治療期間や年齢、生活環境によっては、身体機能の回復が著しく阻害される可能性がある。
加えて、一度骨折すると再発しやすいともいわれている。

骨折の中でも特に問題視されているものが、大腿骨頸部骨折であり、高齢であればあるほど治癒に時間がかかり、その間に身体機能が低下して要介護状態になる可能性が高くなる。

すなわち、健康寿命のためにも、骨折後退院した後も、医療機関とのつながりを保つことが望ましいといえる。

発生しやすい年代と性差

近年、日本では高齢化の加速に伴って男女ともに骨粗しょう症罹患者数は増加し続けている。
2012年度に改訂された「骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン」によると、骨粗しょう症患者は全国で1280万人。
男女比では約1対3で、女性は男性の約3倍である。

検査対象では、80代に最も多く、女性のほぼ半数、男性では2~3割骨粗しょう症を発症している。
高齢者に発生しやすい大腿骨頸部骨折の全国調査による推定発生数は、過去10年間で9万2400人から14万8100人に増加している。

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