爪甲縦裂症とは
爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)とは、爪が縦に裂けている状態をいいます。
爪に対する外的刺激が原因となっている場合が多く、ステロイド外用薬で軽快することがほとんどです。軽快しない場合は、腫瘍が原因となっている恐れがあるため、検査が必要です。
爪は「健康のバロメーター」といわれています。全身の病気によって、爪に異常があらわれることもあるからです。
爪の異常の原因としては、全身性疾患、皮膚疾患、爪周囲の感染症、爪に対する外的刺激、爪部の腫瘍などが考えられます。
爪甲縦裂症の症状
爪甲縦裂症は爪の先端から根元にかけて、もしくは、爪の一部が縦の方向に割れます。単に縦線が生じたものではありません。
爪甲縦裂症の診療科目・検査方法
爪甲縦裂症は放置していて治ることは考えにくいので、症状が出たらまず皮膚科を受診するとよいでしょう。
直接鏡検法で真菌などの有無を確認し、細菌感染によるものか検査をします。
爪甲縦裂症の原因
爪甲縦裂症は後爪郭部(こうぞうかくぶ)や爪上皮(そうじょうひ、「クチクラ」ともいう)に異常がある場合と、爪の根元(爪甲下:そうこうか)に腫瘍がある場合が考えられます。
後爪郭部や爪上皮の異常は、指の循環障害や甲状腺機能異常、マニキュア、化学物質などの外的刺激、皮膚疾患などの原因が考えられます。
実際には、外傷などの外的刺激が原因となって異常が生じている場合が多いようです。
爪甲縦裂症の予防・治療方法・治療期間
爪甲縦裂症は何らかの連続した外的刺激が原因と考えられる場合は、まずそれを止めることが必要です。
後爪郭部や爪上皮に異常があることで縦に割れているため、後爪郭部や爪上皮を正常にする治療がおこなわれます。
一般的にステロイド外用薬を、後爪郭部に根元から先端に向けて塗布することで、2~3カ月後には軽快し、その後、治癒することがほとんどです。
爪甲縦裂症の治療経過(合併症・後遺症)
爪甲縦裂症はステロイド外用薬を2~3カ月塗布しても軽快しない場合は、爪甲下の腫瘍が原因となっている恐れがあります。その場合、腫瘍の有無を調べるため、爪を剥がし、組織検査をする必要があります。
腫瘍があった場合は、その治療にあたります。
爪甲縦裂症になりやすい年齢や性別
爪甲縦裂症は発症しやすい年代や、発症しやすさの男女差は特にありません。子どもから高齢者まで発症する恐れがあります。
後爪郭部の外傷がきっかけとなって発症することが多いようなので、職業上、後爪郭部に外傷を受ける機会が多い方は、手袋で保護するなどの対応をすることで、発症を防ぐことができるかもしれません。
また、サイズの合っていない靴や、マニキュアなどが原因となる恐れもあるので、注意しましょう。
参考・出典サイト
執筆・監修ドクター

経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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