爪変色とは
爪変色(つめへんしょく)とは、爪の色がなんらかの原因により変色してしまうことです。
変色の原因が爪だけの病気の場合もあれば体の異常を知らせるものの場合があります。
爪の下には体の末端の毛細血管が流れているため、爪に異常が起こると、体のどこかに異常が起きている証になります。
原因としては、薬剤の使用や、感染症などの病気など様々な要因が挙げられます。
爪変色の症状
爪変色は症状も原因によって様々で、中でも爪が白く濁る原因として多いのは、「つめみずむし」とも言われている、爪白癬です。
足の爪の変色ではほとんどが爪白癬と言われています。また、緑膿菌に感染すると、緑色に変色することがあります。
爪変色が起こる病気では、腎機能の低下により、色素沈着が起こることもあります。他にも、肝臓の機能低下により白くなることがあります。
爪の下にホクロのようにみえる色調の変化があり、出血を伴う際には悪性黒色腫が疑われます。
HIV感染症の治療薬により黒褐色になることもあります。しかし、この症状は治療薬を服用していないエイズ患者でも現れることがあります。
また、抗がん剤治療中や治療後も薬剤の影響で色素沈着します。
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爪変色の診療科目・検査方法
爪変色の原因
爪変色は、怪我や感染症、皮膚の病気、薬剤のなどによっても爪変色が起こる可能性があります。
また、女性においてはジェルネイルなどのつけ爪により緑膿菌による細菌感染を起こし、緑色になるといった報告もあります。
緑膿菌は、腸内細菌の1つで、湿った環境を好みます。
ジェルネイルでは、取り外す場合、削り取ることになるため再装着を繰り返していると、爪がうすくなってきます。
そのため自爪とジェルネイルの間に菌が繁殖しやすくなるのです。
爪変色の予防・治療方法・治療期間
爪変色で爪以外の病気が原因の場合は、原因の病気の治療を優先します。
爪に感染した感染症の場合は、外用剤などの使用を行います。
ジェルネイルなどのつけ爪が原因で緑膿菌に感染している場合、つけ爪と自爪との間に隙間ができてきて、そこに水分がたまり、湿潤環境ができてしまうと緑膿菌感染を起こし、緑色になります。
つけ爪を取り除いて、乾燥度合をみて、緑膿菌に感受性のある外用剤を塗布します。
爪に発生する悪性黒色腫が原因の場合には、進行の早いがんであるため、すぐに腫瘍の切除が必要となります。
また、進行度に応じてリンパ節郭清、化学療法も必要です。
爪変色の治療経過(合併症・後遺症)
爪変色を起こす原因により異なります。
怪我によって変色した場合は、怪我が治った後、正常な爪が伸びてくるので、跡になることは少ないです。
爪白癬は放置してしまうと、いつまでも治らず、他の人にうつしてしまうこともあります。治療して3~6ヶ月ほどで治ることが多いです。
悪性黒色腫は、ステージ(進行度)によって異なります。早期に治療を始めることで、予後は良好になります。
爪変色になりやすい年齢や性別
爪変色は原因が様々なため、罹患率は把握できません。
爪白癬は高齢になるほど多く、女性では60歳代、男性では70歳代に多く、10人に1人が罹患しているとも言われています。
悪性黒色腫は60代~70代の方に多く、日本では4000人ほど、10万人あたり1~2人が罹患していると言われています。男女差はなく、若い方でも罹患することがあります。
参考・出典サイト
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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