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にゅうせんえん乳腺炎

更新日:2022/10/28 公開日:2019/12/26 view数:22,376
目次
  1. 乳腺炎とは
  2. 乳腺炎の症状
  3. 乳腺炎の診療科目・検査方法
  4. 乳腺炎の原因
  5. 乳腺炎の予防・治療方法・治療期間
  6. 乳腺炎の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 乳腺炎になりやすい年齢や性別

乳腺炎とは

乳腺炎(にゅうせんえん)とは、乳汁が分泌される乳腺が炎症をおこしたものをいいます。

多くは産後6~8週間の授乳期に急激に発生します。圧迫されるような乳房の痛み、チクチクとした痛み、乳房の腫れ、発熱などが生じます。

乳腺炎には、主に乳頭の皮膚にできた小さな傷や穴から細菌が入っておこる、急性化膿性乳腺炎と、乳汁が乳管に溜まって炎症をおこす急性うっ滞性乳腺炎があります。

うっ滞性乳腺炎の場合は、乳房のマッサージによって改善することがあります。

化膿性乳腺炎の場合は、消炎鎮痛薬、抗菌薬などを使用します。痛みが辛いからといって授乳を中止してしまうとますます乳腺炎を悪化させ、慢性化する危険性があります。

さらに、炎症から膿瘍(のうよう:皮下に膿がたまること)に発展してしまい、外科的手段で膿を排出しなければならなくなる可能性もあります。

乳腺炎を疑ったら、放置せず早急に医療機関を受診してください。

乳腺炎の症状

乳腺炎のはじめは、授乳中に片方の乳房に痛みを感じます。圧迫されるような痛みや、チクチクとした痛みと表現されることが多いです。

また、乳汁が詰まった乳腺の一部が硬くなり、しこりのようになることもあります。

悪化すると、熱感、発赤、乳房の腫れ、38度以上の発熱とだるさ、悪寒なども伴うことがあります。

乳腺炎の診療科目・検査方法

乳腺炎は、産婦人科を受診します。

多くは、問診視診によって乳腺炎と診断されるので、特に検査は必要としません。

しかし、高熱が出る場合には乳腺エコーによって化膿していないか調べたり、炎症の程度を採血検査で調べることがあります。

さらに、抗菌薬投与を始めて2日経過しても変化があらわれない場合や、重症の場合などには乳汁の培養検査をおこない、菌の数や種類を判定します。

授乳期には、かかりつけの助産師さんを見つけ、母乳の出が悪い時には相談したり、乳房マッサージしてもらうといいでしょう。

乳房の痛みや腫れが出てきた場合、乳腺外科や母乳外来(保険適応外)を受診した方がいいかどうかなど相談もできます。

乳腺炎の原因

乳腺炎の原因で考えられるのは、以下になります。

  • 授乳する間隔が空いた
  • 乳児が母乳を飲む力が弱い
  • 授乳する方法が正しくない(いつも同じ向きや姿勢での授乳はNG)
  • 乳汁の通り道である乳管がつまる
  • 締め付ける下着を着用することで、乳汁の流れが悪くなり、乳汁が溜まる

また、化膿するほどの乳腺炎の場合には

  • 乳児の噛み傷によって傷ができる
  • 乳首に亀裂が入っている

などが原因で、傷から乳腺内に細菌が侵入すると考えられています。

侵入してきた細菌が溜まった乳汁を母地にして繁殖することで化膿します。細菌は黄色ブドウ球菌であることが多く、これは健康な人の皮膚などにもありふれている細菌です。

ほかにも、授乳中の母親の栄養不足、疲れやストレス、過去に乳腺炎になったことがあるなども乳腺炎のリスクとなります。

乳腺炎の予防・治療方法・治療期間

乳腺炎が軽症の場合には、充分休息をとり、乳房マッサージをおこなうだけでも回復することがあります。

鎮痛剤を使って痛みをやわらげ、できるだけ授乳をし、乳児が飲みきれない分は搾乳し、乳汁が溜まらないようにします。

それらの対処法で24時間以内に症状が治まらない場合や、炎症が強い場合には、抗菌薬を使って治療をはじめます。

授乳しているときに、お母さんが薬を飲むことに不安を感じる患者さんも多いですが、抗菌剤や鎮痛剤による乳児への影響は報告されていません。

乳腺エコー検査で乳腺内に膿がたくさん溜まっていることが確認されると、溜まった膿を外へ出すために切開が必要な場合もあります。

軽症の場合には、内服は3-5日間程度、切開して膿を出した場合は、炎症が強くなると炎症がおさまるまでは連日通院して処置が必要になる場合があります。

乳腺炎の治療経過(合併症・後遺症)

乳腺炎は、ほとんどの場合、外来通院でよくなることが多く、予後は良好です。

しかし、再発することもあるため、慢性化させないためには早めの対処が必要です。

化膿性乳腺炎が重くなってしまうと乳房の複数箇所に膿瘍ができてしまうことがあります。

その後、乳腺膿瘍に進展してしまう可能性があるので、早めの受診が大切です。

乳腺炎になりやすい年齢や性別

乳腺炎の罹患者数の統計はありません。発生する頻度は、授乳をしている産婦のおよそ2%前後といわれています。

分娩後6~8週間の産褥(さんじょく)期にある女性が発症しやすく、乳汁の産生量が多い産褥2~3週間~12週におこることが多いです。

授乳中であれば、誰でもいつでも発症するリスクはあります。

執筆・監修ドクター

松本 華英
松本 華英 医師 いとう新検見川クリニック 院長 担当科目 外科/乳腺外科

経歴北総合病院 初期・後期研修医(一般外科コース)
国立国際医療研究センター病院 乳腺内分泌外科 フェロー
2018年より現クリニック勤務

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