ひとつのIDでさまざまな施設の順番待ち・予約が可能

EPARKグループ

夜間・休日に電話1本で医師がご自宅へ

急な発熱時など往診(自宅で診察・処方)の無料電話相談を受付しています。

0066-98090-0345523(無料電話相談)

夜間・休日に電話1本で医師ご自宅へ

今すぐ電話する無料電話

きのうせいでぃすぺぷしあ機能性ディスペプシア

えふでぃーFD
更新日:2022/08/10 公開日:2019/06/04 view数:5,718

機能性ディスペプシア(きのうせいでぃすぺぷしあ)とは、胃の痛みや胃もたれの症状が慢性的に続いているにも関わらず、胃内視鏡検査では炎症などの器質的な異常が見当たらない疾患です。
主な症状は、胃炎と似ており、みぞおち付近の鈍い痛みや焼けるような痛み、食べ物を口にしてからすぐの膨満感、強い胃もたれ感などがあります。
診断基準は、上腹部に不快感が1ヶ月以上続き、7日以上に上記で挙げた症状がある点、炎症などの器質的な病変が見られないが症状がある点で機能性ディスペプシアと診断されます。
命に関わるような疾患ではありませんが、つらい症状が続くことへのストレスでQOL(生活の質)が大きく低下します。

原因と考えられることは多くあります。
代表的なものに「消化するための運動機能に障害が起きている(胃適応性弛緩障害、胃排出障害)」、「胃が知覚過敏を起こしている(内蔵知覚過敏)」、「ストレス(心理的因子)」、「ヘリコバクター・ピロリ菌の感染」、「胃の形の問題」、「生活習慣(飲酒、喫煙、暴飲暴食)」などが考えられます。

目次
  1. 機能性ディスペプシアの症状
  2. 機能性ディスペプシアの診療科目・検査方法
  3. 機能性ディスペプシアの原因
  4. 機能性ディスペプシアの予防・治療方法・治療期間
  5. 機能性ディスペプシアの治療経過(合併症・後遺症)
  6. 機能性ディスペプシアになりやすい年齢や性別

機能性ディスペプシアの症状

機能性ディスペプシアの主な症状は、食後愁訴症候群(しょくごしゅうそしょうこうぐん)と呼ばれる食後の胃もたれ感と食べ始めてすぐの膨満感です。
また、心窩部痛症候群(しんかぶつうしょうこうぐん)と称されるみぞおちの痛みや胸焼けと呼ばれるみぞおちの灼熱感などです。

このような症状が単独で、時には平行しておきます。
これにより、食事をする気になれない「食思不振傾向」も出現します。
また、痛みや食事を楽しめないことによるストレスがQOL(生活の質)を著しく低下させます。
中には胃食道逆流症や過敏性腸症候群慢性便秘などを合併することもあります。


機能性ディスペプシアの診療科目・検査方法

消化器内科を受診します。

器質的な異常がないか検査で確認し、胃がんや胃潰瘍十二指腸潰瘍などの可能性を除外します。

検査には内視鏡検査、CT検査、超音波検査などの画像診断やピロリ菌への感染の有無を調べる検査、血液検査があります。

FDに関する自己記入式質問票がある。
「GSRS」「出雲スケール」「FSSG」などが日本では多く使用されています。
これらは診断の補助や治療効果判定にも有用です。


機能性ディスペプシアの原因

機能性ディスペプシアの特徴は、胃に炎症が見られるなどの「器質的な原因」のない病気ということです。

症状を起こす主な原因は3つあります。
消化器官の運動機能に異常があることと適応性弛緩反応の異常、知覚過敏です。
胃腸は心理的なことから影響を受けやすく、機能性ディスペプシアにおいてもストレスなどが原因していることが多いです。
また飲酒や喫煙、食の嗜好などの生活習慣、胃の形態などさまざまなことが関与している可能性があります。

消化器官の運動機能異常

胃に入ってきた食物を十二指腸に排出するため収縮する力が胃にはありますが、この機能が鈍くなり、食物が滞留することで食後の胃もたれや膨満感、時に吐き気を引きおこします。

適応性弛緩反応の異常

食事により一定量以上の食物が胃に入り込んだ場合、胃は容量を広げるため弛緩します。しかし、機能性ディスペプシアでは弛緩がうまくできず、拡張されないため少ない食事量で胃が張り苦しいと感じます(膨満感)。

知覚過敏

胃の排出機能が低下すると、食物が長く胃の中に停滞するため常に圧力がかかります。そこへ消化をするために分泌される胃酸や、食物の刺激がある状態になることで知覚過敏を誘発します。しかし、胃酸の過剰分泌が機能性ディスペプシアと直接関与しているわけではありません。

脳腸相関

脳と腸は相互に密接に関連しています。そのため不安や精神的ストレスが身体的な胃部不快症状を悪化させることがあります。

機能性ディスペプシアの予防・治療方法・治療期間

消化管運動機能改善薬によって胃の動きを改善します。
また酸分泌抑制薬により、胃酸の過剰な分泌をおさえ、それによる痛みや十二指腸へ胃酸が流れ込むことをおさえます。

抗不安薬や抗うつ薬などでも改善されるといわれています。
症状にあわせた漢方薬の使用についても効果があるとされており、治療に使用されることがあります。
しかし、漢方薬や抗不安薬などは今後の研究により詳細な裏付けを求められています。

投薬による治療に加えて、睡眠や食生活などの生活習慣の見直しをする生活指導もおこないます。

機能性ディスペプシアの治療経過(合併症・後遺症)

治療によって症状が無くなった患者さんの約1/5が数か月間に再発するといわれています。
要因となるストレスなどをできる限り少なくすることが予後に影響すると考えられいます。

病状は軽快と再発を繰り返すことがよく見られます。
そのため長い付き合いが必要な疾患と考えて治療していく必要があります。

機能性ディスペプシアになりやすい年齢や性別

健康診断受診者の11~17%、病院受診者では45~53%に確認されます。

女性に多いとする報告もありますが調査により異なる結果が出ており一貫していません。
発症しやすい年齢についても若年者に多いとする報告がありますが詳細は不明です。

執筆・監修ドクター

柿原 瑞穂
柿原 瑞穂 医師 かきはらみずほクリニック 院長 担当科目 内科/消化器内科

経歴日本消化器病学会認定 消化器病専門医

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
コメント(オプション):

関連する病気

機能性ディスペプシア以外の病気に関する情報を探したい方はこちら。

関連カテゴリ

機能性ディスペプシアに関連するカテゴリはこちら。

関連コラム

「機能性ディスペプシア」に関するコラムはこちら。