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慢性便秘

目次
  1. 概要
  2. 症状
  3. 原因
  4. 検査内容と主な診療科目
  5. 治療方法と治療期間
  6. 治療の展望と予後
  7. 発症しやすい年代と性差
医師

【執筆ドクター】

 板東 浩 先生

概要

慢性便秘とは?

慢性便秘は「排便回数が週に3回未満」「残便感がある」などの状態を指す言葉です。

急に慢性的な便秘を起こすようになった場合、大腸がんなどの病気が隠れているかもしれません。

長期間にわたって便通異常が見られるなら、医療機関に相談したほうが良いでしょう。

また、慢性便秘は高齢者に多い病気です。女性に多いとされてきましたが、60代以上では男女差はなくなります。80代以上になると女性よりも男性の方が多くなります。主な受診科目は、内科、消化器内科です。

症状

慢性便秘の症状には「排便回数の減少」と「排便困難症(回数は関係なく、便が硬くて力まないと出ないなど排便が困難な状態)」がある。

自分がどのタイプの便秘であるのか把握して、適した対策を行うことが大切であり、目安は下記の通りである。

排便回数の減少

・週3回未満しか排便がない
・排便回数が以前より減った

排便困難症

・お腹に不快感がある
・力まないと出ない
・何回もトイレに行く
・残便感がある
・毎日排便はあるが、硬くて、出にくい

60代以上の高齢者には「排便困難症」が多くみられ、自覚症状を訴える患者さんの多くは排便困難症の症状である。

便通が2~3日に1回でもあまり困ることはないものの、いざトイレに行くときに便が出しにくいというのは苦痛を感じる要因となる。

原因

①:食事・水分の摂取量の減少

高齢になり、食事の量や水分の摂取量が減るという点が原因と言われる。
そのため便は硬くなり、排便の頻度は2~3日に1回に減少していく。
加齢により筋肉が衰えて便が出しにくくなるという点もある。

②:筋肉の衰え

便は直腸や肛門といった便の出口に到達すると周辺の筋肉を緩ませて、排便を促す。
しかし、加齢で筋肉が衰えると排便を促す力が弱まり、排便がしにくくなる。
特に高齢の男性は筋肉の衰えが原因の慢性便秘になりやすいと言われており、80代で慢性便秘の症状に悩む男性は増えている。

③:大腸がん

便秘の背後には「大腸がん」が隠れている可能性があるので注意が必要。
50歳をすぎて「今まで便秘ではなかったのにここ1年で便秘になった」という人は検査をした方が望ましい。
実際に便秘で医療機関にかかった人の中には、進行型の大腸がんが発見されたり、肝臓に転移していたりといったケースもゼロではない。
大腸がんは病状が進行しないと症状を自覚しにくい病気のため、便秘の段階で気づきない可能性が高い。
そのため、症状から患者さん自らが大腸がんを予測することは困難であるが、定期的に検査を受けることで発見する確率が高まる。

④生活習慣

・食物繊維不足
・運動不足
・水分不足
・薬(精神科の処方薬など)の常用

慢性便秘に悩んでいる場合、この4つの要因をまず考える。

検査内容と主な診療科目

便秘の悩みがある方は、まずはかかりつけの内科医か、消化器内科を受診するとよい。

腹部の診察に加え、直腸肛門診で便の塊や腫瘤、血液付着の有無を確認する。
また、肛門括約筋の動きや会陰の動きを視診で確認する。さらに問診や診察で大腸がんの疑いがある場合や50歳以上で3年以内に大腸内視鏡検査を受けていない場合は、大腸内視鏡検査を実施する。

万が一大腸がんを早期に発見できれば、治療による完治の可能性は高まる。
しかし、「便秘だから」と放置している間に、がんが進行し、治療が困難になる可能性もあるため、定期的な健診で大腸の各検査を受けることが望ましい。

治療方法と治療期間

医療機関では大腸がんなどの病気の有無を検査し、問題がなければ問診を通じて、生活習慣の指導を受ける。
薬を飲まないと排便できなかった人でも、運動と食生活の改善されることも考えられる。

そのため、問診で患者さんの生活習慣を聞き、原因に合わせて指導をおこなっていく。

自己流は控え、医師に相談を

日本人は我慢強く、便秘が生活の質を落としているかわかっていても、我慢する人が多い。

市販の便秘薬の常用で依存性が強く、自然な排便がしにくくなることもある。
そのため薬の頼る前に便秘のタイプを医師と一緒に探り、生活習慣の改善と副作用の少ない薬の活用で、便秘解消を図る。医師から処方される薬と代表的な漢方薬(大黄甘草湯、麻子仁丸、潤腸湯、桂枝加芍薬湯または桂枝加芍薬大黄湯、防風通聖散、大建中湯など)を決められた時間に服用することが大切である。

治療の展望と予後

予後は慢性便秘の原因疾患による。
生活習慣の改善で慢性便秘が解消されることもあれば、大腸がんの場合は進行ステージによって切除などの治療を受けるため、予後も異なる。

発症しやすい年代と性差

60歳以上の男女に多く、80歳以上になると男性の方が慢性便秘になりやすい。
10代から50代は女性が多い。

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