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まんせいべんぴ慢性便秘

更新日:2022/08/16 公開日:2019/01/23 view数:4,862
目次
  1. 慢性便秘とは
  2. 慢性便秘の症状
  3. 慢性便秘の診療科目・検査方法
  4. 慢性便秘の原因
  5. 慢性便秘の予防・治療方法・治療期間
  6. 慢性便秘の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 慢性便秘になりやすい年齢や性別

慢性便秘とは

便秘の明確な定義はありませんが、慢性便秘の多くは排便回数が週に3回未満であり、排便回数や排便量が少ないために腹痛や腹部膨満感、残便感、排便困難感(回数にかかわらず強くいきまないと排便ができない、または便が硬くて出にくいこと)などの症状があることをいいます。

慢性便秘には、その原因によって腸管の病気や障害による「器質性」と、腸管機能の異常による「機能性」に分けられます。器質性便秘は腫瘍性異常が大腸に発生したり傷や形の異常により腸管が狭くなっておこる便秘です。一方、機能性便秘は、水分や食物線維不足、腹筋などの筋力低下などさまざまな原因で大腸の働きが悪くなっておこる便秘です。

急に慢性的な便秘をおこすようになった場合、器質性の疾患として大腸がんなどの病気が隠れている可能性があります。長期間にわたって便通異常が見られるなら、日常生活に障害が生じるので、医療機関に相談したほうが良いでしょう。

慢性便秘の症状

慢性便秘の症状には「排便回数の減少」と「排便困難症(回数は関係なく、便が硬くて力まないと出ないなど排便が困難な状態)」があります。

自分がどのタイプの便秘であるのか把握して、適した対策をおこなうことが大切であり、目安は下記の通りです。

排便回数の減少

  • 週3回未満しか排便がない
  • 排便回数が以前より減った

排便困難症

  • お腹に不快感がある
  • 力まないと出ない
  • 何回もトイレに行く
  • 残便感がある
  • 毎日排便はあるが、硬くて、出にくい

60代以上の高齢者には「排便困難症」が多くみられ、便秘を訴える患者さんの多くは排便困難症の症状です。

便通が2~3日に1回でもあまり困ることはないものの、いざトイレに行くときに便が出しにくいというのは苦痛を感じる要因となります。

慢性便秘の診療科目・検査方法

便秘の悩みがある方は、まずはかかりつけの内科医か、消化器内科を受診するとよいでしょう。

腹部の診察に加え、直腸肛門診で便の塊や腫瘤、血液付着の有無を確認します。
また、肛門括約筋の動きや会陰の動きを視診で確認します。さらに問診や診察で大腸がんの疑いがある場合や40歳以上で1年以内に大腸内視鏡検査を受けていない場合は、大腸内視鏡検査を実施することが多いです。

万が一大腸がんを早期に発見できれば、治療による完治の可能性は高まります。
しかし、「便秘だから」と放置している間に、がんが進行し、治療が困難になる可能性もあるため、定期的な検診で大腸の検査を受けることが望まれます。

慢性便秘の原因

1.食事・水分の摂取量の減少

食事の量や水分の摂取量が減るという点が高齢者の便秘の原因と言われています。
そのため便は硬くなり、排便の頻度は2~3日に1回に減少していきます。
加齢により筋肉が衰えて便が出しにくくなるという要素もあります。

2.筋肉の衰え

便は直腸や肛門といった便の出口に到達すると周辺の筋肉を緩ませて、排便を促します。しかし、加齢で筋肉が衰えると排便を促す力が弱まり、排便がしにくくなります。
特に高齢の男性は筋肉の衰えが原因の慢性便秘になりやすいと言われており、80代で慢性便秘の症状に悩む男性は増えています。

3.大腸がん

便秘の背後には「大腸がん」が隠れている可能性があるので注意が必要です。
50歳をすぎて「今まで便秘ではなかったのにここ1年で便秘になった」という人は、特に検査をすることが推奨されます。
実際に便秘で医療機関にかかった人の中には、進行型の大腸がんが発見されたり、といったケースもあります。大腸がんは病状が進行しないと症状を自覚しにくい病気のため、便秘の段階では気づかない可能性が高い病気です。そのため、症状から患者さん自らが大腸がんを予測することは困難ですが、定期的に大腸検査を受けることで発見する確率が高まります。

4.生活習慣

  • 食物繊維不足
  • 運動不足
  • 水分不足
  • 薬(精神科の処方薬など)の常用

慢性便秘に悩んでいる場合、この4つの要因をまず考えます。

慢性便秘の予防・治療方法・治療期間

医療機関では大腸がんなどの病気の有無を検査し、問題がなければ問診を通じて、生活習慣の指導を受けます。
薬を飲まないと排便できなかった人でも、運動と食生活で改善されることも考えられます。

そのため、問診で患者さんの生活習慣を聞き、原因に合わせて指導をおこなっていきます。

自己流は控え、医師に相談を

日本人は我慢強く、便秘が生活の質を落としているとわかっていても、我慢する人が多くみられるようです。しかし、市販の便秘薬の常用は依存性が強くなり、自然な排便がしにくくなることもあります。
そのため薬に頼る前に便秘のタイプを医師と一緒に探り、生活習慣の改善と副作用の少ない薬の活用で、便秘解消を図ります。医師から処方される薬と代表的な漢方薬は、大黄甘草湯、麻子仁丸、潤腸湯、桂枝加芍薬湯または桂枝加芍薬大黄湯、防風通聖散、大建中湯などです。処方通りに、決められた時間に服用することが大切です。

慢性便秘の治療経過(合併症・後遺症)

予後は慢性便秘の原因疾患によって左右されます。
生活習慣の改善で慢性便秘が解消されることもあれば、大腸がんの場合は進行ステージによって切除などの治療を受けるため、予後も異なります。
一方で、5歳からの小児期の便秘患者さんは、一度良くなっても約25%が成人期に再発する、という報告もあります。再発するのは女性が多いとされています。予後を良くするためには、なるべく早期に適した治療を受けることが望まれます。

慢性便秘になりやすい年齢や性別

60歳以上の男女に多く、80歳以上になると男性の方が慢性便秘になりやすい傾向にあります。
10代から50代は女性の方が男性より倍近く多くみられます。

執筆・監修ドクター

板東 浩
板東 浩 医師 医師 担当科目 内科

経歴1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

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