ひとつのIDでさまざまな施設の順番待ち・予約が可能

EPARKグループ

夜間・休日に電話1本で医師がご自宅へ

急な発熱時など往診(自宅で診察・処方)の無料電話相談を受付しています。

0066-98090-0345523(無料電話相談)

夜間・休日に電話1本で医師ご自宅へ

今すぐ電話する無料電話

はいにょうしょうがい排尿障害

更新日:2022/08/10 公開日:2019/07/26 view数:5,692

排尿障害(はいにょうしょうがい)とは、尿が漏れてしまったり、尿をうまく出せなかったりと排尿に影響を及ぼす疾患の総称です。前立腺肥大症過活動膀胱膀胱炎などの合併症状として知られています。小児から高齢者まで、世代や男女を問わず幅広く患者さんがいます。高齢になるほど増加傾向にあります。

多くの場合、加齢や生活環境、手術後の後遺症などが原因となっています。高齢男性では尿道におこる病気が主な原因とされ、女性であれば妊娠や出産が主な原因とされています。

排尿障害の症状は、尿を思うように出せない排出障害と、尿を思うように貯められない蓄尿障害に分別されます。治療方法もそれぞれの病状や原因により違いがあります。

基本は、原因となる病気を治療した上で、状況に応じて排尿障害への治療方法を選択します。尿に関するトラブルは性別や年齢を問わず、患者さんの生活の質(QOL)に影響を及ぼします。不安を感じたらためらわず泌尿器科に相談しましょう。



目次
  1. 排尿障害の症状
  2. 排尿障害の診療科目・検査方法
  3. 排尿障害の原因
  4. 排尿障害の予防・治療方法・治療期間
  5. 排尿障害の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 排尿障害になりやすい年齢や性別

排尿障害の症状

排尿障害の代表的な症状は以下のとおりです。

頻尿

目安は昼間8回、夜間就寝中1回以上トイレに行くなど、日常生活に影響がある場合に頻尿とされます。

尿失禁

尿失禁にはトイレまで我慢できずに漏らしてしまう切迫性尿失禁、咳やくしゃみなどをきっかけにおこる腹圧性尿失禁、尿がきちんと出てしまわずに、膀胱内に多量の尿が残ってしまい尿が溢れる溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)などがあります。これらが複合してあらわれることもあります。

多尿

1日あたりの排尿量が2500mlを超えます。

残尿感

実際の残尿の有無に関係なく、排出しきっていない感覚があれば残尿感に該当します。

尿線分割および尿線散乱

尿腺分割では排尿線が複数の状態で排出されます。シャワーのように飛び散るような場合は尿腺散乱となります。尿道に腫瘍や奇形、結石などの異常があることも考えられます。

乏尿・無尿

排尿量が1日あたり400mlに満たない場合は乏尿。100mlに満たない場合は無尿となります。

尿閉

膀胱内にある尿を排出できない状態です。

排尿後尿滴下

排尿後にわずかな尿が漏れます。主に下着着用後におこります。

終末滴下

排尿の終わり頃に尿量が低下し、尿が滴のようになります。それにより排尿時間も長くなります。

排尿途絶

排尿中に尿線が途切れます。

排尿障害の診療科目・検査方法

排尿障害の多くは原因となる病気があるため、症状に思い当たる場合は早いうちに泌尿器科もしくは婦人科を受診しましょう。

問診では排尿障害が生活に及ぼしている影響などをアンケート形式で記入し、症状が評価されます。これにより過活動膀胱症状スコアや国際前立腺症状スコアを算出します。排尿の状況を記録した排尿日誌がある場合は確認し状況を把握します。

採尿検査では細菌感染による膀胱炎、悪性腫瘍の有無などを確認します。

採血検査では前立腺がんの可能性や腎機能障害を調べます。

腹部エコー検査では残尿量の測定、前立腺の体積測定、水腎症の有無を調べます。
また、以下の検査を追加的におこなうことがあります。

尿流測定検査

検査用トイレに排尿をおこない排尿量と勢いを計測します。

内圧流量検査

膀胱や尿道の機能を確認するためにカテーテルを挿入します。

鎖膀胱尿道造影検査

尿道から造影剤を注入し尿道の状態、骨盤臓器脱の有無とその程度を調べます。

排尿障害の原因

おおきく症状にわけて原因を解説します。

排出障害の原因

症状として、排尿線分裂や尿線散乱、残尿感などがありますが、これらは前立腺肥大症糖尿病、神経因性膀胱などが原因となります。神経因性膀胱は脳血管疾患がきっかけとなります。ほかにも手術後の合併症、服用中の薬の副作用なども原因となります。

蓄尿障害の原因

症状としては、頻尿、尿意切迫感、尿失禁などがあります。これら尿を思うように貯められない症状の原因となるのは、過活動膀胱や間質性膀胱炎、膀胱結石などです。

このほか、児童が遊戯会や運動会を控えた緊張感、保護者からの教育によるプレッシャーなど、心因性の原因もあります。加齢なども原因となります。女性の場合は妊娠や出産により筋力が低下し、尿道や膀胱をコントロールできずに過活動膀胱尿失禁を発症することがあります。過活動膀胱はこのほかにも、脳卒中やパーキンソン病といった脳や脊髄に関わる病気でもおこる可能性があります。

排尿障害の予防・治療方法・治療期間

原因となる病気により治療法は異なります。

薬物療法

排出障害:交感神経に作用する薬、動脈圧を改善する薬、前立腺肥大を抑える薬が処方されます。
蓄尿障害:副交感神経に作用する薬、膀胱を広げ尿道を縮める薬などが処方される。医療機関によっては漢方薬を処方することもあります。

保存的療法

生活指導:食事指導、適度な運動の指導、禁煙、飲酒、睡眠時間などについて助言します。
計画療法:尿意をコントロールする膀胱訓練を指導します。
理学療法:手術、妊娠・出産による筋力低下に対して骨盤底筋体操を指導します。

手術療法

薬物療法で成果が得られない場合、原因に応じて以下の手術を検討します。

スリング手術:腹圧性尿失禁
膣前壁補強手術・メッシュ手術:骨盤臓器脱
TVM手術・腹腔鏡下仙骨膣固定術(LSC):骨盤臓器脱
膀胱水圧拡張術:間質性膀胱。
経尿道的前立腺切除術(TURP)・経尿道的前立腺核出術(TUEB):前立腺肥大
仙骨神経刺激療法:難治性過活動膀胱

排尿障害の治療経過(合併症・後遺症)

排尿障害は、原因となる病気が前立腺肥大や膀胱結石、骨盤臓器脱などのように明確な場合は、当該の病気を治療することで多くは解消されます。

発症原因が生活習慣や出産、年齢などに関わる場合は、予後も含めて継続的に生活習慣の改善や骨盤底筋体操などの理学療法に取り組む必要があります。

排尿障害になりやすい年齢や性別

排尿機能学会が発表した、2003年の時点で40歳以上の約1万人を対象にした調査報告があります。

  • 夜間頻尿
    男性:2,135万人 女性:2,347万人
  • 昼間頻尿
    男性:1,595万人 女性:1,722万人
  • 残尿
    男性:792万人 女性:375万人
  • 尿勢低下
    男性:1,088万人 女性:657万人
  • 切迫性尿失禁
    男性:202万人 女性:377万人
  • 腹圧性尿失禁
    男性:82万人 女性:461万人
  • 膀胱痛
    男性:73万人 女性:77万人
  • おむつの使用
    男性:57万人 女性:248万人

また同調査によると、過活動膀胱に関しては40代の発症率は女性に多くみられます。しかし50代に入ると男性が多くなり始める傾向にあります。60代に入ると男性が多いまま全体の罹患率も2倍近く増加していました。また、加齢とともに患者数は増加傾向がみられます。

執筆・監修ドクター

陶山 俊輔
陶山 俊輔 医師 陶山クリニック 院長 担当科目 泌尿器科

経歴2005年3月  久留米大学病院医学部 卒業
2005年4月  福岡新水巻病院 初期研修
2007年4月  久留米大学病院 泌尿器科 入局
       久留米大学病院 泌尿器科 助教
2008年10月 大牟田市立病院 泌尿器科 医員
2010年4月  久留米第一病院 泌尿器科 医員
2010年10月 久留米第一病院 泌尿器科 医長
2013年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、教育連絡主任
2015年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、外来医長
2018年5月  陶山クリニック開院

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
コメント(オプション):

関連する病気

排尿障害以外の病気に関する情報を探したい方はこちら。

関連カテゴリ

排尿障害に関連するカテゴリはこちら。

関連コラム

「排尿障害」に関するコラムはこちら。