デリケートゾーンのかぶれの原因は?病気の可能性も。市販薬の効能を解説!
デリケートゾーンの悩みは人には相談しにくいものです。一方でデリケートゾーンは敏感でかぶれやすく、実は悩んでいる人は少なくありません。
ストレスや体の状態など、さまざまな要因がデリケートゾーンのかぶれにつながり、そこからかゆみを発症すると、日常生活に支障をきたしてしまうこともあります。
この記事では、人にはなかなか相談しづらいデリケートゾーンのかぶれについて、その原因と治療法や予防法についてお伝えします。
デリケートゾーンのかぶれの原因は?
まずは、デリケートゾーンがかぶれる原因や、可能性のある病気について、解説します。
1.そもそも、かぶれはどのようにして起こる?
外部からの刺激がきっかけでかぶれる
皮膚は、「表皮」「真皮」「皮下組織」という3つの層からできています。
これらが外の刺激から身体を守ってくれるバリアの役割をはたしています。
しかし、このバリア機能を持っていても防ぎきれない、外部からの刺激が起こると、湿疹やかぶれができてしまいます。
洗剤や化粧品、アレルゲンなどが刺激に!
刺激を与える原因は、洗剤や化粧品、細菌による感染や、花粉やハウスダストのようなアレルゲンなどがあります。
冷たさや温かさなども刺激となってかぶれる場合があります。
デリケートゾーンがかぶれる原因は、日常生活の中で受ける内的要因と外的要因、それに加えて細菌やウイルス・カビ(真菌)などに感染する感染症があります。
2.デリケートゾーンはムレやすい
皮膚は粘膜に近く、下着で常に覆われていたり、締めつけていたりするため、温度や湿度が高くなり、ムレやすい環境にあります。
また、汗をかいたり汚れが付いたりしやすい場所であることから、かぶれを起こしやすくなっています。
3.デリケートゾーンのかぶれを引き起こす病気
性器ヘルペス
一度かかると再発することも多く、完治が難しい病気といえます。
性器に痛みがあるのが主な症状で、患部には水泡ができます。
性器クラミジア
感染するとおりものの量が増えますが、特ににおいには変化はありません。
症状としては、下腹部痛や排尿痛などがあり、病気が進行すると炎症が奥に進み、子宮内膜炎や卵管炎などを引き起こします。
トリコモナス膣炎
□男性にはほとんど症状がない
感染力が非常に強く、男性にはあまり症状が出ないのが特徴です。性交渉がなくても、お風呂やトイレなどで感染することがあります。
□外陰部のかゆみや性交痛も
女性の症状としては、外陰部のかゆみや性交痛などがあります。おりものは濃い黄色や緑色っぽい泡状になり、生臭いにおいになります。
カンジダ膣炎
外陰部の激しいかゆみがあり、カッテージチーズ状の白いおりものがたくさん出るのが特徴です。
デリケートゾーンのかぶれの治療法
デリケートゾーンがかぶれてしまった場合に、自分でできる対処法や、病院でうける治療について解説します。
1.市販薬は効く?成分ごとの効果・効能を解説!
軽度のかぶれなら有効
すぐにできる対策として市販薬があります。
市販薬の特徴はかゆみを抑制する働きを持つ成分が主成分となっていることです。
ですが市販薬はあくまで軽度のかぶれに対して有効です。
市販薬の成分ごとの効果・効能
- □リドカイン、ジフェンヒドラミン…かゆみ止め
- □アラントイン、グリチルレチン酸…かぶれ、炎症を抑制
- □イソプロピルメチルフェノール…殺菌作用
※製品ごとの使用方法を守り、数回使用しても症状が緩和、改善されない場合や、膣内のかゆみがある、かきむしるほどの激しいかゆみがある場合は、感染症が原因のことも考えられます。
そのような場合はすみやかに使用を中止し、レディースクリニックや婦人科の病院へ行き、診察を受けることをおすすめします。
2.病院でうけるデリケートゾーンのかぶれ治療
病院では、問診の後、内診、超音波検査などを行います。
内診
内診では、まず外陰部を洗浄しながら、炎症、できものの有無を調べます。
続いて、おりものやただれ、膣や子宮頸管を調べるため、クスコという器具を膣の中に入れて観察します。
そして細長い綿棒のようなものでおりものや細胞を採取し、クラミジア・淋病・子宮頸がんなどを調べます。
超音波検査
膣専用のプローペと呼ばれる細長い器具を膣内に入れ、子宮や卵巣の詳しい状態を調べます。
3.デリケートゾーンがかぶれたら…自分でできる対策
かきむしらない
かぶれの原因に関係なく、デリケートゾーンがかぶれてしまったら、かきむしらないことが重要です。
かきむしることで感染症にかかりやすくなってしまいます。
シャワーやウォシュレットを活用する
かぶれたと感じたときは、シャワーやウォシュレットのビデ機能を利用し、汚れや生理のときは経血を洗い流すようにしましょう。
乾燥が大切
水分が残ったままでは、その水分が原因でムレを生じやすくなります。
デリケートゾーンのかぶれを予防するために
1.ナプキンは常に清潔に
2~3時間を目安に交換する
デリケートゾーンがかぶれる時期として多いのは生理中です。
これはナプキンが大きく関係しています。
ナプキンや経血によりムレ、摩擦が起こります。経血は時間が経過するにつれ菌が繁殖しやすくなり、かぶれを引き起こすので、ナプキンは2~3時間を目安に替え、常に清潔に保つようにします。
2.自分の肌に合ったナプキンを使う
肌が弱い人はナプキンにもこだわって
ナプキンの質によってもかぶれを引き起こすことがあります。
肌が弱くかぶれやすい人は石油系素材のナプキンに反応してしまうことがあります。
コットン素材のナプキンや、布ナプキンを試して、自分の肌に合ったものを使用しましょう。
3.おりものの量が多い場合はおりものシートを活用する
生理中だけでなく、おりものが多い場合もかぶれにつながる可能性があります。
おりものシートをこまめに替えるようにし、デリケートゾーンを清潔に保ちましょう。
4.その他、デリケートゾーンのかぶれ予防のために出来ること
その他にも、デリケートゾーンのかぶれを予防するために、下記のことに気をつけましょう。
- 1.通気性や吸湿性に優れた綿素材のショーツを着用する
- 2.デリケートゾーンを圧迫するパンツやストッキング、ガードルなどの着用を避ける
- 3.夜に一日の汚れをしっかり落とす
- 4.デリケートゾーンはボディソープをつかってごしごし洗うのではなく、ぬるま湯でやさしく洗う
- 5.ストレスや疲労をためない
- 6.睡眠を十分にとる
まとめ
デリケートゾーンのかぶれにはさまざまな原因があります。ひどくなると、ふとした瞬間に気になってしまい仕事や勉強に集中できなくなったり、トイレのたびに気になったりと、日常生活に支障をきたしてしまうこともあります。
汗やムレ、締めつけなどが原因の場合は、自分で予防できることが多いです。
デリケートゾーンの症状は病院に受診するのをためらう人も少なくありません。しかし、悩んでいるのは自分だけではありません。病気の場合もあるので、症状が続く場合は医師に相談してみてください。
執筆・監修ドクター
経歴2007年 山梨大学医学部卒業
国際医療センター国府台病院で初期研修の後、日本医科大学麻酔科学講座に入局
2011年 皮膚科、美容皮膚科に転科
現在はGINZA Zen 禅クリニック院長に至る
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