男性に多い非淋菌性尿道炎とは?尿道に違和感…!症状や原因について
『非淋菌性(ひりんきんせい)尿道炎』は、おもに男性に発症する、性感染症です。
この記事では、非淋菌性尿道炎にかかるとあらわれる症状や、病院でどんな検査や治療を受けるのかについて解説します。
非淋菌性(ひりんきんせい)尿道炎とは
1.非淋菌性尿道炎ってどんな病気?
『非淋菌性尿道炎』は、『淋菌』以外の感染が原因の尿道炎の総称です。
性行為によって感染する、性感染症のひとつです。しかし、女性の場合は自覚症状がほとんどなく、おもに男性に発症します。
2.非淋菌性尿道炎の原因について
クラミジアやマイコプラズマなどの感染が原因
非淋菌性尿道炎は、先に解説したように、淋菌以外の菌の感染が原因です。
もっとも多いのは『クラミジア』で、全体の4割~5割を占めます。そのほか、『マイコプラズマ』や『レアプラズマ』、『トリコモナス』、『大腸菌』、『緑膿菌』、『ブドウ球菌』などが原因になります。
性行為や、免疫力の低下によって感染する
おもに、性行為によって感染します。原因となる菌は、女性の膣だけでなく、咽頭にも生息することがあるため、オーラルセックスも感染の原因になります。
ただ、性行為以外でも感染することがあります。体調を崩して、免疫力が落ち、尿道付近に常在している細菌から発症するケースもあります。
3.非淋菌性尿道炎の症状
まず、尿道に違和感や不快感を覚える
非淋菌性尿道炎にかかると、はじめに尿道の違和感や不快感を覚えます。
その後、排尿時の痛みやかゆみ、頻尿などが生じる
その後、排尿時の痛みやかゆみ、尿道からさらさらした膿が出る、頻尿などの症状があらわれます。
非淋菌性尿道炎の検査や治療
1.非淋菌性尿道炎が疑われたら…何科へ行くべき?
非淋菌性尿道炎を発症したら、『泌尿器科』を受診しましょう。
パートナーの女性も検査や治療をうける場合、女性は産婦人科の受診がおすすめです。
2. 非淋菌性尿道炎の検査方法
非淋菌性尿道炎の検査では、尿か尿道部分の分泌物を、顕微鏡で観察します。これにより白血球の有無を調べ、炎症が起こっているかどうかを確認します。
その後、遺伝子や菌を調べる検査をおこない、非淋菌性尿道炎であるかどうかを診断します。
3.非淋菌性尿道炎の治療
抗生物質の内服が一般的
非淋菌性尿道炎の治療は、それぞれの菌に応じた『抗生物質』の内服が一般的です。
薬の内服期間は、通常1~2週間ほどです。また、クラミジアの場合は、1回の服用で効果のみられる薬も登場しています。病院で医師としっかり相談し、自分に合った薬を選びましょう。
パートナーにも治療を受けてもらうことが大切
また、感染の原因となったパートナーがはっきりしていれば、パートナーにも治療を受けてもらうことが大切です。
4. 非淋菌性尿道炎は再発する?
非淋菌性尿道炎は、再発する可能性があります。
特に、マイコプラズマやウレアプラズマが病原菌の場合は、再発の可能性が高いです。
また、クラミジアが原因菌の場合は、再感染することはあっても、再発することはほとんどありません。
日常生活での注意点
1.非淋菌性尿道炎にかかったら…
非淋菌性尿道炎だと診断を受けたら、まず尿道のまわりを清潔に保つよう心がけましょう。
また、免疫力の低下を防ぐため、ゆっくり体を休めることも大切です。
2. 非淋菌性尿道炎にかからないための予防法
水分を多めにとり、排尿習慣をつける
水分を多めにとり、きちんと排尿習慣をつけるようにしてください。
「尿」というと汚いイメージを持つ人も多いかもしれませんが、健康であれば尿は無菌です。そのため排尿には、尿道に侵入した細菌を洗い流す作用があります。
尿道のまわりを清潔に!
非淋菌性尿道炎にかかった場合と同様に、尿道のまわりを清潔に保ってください。性行為のあとは、陰部を洗うだけでなく、排尿する習慣をつけることも予防になります。
下腹部を冷やさないようにする
加えて下腹部を冷やさないことも、予防につながります。細菌は低温の状態だと繁殖しやすく、同時に人間の免疫力は冷えにより落ちやすくなります。
3.不特定多数の人との性的接触は避ける
不特定多数の人と性的接触をもっていると、原因を突き止めづらく、ほかの人に感染を拡大させてしまうおそれがあります。
ほかの性感染症にかかるリスクも高まりますので、不特定多数の人と性的接触を持つことは避けましょう。
まとめ
非淋菌性尿道炎は、男性に多くみられる性病のひとつです。
一方、原因の約半数を占める「クラミジア」には、男女とも感染するおそれがあります。そのため、性別に関係なく性感染症には注意しましょう。
もし、非淋菌性尿道炎の発症が疑われる場合は、早めに病院を受診してください。そして、完治までしっかりと治療をしましょう。
執筆・監修ドクター
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