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しぇーぐれんしょうこうぐんシェーグレン症候群

更新日:2022/08/16 公開日:2019/01/28 view数:11,407

シェーグレン症候群とは?

シェーグレン症候群は、唾液腺や涙腺などの体液を分泌する腺に白血球が侵入することでおこります。白血球によって腺が傷つけられて、口の中や眼球が乾燥します。こうした症状は目や口に限らず、鼻や気管支などでもおこる可能性があり、粘膜が乾燥することで組織が炎症をおこすこともあります。

難病に指定されており、原因はわかっていませんが、関節リウマチなどと同様に自己免疫疾患ではないかと考えられています。また、その他の自己免疫疾患と合併しておこることがあります。

目次
  1. シェーグレン症候群の症状
  2. シェーグレン症候群の診療科目・検査方法
  3. シェーグレン症候群の原因
  4. シェーグレン症候群の予防・治療方法・治療期間
  5. シェーグレン症候群の治療経過(合併症・後遺症)
  6. シェーグレン症候群になりやすい年齢や性別
  7. 編集部脚注

シェーグレン症候群の症状

分泌腺の機能低下からくる眼や口の乾燥、嚥下困難、齲歯、口内炎などの症状が挙げられます。

また分泌腺以外の症状として、肺炎、関節炎、腎炎、皮疹、リンパ増殖性疾患など多彩な症状がみられることもあります。

シェーグレン症候群の診療科目・検査方法

緊急性はありませんが、リウマチ科を受診する必要があります。このほか、内科眼科歯科耳鼻いんこう科でも診療は可能です。

シェーグレン症候群は自己免疫疾患であり、約半数に他の自己免疫疾患の合併があり注意が必要です。

以下の4項目の中で2項目以上が陽性であればシェーグレン症候群と診断されます。

(1)口唇小唾液腺の生検組織でリンパ球浸潤がある。
(2)唾液分泌量の低下がガムテストなどで証明される。
(3)涙の分泌低下がシャーマーテスト、ローズベンガル試験などで証明される。
(4)血液検査で抗SS‐A抗体か抗SS‐B抗体(※4)が陽性である。

シェーグレン症候群の原因

何らかの自己免疫現象による外分泌腺の炎症が起きますが、その原因はわかっていません。

免疫異常に加えて遺伝的要因やウイルスなどの環境要因、さらに女性ホルモンの要因が考えられています。

シェーグレン症候群の予防・治療方法・治療期間

基本的に対症療法になります。

うがいや歯磨きなどの乾燥防止に加え、人工唾液やヒアルロン酸点眼、また唾液分泌誘発効果のあるセビメリン塩酸塩(ドライマウス改善薬)も使用されることがあります。

基本的には症状の続く限り生涯にわたって対症療法を継続することになります。

シェーグレン症候群の治療経過(合併症・後遺症)

現状ではシェーグレン症候群を治癒させる方法はありません。

したがって眼や口の乾燥症状を軽快させることや疾患の活動性を抑えて進展を防ぐことが治療方針となります。

シェーグレン症候群になりやすい年齢や性別

受診していない患者が相当数いると考えられるが、約10-30万人と推定されています。

男:女=1:17と女性が多い傾向があります。

罹患者は40‐69歳が76%を占め発症年齢は40?60歳代が多いがものの、小児から高齢者まで幅広く分布しています。

編集部脚注

※1 自己免疫疾患

自己免疫疾患は、「免疫システムが自分の身体を攻撃することで起こる病気」の総称です。

本来、免疫システムは外敵を攻撃するために存在します。
しかし、何らかの要因で、免疫システムが自分の身体を標的にする場合があります。
標的となった組織は免疫細胞の攻撃を受け、慢性的に炎症を起こします。

自己免疫疾患には「全身性自己免疫疾患」と「臓器特異的自己免疫疾患」の2種類が存在します。
全身の至るところに炎症が起きるのが「全身性自己免疫疾患」、特定の臓器・器官に炎症が起きるのが「臓器特異的自己免疫疾患」です。

※2 シャーマーテスト

シャーマーテストは、「涙の分泌機能を評価するための検査」です。

まず、患者さんの下まぶたに試験紙を挟みます。
5分後、試験紙に染みこんだ涙液量(涙の量)を評価します。
涙液量は「試験紙が何mmにわたり湿っているか」で測定します。

・10mm以上⇒正常
・5~10mmの間⇒グレーゾーン
・5mm以下⇒異常(=ドライアイ)

以上のような基準となっています。

シャーマーテストのほか、「シルマー試験」「シルメル試験」などと表記することもあります。

※3 ローズベンガル試験

ローズベンガル試験は、「赤い色素―ローズベンガルを点眼し、眼球(主に結膜)の状態を観察する検査」です。

ドライアイの場合、結膜に傷ができていることが多いです。
傷のある部分は染色されやすいので、「赤く染まるほど状態が悪い(=ドライアイが重症である)」と評価できます。

※4 抗SS-A抗体・抗SS-B抗体

抗SS-A抗体・抗SS-B抗体は、ともに「シェーグレン症候群と関連する自己抗体」です。

自己抗体は、「自分の身体を標的にする抗体」であり、自己免疫疾患の診断にあたって重要な意味を持っています。
血清検査において、抗SS-A抗体、抗SS-B抗体のいずれかが陽性であれば、シェーグレン症候群の診断をおこなう上で指標になります。

・抗SS-A抗体
⇒シェーグレン症候群の70~90%で陽性となります。
しかし、全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病など、ほかの自己免疫疾患でも高頻度で陽性です。

・抗SS-B抗体
⇒シェーグレン症候群の30~40%で陽性となります。
ほかの病気で陽性になりにくいので、「抗SS-B抗体が陽性=シェーグレン症候群」と推測することができます。
抗SS-B抗体が陽性の症例では、同時に抗SS-A抗体も陽性になります。

執筆・監修ドクター

大田 幹
大田 幹 医師 代々木上原駅前内科クリニック 院長 担当科目 内科/消化器内科/糖尿病内科/アレルギー科/リウマチ科

経歴東北大学医学部 卒業
東京大学大学院 博士課程終了
国際医療福祉大学 元准教授

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