白血球が少ない原因を解説!放置したら元に戻る?風邪をひきやすくなることも
【医師監修】
血液成分である白血球には、体を守る機能があります。
白血球の数が少ないということは、免疫力も低下していることを示しています。ですから風邪などにもかかりやすくなります。
また、白血球の数値が低くなる病気にかかっている可能性も考えられます。
体を守る機能がある白血球が少なくなると、風邪や食中毒にもかかりやすくなるだけでなく、ちょっとした風邪でも悪化しやすくなります。
何かしらの病気が隠れている可能性もあるので、しっかりと検査を行う必要があります。
この記事では、白血球が少ない時の体の状態やリスク、改善する方法について詳しくお伝えします。
白血球が少ない原因とリスクについて
1.白血球が少ないってどれくらい?
白血球は、体の外から侵入してきた細菌などの異物を排除する免疫機能に関与しています。
この白血球の基準値は、3200~8500μlです。
低い場合は2500μl以下、高い場合は9000μl以上あると異常とされています。
この数値が出た場合は、一時的に異常値が出ていることもありますが、何かしらの病気が隠れている可能性もあります。
病院でしっかりと検査を受け、必要に応じて治療を行う必要があります。
2.白血球が少ない原因
感染症にかかっている
白血球が少なくなるのは、さまざまな原因が考えられます。
白血球は体内に入った細菌やウイルスと闘って体を守っていますが、感染症にかかっている場合や、病原体の種類、症状の重さによっても白血球の数が減少することがあります。
白血球が少なくなる病気にかかっている可能性
また、感染症以外にも病気で白血球が少なくなることがあります。
自己免疫疾患である『全身性エリテマトーデス』『強皮症』『シェーグレン症候群』などの膠原病は、白血球を減少させます。
薬の服用によるもの
病気以外の原因で『抗がん剤』や『筋弛緩剤』『抗生剤』『抗けいれん剤』『甲状腺』のどの薬の服用でも、白血球が減少することがあります。人によっては、これらの薬以外でも白血球が減少することがあります。
原因となっている薬をやめれば、白血球の数は元に戻ります。
薬の作用と副作用を知った上で、医師と相談をしてみましょう。
あわせて読みたい
3.白血球が少ないことのリスク
白血球は体内で細菌やウイルスなどの外敵から体を守るために戦っています。
そのため、白血球が減少すると免疫力が低下し、風邪や食中毒などの感染症にかかりやすくなります。
また、感染のしやすさだけでなく、感染後悪化しやすくなります。
一般の人にとってはたいしたことがない風邪でも肺炎を引き起こしたり、場合によっては命の危険につながったりすることもあります。
あわせて読みたい
あわせて読みたい
「白血球が少ない」と言われた時の対処法
1.放っておいてもよい?
風邪や感染症が原因であれば自然と元に戻る
風邪や感染症などが原因で、一時的に白血球が少なくなっている場合は、感染症が治れば、白血球の数も自然と元に戻ります。
それ以外の疾患が原因となっている場合も、その原因となっている疾患が改善されると白血球も元に戻ることがほとんどです。
放置しても元に戻らなければ病気が隠れていることも
しかし、放置しておいても元に戻らない場合は、何かしらの原因が隠れている可能性が考えられます。
原因となる疾患が改善しても白血球の数が少ない場合は、すぐに病院を受診し、再度検査を受けるようにしましょう。
2.再検査について
健康な人でも基準値から外れる場合もあるため、異常値が出ても特に原因となる疾患が見つからない場合は、後日再検査を行い、数値を確認します。
再検査は一般的な内科でも行われますが、必要に応じて血液内科で行います。
血液内科とは『白血球』『赤血球』『血小板』を作っている骨髄などに関係ある病気の診断や治療を行う専門機関です。
検査では、血液を採取して血液中の数値を測定します。
3.白血球が少ない時の自分でできる対処法
うがいや手洗いなどの徹底
白血球が少ないと判断された場合、免疫力が低下しており、風邪や中毒などの感染症にかかりやすい状態になっています。
通常以上に、うがいや手洗いなどを丁寧に行い、感染には気を付けましょう。
生ものは控える
また、食中毒にも気を付けた方がいいので「生もの」などの摂取もできるだけ控えましょう。
外出時はマスクを着用する
身の回りを清潔に保ち、外出時はマスクを着用して人ごみをできるだけ避けましょう。
まとめ
白血球が基準値よりも少ないと言われると、何らかの病気ではないかと不安になるかもしれません。
しかし、健康な人でも一時的に基準値から外れることはあるので、慌てずに再度検査を受けてみましょう。
ただ、白血球が少なくなっている時は、免疫力が低下しているということなので、特に病気などが見つからなかったとしても、風邪などの感染症や食中毒にかかるリスクは高まります。
人ごみはできるだけ避け、手洗いやうがいを徹底し感染に注意しましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
関連コラム
「白血球が少ない原因を解説!放置したら元に戻る?風邪をひきやすくなることも」以外の病気に関するコラムを探したい方はこちら。
関連する病気
「白血球が少ない原因を解説!放置したら元に戻る?風邪をひきやすくなることも」に関する病気の情報を探したい方はこちら。