ひとつのIDでさまざまな施設の順番待ち・予約が可能

EPARKグループ

夜間・休日に電話1本で医師がご自宅へ

急な発熱時など往診(自宅で診察・処方)の無料電話相談を受付しています。

0066-98090-0345523(無料電話相談)

夜間・休日に電話1本で医師ご自宅へ

今すぐ電話する無料電話

じんぞうがん腎臓がん

更新日:2022/08/09 公開日:2019/11/22 view数:8,488

腎臓がん(じんぞうがん)とは、腎臓にできるがんの総称です。腎臓の中でも尿をつくるための部分を腎実質といい、この腎実質の細胞ががん化したものが腎細胞がんです。尿を溜める部分にあたる腎盂(じんう)にできる腎盂がんは、腎細胞がんとは性質が違うため尿管にできるがんと合わせて「腎盂・尿管がん」として分けて考えられます。ここではおもに腎実質がんについて説明します。
腎臓がんは初期症状がほとんどありません。そのため初期に発見することが難しいがんです。がんが大きくなると血尿、背中や腰の痛み、おなかの異物感(しこり)、発熱、体重減少、貧血などの症状があらわれます。

放射線や抗がん剤による治療はあまり効果がありません。そのため、手術による腎臓摘出が基本的な治療法です。現在は開腹手術のほかに、これよりも体への負担が少ない腹腔鏡を使用した手術やロボット支援手術などがあります。また、小さなサイズのものであれば、腎臓を温存した手術などもあります。

喫煙などの生活習慣や肥満、毒性の化学物質に触れる機会が多いなどで発病リスクが高くなると考えられています。また遺伝的要因も原因ではないかと考えられています。

目次
  1. 腎臓がんの症状
  2. 腎臓がんの診療科目・検査方法
  3. 腎臓がんの原因
  4. 腎臓がんの予防・治療方法・治療期間
  5. 腎臓がんの治療経過(合併症・後遺症)
  6. 腎臓がんになりやすい年齢や性別

腎臓がんの症状

初期には症状がほとんどありません。がんの進行に伴って血尿、発熱、背中や腰の痛み、食欲不振、体重減少、腹部腫瘤(しゅりゅう)、貧血、足のむくみなど腎臓にかかわる症状があらわれます。腫瘍が大きくなるにつれて症状は大きくなり、腫瘍は他の臓器へ広がる(浸潤)ことがあります。

また、腫瘍が小さければ腎実質にとどまっています。これが大きくなると尿路を侵害し、血尿があらわれます。血尿は初期であれば顕微鏡で確認できるといった程度ですが、がんの進行によって褐色の尿として目視できるようになってきます。

腎臓がんの診療科目・検査方法

泌尿器科を受診します。超音波(エコー)検査や胸部CT検査など画像検査をおこないます。CT撮影は造影剤を使用しておこなうことが推奨されています。しかし、患者さんが造影剤を使用できない事情がある場合はMRI検査をおこないます。腫瘍の大きさや隣接臓器への浸潤、他臓器への転移などを確認します。

腎臓内の血管の状況などを3D画像で再現する3D-CT検査、骨への転移の疑いがある場合には骨シンチグラム検査、遠隔臓器の状態を確認するPET検査をおこなう場合があります。画像診断で確定できない場合は、針で組織を直接採取する生体検査をおこない、組織を調べてがんの悪性度を調べます。

このほか、採血検査によって腫瘍マーカーとなる腎臓がんにかかわる物質の量を調べます。ただし、腎細胞がんに対しての腫瘍マーカーは今のところありません。

腎臓がんは初期の自覚症状がほぼありません。しかし早期発見が治療経過や予後を大きく左右します。

現在のところ、症状の無い状態で腎臓がんを発見するには保険適用外である人間ドック以外の選択肢が無いのが実状です。

腎臓がんの原因

どのようにして腎臓がんを発症するかは解明されていません。発症のリスクを上げるとされる要因については研究が進んでいます。喫煙習慣やBMI値が30kg/㎡以上の肥満がある人は、発症リスクが2~4倍であるという研究結果が出ています。ほかにも赤身肉の接種量が多いこともリスクとなります。現在、これらとともにリスク要因としてあげられているのは高血圧、腎疾患、ウイルス性肝炎などです。

職業にかかわるリスクとしては有機溶剤やカドミウム、アスベストなどを頻繁に扱う人にも発症リスクが高くなる傾向があります。

遺伝的要素についても研究されています。遺伝性疾患のフォン・ヒッペル・リンドウ病や後天性嚢胞腎(のうほうじん)は高率で腎臓がんを発症する傾向にあります。

腎臓がんの予防・治療方法・治療期間

腎臓がん治療は手術によってがんを切り取ることが基本です。転移していない4cm以下のがんであれば、臓器の一部を残しておく腎部分切除術が選択できます。しかし、これより大きいがんに対しては腎臓をすべて切り取る根治的腎摘除術を選択します。

内視鏡技術が進歩したことで、開腹をおこなわない腹腔鏡手術のほか、ロボット工学を駆使した超ハイテク手術もおこなわれています。しかし、これらをおこえない場合もあります。

手術以外では部分的に腫瘍を壊死させる方法や、液体窒素でがんを壊死させる凍結療法もあり、保険診療として実施できます。また、ラジオ波をがんに照射してがんを焼く方法もあります。

放射線治療や化学療法は腎臓がん自体には効果がありません。しかし転移がおきている場合はこれを用います。腎臓がんに多い肺への転移では、転移したがんは可能な限り切除し、不可能な場合は抗がん剤を使用します。しかし、高血圧、疲労、下痢、手足の皮膚炎といった副作用を伴います。

入院に要する期間は開腹手術の場合であれば7日程度、腹腔鏡手術の場合は5日程度です。

腎臓がんの治療経過(合併症・後遺症)

腎臓がんの予後は治療開始時のがんの進行状況により変わってきます。いわゆる初期とされるステージⅠであれば5年生存率は90%前後とされています。しかし症状が進行していくと低下し、末期とされるステージⅣでは20%前後とされています。

がんが全摘出できた場合も定期的な検査は継続する必要があります。腎臓がんは術後10年経過した後に再発する例も多くみられます。

腎臓摘出後も食事や性生活に制限はありません。飲酒は退院後1ヶ月で可能になります。しかし、過度に負荷がかかる運動などは控える必要があります。

腎臓がんになりやすい年齢や性別

腎細胞がんにかかっている人の割合は10万人あたり約6人といわれています。これはがん患者さん全体の約1%に相当します。

多くのがんと同様に50代から罹患者が増え始め、高齢になるほど増加する傾向にあります。また女性よりも男性に比較的多くみられます。

かつては治療の難しいがんでしたが、医療の進歩により治療可能な症例も増える傾向にあります。一方で、発症数も上昇傾向にあります。

執筆・監修ドクター

陶山 俊輔
陶山 俊輔 医師 陶山クリニック 院長 担当科目 泌尿器科

経歴2005年3月  久留米大学病院医学部 卒業
2005年4月  福岡新水巻病院 初期研修
2007年4月  久留米大学病院 泌尿器科 入局
       久留米大学病院 泌尿器科 助教
2008年10月 大牟田市立病院 泌尿器科 医員
2010年4月  久留米第一病院 泌尿器科 医員
2010年10月 久留米第一病院 泌尿器科 医長
2013年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、教育連絡主任
2015年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、外来医長
2018年5月  陶山クリニック開院

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
コメント(オプション):

関連する病気

腎臓がん以外の病気に関する情報を探したい方はこちら。

関連カテゴリ

腎臓がんに関連するカテゴリはこちら。