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ぱーそなりてぃしょうがいパーソナリティ障害

じんかくしょうがい人格障害
更新日:2022/08/09 公開日:2020/01/24 view数:15,978
目次
  1. パーソナリティ障害とは
  2. パーソナリティ障害の症状
  3. パーソナリティ障害の診療科目・検査方法
  4. パーソナリティ障害の原因
  5. パーソナリティ障害の予防・治療方法・治療期間
  6. パーソナリティ障害の治療経過(合併症・後遺症)
  7. パーソナリティ障害になりやすい年齢や性別

パーソナリティ障害とは

パーソナリティ障害は、認知や行動の特性が一般的な尺度とはかけ離れていることによって社会生活の中で大きな障害になっていることをいいます。
別名を「人格障害」ともいいますが、決して性格が悪いとか個性などの一般的な解釈にはあてはまりません。

誰でも、自分のパーソナリティ(人格)があって、個人個人の見方で考えて行動しています。それは他者とは微妙に異なり、しばしば「あの人らしい」と、個性の意味で捉えられます。

しかし、パーソナリティ障害の場合は、「個性の違い」がその人の属する世界での許容範囲を超えて極端だったり柔軟性に欠けていたりします。そのため他者と人間関係を築くことにストレスを感じ、問題に対処することが困難になります。
その結果、本人と周囲の人が悩んだり苦しんだりします。その一方で本人は自分の思考や行動に問題があることを認識していないことが多いのも特徴です。

患者さんと医療関係者が協力して問題を徐々に解決していくことで改善する見込みはあるとされています。

パーソナリティ障害の症状

パーソナリティ障害は、以下の大きく6つのタイプに分類されます。

統合失調症型パーソナリティ障害

このタイプでは他人への興味が希薄で1人でいることを好むため、人間関係を築くことがなかなかできません。

他人を信頼することもできず社会的に引きこもり精神的に孤立しています。さらに、妄想など奇妙な思考を抱くことがあり、疑り深くなり不信感や被害妄想にとらわれたりします。

統合失調症の症状に似た部分もあります。

境界性パーソナリティ障害

多くは青年期、成人期初期にあらわれます。他者が自分に気をかけていないように思えると強烈に反応し、強い不安や怒りに支配されることがあります。

それはときに自分自身に向かい、自分で自分を傷つける自傷行為をすることもあります。

生育環境の影響を受けて発症したと考えられることも多く、子供の頃に育児放棄や虐待を経験している人が多いといわれています。見捨てられた、孤独だという思いにとらわれると現実感の消失がおき、衝動的になって無謀な行動をおこす危険性があります。

反社会性パーソナリティ障害

このタイプの人は、他者を理不尽に軽視し侵害することが多く、しばしば思慮に欠けた攻撃的な行動がみられます。

また、個人的な利益や満足感を得るために他人を利用し、侵害することもあり、それが犯罪に結びつくこともあります。アルコール依存、薬物依存、および無謀な性犯罪をおこしやすいこともわかっています。女性より男性に約6倍多く生じるとされています。

自己愛性パーソナリティ障害

自己に対する過大評価と自己愛から他人を軽視し、周囲の注目や賞賛を求めます。

他人からの批判的な言動にはひどく敏感で、それが引き金となって抑うつを招くこともあります。

回避性パーソナリティ障害

このタイプは、自意識過剰が極端に強く、それゆえに人とのかかわりにおいて不安や緊張がつきまとっています。

愛されたい、受け入れられたいという強い自覚的な欲求がありますが、他者から嫌われたり、裏切られたりすることを極度に怖れます。

周囲からの拒絶や失敗を恐れるあまり対人関係を回避してしまう傾向があります。

強迫性パーソナリティ障害

いわゆる完璧主義です。秩序や規律欲求にとらわれていて柔軟性を欠き、変化を嫌います。

生真面目な人が多いのですが、ミスを容認できず、細部にとらわれすぎて結果的に仕事が遅れたり、完了しなかったりすることが多くなります。


パーソナリティ障害の診療科目・検査方法

パーソナリティ障害の診断は精神科心療内科で受けられます。病院に行くのは抵抗があるが、相談はしたいという場合は、保健所などの相談窓口で相談にのってもらえる場合もあります。

診断は、面談や心理テストなどをおこないます。

症状の変化を把握する必要もあるため、本人だけでなく患者さんの家族や、生活環境のなかでかかわりのある人からの情報も重要です。複数回の面談が必要になります。特定のパーソナリティ障害の診断は、精神障害のパーソナリティ特性の診断基準に基づいて診断をおこないます。

アメリカの「精神疾患の診断と統計マニュアル」では、診断基準が以下にあげられます。

  • 症状欄にあげたような考えのあり方や行動の特性が長期的に持続して続いていること
  • 社会的、職業的、重要な対人関係面での機能の障害をひきおこしていること
  • 青年期または成人期早期から生じていること
  • ほかの精神疾患と区別できる
  • 薬物や頭部外傷などほかの要因による生理的作用ではない

パーソナリティ障害の原因

原因は明らかになっていません。

生育環境や発達期の苦痛をともなう体験などが大きな影響するといわれています。

生物学的な要因も考えられています。たとえば衝動的な行動パターンは、中枢神経系をコントロールするセロトニンをうけとったり放出したりする神経にかかわる機能の低下が関係していると考えられています。

パーソナリティ障害の予防・治療方法・治療期間

主に心理面に働きをかける精神療法が治療の中心になります。

精神療法には、個人療法、家族療法、集団療法などさまざまな形態があります。それらを組み合わせて、患者さんに問題認識を深めてもらい、感情や思いを整理するなどといった作業をしていきます。

日本ではまだ短期間での精神療法プログラムが普及しておらず、ある程度の治療期間は必要ですが、日常生活でも問題点に対する対処法を積み重ねていくことで改善を期待することは可能です。

症状によっては、向精神薬や気分を安定させる薬剤などを使用することもあります。
薬物治療は対症療法であり、根本の治癒にはなりませんが、パーソナリティ障害によって引きおこされる抑うつ、不安、パニック発作、不眠、自傷、気分障害、自殺企図などに対して有効な場合があります。

パーソナリティ障害の治療経過(合併症・後遺症)

パーソナリティ障害からの回復には、周囲のサポートは必要不可欠です。

周囲がパーソナリティ障害を正しく理解し、本人の性格の問題ではないことを理解する必要があります。

治療のきっかけは抑うつやパニック発作、不眠など気分不快に関して助けを求めて受診することがほとんどです。

本人が診断を受け入れ、治療に取り組む姿勢が必要ですが、患者さん自身が本格的に問題に取り組むまでに、準備期間を長く必要とすることもあります。

周囲の人はそれを責めたり追い詰めたりせず、見守る配慮も大切です。

パーソナリティ障害になりやすい年齢や性別

2008年の都立松沢病院精神科の報告によれば、それまでの25年でパーソナリティ障害の入院患者の男女差は2:1から1:1へと変化したとしています。

また、1986年~2006年のパーソナリティ障害による入院の平均年齢はおよそ36~37歳でした。発症年齢は青年期以下であっても、受診や治療の開始が遅れることが多いこの病気の性質があらわれています。

執筆・監修ドクター

信田 広晶
信田 広晶 医師 しのだの森ホスピタル 理事長 担当科目 心療内科/精神科

経歴昭和61年3月  青山学院大学文学部教育学科心理学専修コース卒業
平成6年3月  東邦大学医学部卒業
平成6年4月  東京女子医大病院で臨床研修を終え、
        東京女子医大精神神経科入局
平成8年7月  武蔵野赤十字病院心療内科勤務
平成11年10月 しのだの森ホスピタル入職

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