ひとつのIDでさまざまな施設の順番待ち・予約が可能

EPARKグループ

夜間・休日に電話1本で医師がご自宅へ

急な発熱時など往診(自宅で診察・処方)の無料電話相談を受付しています。

0066-98090-0345523(無料電話相談)

夜間・休日に電話1本で医師ご自宅へ

今すぐ電話する無料電話

せんてんせいじろうこう先天性耳瘻孔

更新日:2022/08/10 公開日:2019/05/23 view数:33,678

先天性耳瘻孔(せんてんせいじろうこう)とは、生まれつき耳の孔の前あたりに小さなくぼみや孔が出来ることをいいます。先天性耳瘻孔(せんてんせいじろうこう)は生まれつき耳介またはその周辺に、小さな穴(瘻孔)がある状態のことをいいます。一番多いのが前耳輪部で耳輪脚基部や耳前部にも発生する。この瘻孔は胎生期に耳の組織がきちんと作られなかったためにおこります。耳が作られる過程は複雑であり、いくつもの部位があわさることで完成します。こうした過程の中で異常が発生することが原因と考えられており、それぞれの部位のあわさる部分の異常によって瘻孔が生じる部位が決まるとされています。

この瘻孔は日本人の1〜14%にあるといわれています。耳瘻孔は、片方の耳だけの場合や、両耳でみられることもあります。症状がない場合は、治療する必要はありません。

赤く腫れる、膿が出るなど炎症をおこしている時は治療する必要があります。感染を繰り返す場合には手術で摘出したほうが良いこともあります。

目次
  1. 先天性耳瘻孔の症状
  2. 先天性耳瘻孔の診療科目・検査方法
  3. 先天性耳瘻孔の原因
  4. 先天性耳瘻孔の予防・治療方法・治療期間
  5. 先天性耳瘻孔の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 先天性耳瘻孔になりやすい年齢や性別

先天性耳瘻孔の症状

何も症状がないまま経過することもあります。

あらわれる症状としては、

  • 穴から悪臭のある白い物質が出る
  • 穴の周囲が赤く腫れる
  • 膿が出てくる

などです。

瘻孔を触ってしまったり、汗をかいてぬれた状態を放置すると炎症や感染を生じるリスクとなります。そのため汗をかく夏場は注意が必要です。感染を引きおこすと膿が出て痛みを伴います。

何度も感染を繰り返す場合があります。繰り返していると瘢痕化(はんこんか)して硬くなります。感染を繰り返す場合には手術で摘出することを検討します。

通常は瘻孔の大きさは縫い針の孔程度です。しかし感染を繰り返すことで瘻孔の開口部が開大していることもあります。多くの場合、耳の上前部にできますが、瘻孔が耳介軟骨まで伸びている場合もあります。
瘻孔の開口部の下には袋状のものが隠れていて、白い泥状の分泌物がたまると自然に出てくることがあります。

先天性耳瘻孔の診療科目・検査方法

主に耳鼻いんこう科や、形成外科で診断されます。

「視診」といって、医師が肉眼で耳の状態を確認します。瘻孔の中に、臭いを伴う分泌物があるかどうかを確認したり、耳孔の周辺を押して分泌物が出るかどうか確認したりします。手術が必要な場合には、特別な検査は必要なく、小児で安静が保てない症例など全身麻酔で手術をする場合には心電図や胸部レントゲンなどを調べます。

耳や、耳の周辺から分泌物が出たり、痛みがあったりする場合には、医療機関を受診することが大切です。重症化すると手術で摘出しなければなりません。早い段階で受診するように心がけましょう。

先天性耳瘻孔の原因

胎児の段階で耳が形成される際、うまく形成できずに小さな隙間ができてしまうためにおこります。

耳は、第一鰓弓(さいきゅう)と第二鰓弓という耳の元になる構造から生じる6つの部位が癒合することで形成されます。これらの原基(げんき)がうまく癒合できないことが原因でできます。

これには遺伝的要素も考えられています。

両親のどちらかに耳瘻孔がある場合、生まれてきた子どもにも瘻孔が存在する可能性があります。

先天性耳瘻孔の予防・治療方法・治療期間

何も症状がなければ、放置しておいてもかまいません。その場合は感染をおこさないように、瘻孔の周辺を清潔に保つようにしましょう。

感染をおこした場合は、初期の段階であれば抗生剤や消炎剤で治療します。炎症がひどくなり、内服薬で効果がない場合には、切開して膿を出します。感染がおさまり1~3ヶ月ほど経過してから炎症が鎮静化しているのを確認してから、袋ごと瘻孔を摘出する手術を検討します。

成人や安静を保てる小児であれば、局所的に麻酔を使って外来で摘出手術が可能です。1時間程度で終わります。
安静の保てない小児は全身麻酔でおこなうため1泊2日の入院加療となることが多いかと思います。退院後は創部の確認、抜糸を外来でおこないます。

先天性耳瘻孔の治療経過(合併症・後遺症)

炎症をおこしていない場合は軽症であり、予後も良好です。
何度も炎症を繰り返している場合は手術を検討しますが、日帰りでも手術が可能なことも多く、命にかかわることは少ないです。

炎症を繰り返し生じていた症例は、瘢痕化していることが多く、瘻孔の下の袋が周囲の組織と一体となっており摘出が困難なことがあります。袋が残ってしまうと術後に再発してしまうことがあります。

先天性耳瘻孔になりやすい年齢や性別

明確な統計は出ていませんが、人種による違いも報告されており、白色人種で0.9%程度、有色人種で5.2%の頻度とされています。また本邦の報告では1〜14%となっています。

特に珍しい病気ではなく、性差も特にありません。
乳幼児から成人、あらゆる年齢層で確認されます。

執筆・監修ドクター

水島 豪太
水島 豪太 医師 水島耳鼻咽喉科 副院長 担当科目 耳鼻いんこう科

経歴2009年に日本大学医学部を卒業。初期研修課程終了後、東京医科歯科大学耳鼻咽喉科へ入局。東京医科歯科大学付属病院や土浦協同病院などの市中病院で研鑽を積み、カリフォルニア大学サンディエゴ校へ留学。
2016年7月より医療法人社団則由会AGAヘアクリニックを院長として開院すると同時に水島耳鼻咽喉科副院長に就任。

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
コメント(オプション):

関連する病気

先天性耳瘻孔以外の病気に関する情報を探したい方はこちら。

関連カテゴリ

先天性耳瘻孔に関連するカテゴリはこちら。

関連コラム

「先天性耳瘻孔」に関するコラムはこちら。