ひとつのIDでさまざまな施設の順番待ち・予約が可能

EPARKグループ

こうしんこうがいれつ口唇口蓋裂

更新日:2022/09/27 公開日:2019/12/27 view数:4,693
目次
  1. 口唇口蓋裂とは
  2. 口唇口蓋裂の症状
  3. 口唇口蓋裂の診療科目・検査方法
  4. 口唇口蓋裂の原因
  5. 口唇口蓋裂の予防・治療方法・治療期間
  6. 口唇口蓋裂の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 口唇口蓋裂になりやすい年齢や性別

口唇口蓋裂とは

口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)とは、口唇や口の中の天井部分にあたる口蓋、歯茎などの組織が欠損している先天的な裂(れつ:裂け目)の疾患です。

しっかりくっつかない癒合不全(ゆごうふぜん)をおこしていること場合もあります。妊娠初期の胎児が発育段階で、発見されることもあります。

裂の見られる部位や程度により、さまざまに分類されています。

なぜおこったのか特定できないケースが多く、遺伝や環境的な要因など、いくつかの要因が絡まりあうことで発症すると考えられています。

治療の方法は状況によって異なりますが、出生時から18歳頃までにかけておこなわれ、小児科形成外科耳鼻いんこう科歯科などによる連携したチーム医療が必要となります。

成長に合わせ長期にわたる治療が必要になるため、患者さんやその家族にとっての負担は大きなものとなります。

しかし治療をおこなうことで、多くの子どもがほかの子どもと変わらない生活を送ることが可能です。

口唇口蓋裂の症状

口唇口蓋裂は、口唇や上あご、口蓋に裂け目が確認されます。

「上の唇くちびるに軽いくびれがある」程度から、「上の唇だけでなく歯茎にも裂け目がある」「鼻の変形」「鼻と口の境目がなくつながっている」など、状態はさまざまです。

こうした状態によって、乳首を圧迫する力が弱いために、母乳やミルクをうまく飲めない「哺乳障害(ほにゅうしょうがい)」がおきます。

また、上あごの成長不良によって歯並びに異常が生じ、うまく噛めなくなり、食べ物が摂りにくくなる摂食障害をおこしすます。

さらに見た目に関する障害や、鼻とのどをふさぐ弁の機能不全による「発音障害」をおこすこともあります。

また、中耳炎になりやすいなどの症状も見られることがあります。

指が多い多指症、心室中隔欠損症など心臓の異常、副耳など耳の形態異常、粘膜下の筋肉や骨の異常などほかの合併症を伴っていることもあります。


口唇口蓋裂の診療科目・検査方法

口唇口蓋裂は、出生前の妊婦健診時などに超音波検査でわかることもあります。

そうしたケースでは、出生後すぐに、合併症の有無、治療を含めた全身検査がおこなわれます。

小児科形成外科耳鼻いんこう科歯科など、多種にわたる診療科と専門家によるチーム医療が重要となります。

出生直後から、さまざまな診療科目にまたがっての検査が必要となります。

母子の負担を最小限にするためにも、診療科目及び専門家が整った医療機関で出産を備えることが、その後の治療を円滑にします。

3~4歳前後に歯並びや咬み合わせの評価をし、状態によっては治療にすすみます。

また、口蓋裂では4歳頃にレントゲンや内視鏡で発音に関する検査をします。検査によって発音訓練が必要か、また口蓋の2次手術が必要か診断されます。

この検査は16歳頃まで2~3年ごとにおこない、正しく発音がなされているかチェックします。

患者さんによっては年齢とともに発音の悪化、歯並びの崩れがあらわれることもあるので、半年から1年に一度、定期検診を受けます。

口唇口蓋裂の原因

口唇口蓋裂の原因を特定できるケースはあまりありません。遺伝的、環境的ないくつかの要因が絡み合って発症すると考えられています。

環境的な要因としては、妊娠中にあったアルコール、喫煙などの習慣や、なんらかの薬物、放射線、感染症などによる影響、口唇、口蓋が形成される時期の胎内環境などが考えられます。

遺伝については親からの遺伝だけでなく、遺伝子の変異なども要因のひとつとして考えられています。

口唇口蓋裂の予防・治療方法・治療期間

口唇口蓋裂の治療期間は、出生直後から始まり、状況によって18歳くらいまでと長期にわたる場合があります。定期的な受診を継続し、発達や成長に合わせて必要な手術をおこなっていきます。

出生直後は哺乳障害について診察します。上あごや唇の裂から空気が漏れるために哺乳能力が十分でないことがあるためです。

その場合、自律能力も慎重に考慮した上で、哺乳量、哺乳時間、体重増加の様子から哺乳障害の有無や程度を診断します。

そして必要であれば専用の哺乳用品と、口の中の型に合わせプラスチックで作る「哺乳床」を使い、哺乳障害を補います。

「哺乳床」は成長に応じて頻繁に作り変える必要がありますが、裂のある上あご部分を覆うことにより、吸啜(きゅうせつ:口を動かして母乳を吸う動き)と乳首圧迫の効果を増大させるのに有効です。

初回の手術は、生後3、4カ月頃を目安に全身麻酔下で口唇形成術がおこなわれます。

体重が6キロを超え、体力がついてくるということ、出生直後ではわからなかった合併症などの詳細な検査結果が得られることから、この時期におこなうことが望ましいと考えられています。

1~2歳頃の、発語が増えてくるタイミングに合わせて、口蓋形成術がおこなわれます。これは鼻と口の裂け目を閉じ、良好な発声ができることを目的とした手術です。

3~4歳頃には、生えそろった乳歯の歯並びや咬み合わせを見て、場合によっては歯科矯正治療をおこないます。

7~9歳頃には、永久歯が生える頃に合わせて、顎裂部骨移植術(がくれつぶこついしょくじゅつ)がおこなわれます。これは、自分の腰の部位などの骨を顎裂部に移植し、上あごの骨を作る手術です。

8~10歳頃になると、歯茎に割れがある場合は上あごに骨を移植して、歯並びの崩れを防ぐ手術をおこなうことがあります。

成長にしたがって口唇のひきつれや鼻の形態の変化があれば、口唇・鼻修正術がおこなわれます。

顔の成長が終わった16~18歳頃に本人の希望があれば、唇や鼻の修正をおこないます。

口唇口蓋裂の治療経過(合併症・後遺症)

口唇口蓋裂は、適切な年齢の時期に成長に応じた治療をしていけば、ほかの子どもと変わらない生活を送っていけるでしょう。

そのためには、大人になるまで定期的な検診が必要です。かかりつけ医に相談しながら成長をサポートしていきます。

気をつけなければならないことは、虫歯を作らないことです。

上あごの幅を広げる、上あごを前方に成長させる矯正装置をつける時期がありますが、矯正装置は虫歯や歯肉炎を引きおこしやすいので、虫歯があると矯正装置がつけられなくなります。

また、上あごの前方の骨まで割れている口蓋裂や唇顎口蓋裂(しんがくこうがいれつ)では、手術後、小さな穴ができることがあります。

発音に支障がなければそのままにしておきますが、歯の矯正によって穴が大きくなる場合があります。

それによって、将来的に再び形成手術が必要になることもあります。

口唇口蓋裂になりやすい年齢や性別

口唇口蓋裂は、現在約500~600人に1人程度の頻度で生まれるとされており、先天的におきる病気の中ではかなり多く見られるもののひとつです。

男女差はほぼありませんが、わずかに男児に多いとされています。

執筆・監修ドクター

菊地 由利佳
菊地 由利佳 医師 医師 担当科目 歯科

経歴2013年 日本歯科大学新潟生命歯学部 卒業
     新潟大学医歯学総合病院にて研修
     都内歯科医院にて勤務

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
コメント(オプション):

関連する病気

口唇口蓋裂以外の病気に関する情報を探したい方はこちら。

関連カテゴリ

口唇口蓋裂に関連するカテゴリはこちら。