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こうくうせいちゅうじえん航空性中耳炎

更新日:2022/08/10 公開日:2019/04/27 view数:10,315

急激な気圧の変化に伴い、中耳に障害が生じた場合を中耳気圧外傷といいます。
飛行機によるものや、潜水によるものなど気圧の急激な変化により、中耳の鼓室の圧力が変化することで、中耳に炎症をおこす症状です。
その中でも飛行時に生じた中耳気圧外傷を航空性中耳炎(こうくうせいちゅうじえん)といいます。

気圧の変化による耳の異常は誰しも感じますが、いつまでも痛みや耳鳴りがある場合は中耳気圧外傷の可能性があります。
こうした症状は旅客機の乗務員も例外ではなく、飛行機に乗る機会のある人には誰しも起こりうる症状です。
特に風邪をひいていたり、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎で鼻が詰まっていたりする場合は、発症するリスクが高くなります。
中には鼻腔内に腫瘍があり、耳管を圧迫するために強く症状が出て何度も中耳炎を発症しているケースもあります。

航空性中耳炎は予防することも重要です。
鼻の詰まりがある場合には、飛行機へ搭乗する際にはアドレナリンを含む点鼻薬を用意して鼻の通りをよくする、耳抜きにより、鼓室(こしつ)の圧力をコントロールするなどです。
乳幼児の場合はアメをなめさせたり、飲み物を少しずつ飲ませたりする方法も有効です。


目次
  1. 航空性中耳炎の症状
  2. 航空性中耳炎の診療科目・検査方法
  3. 航空性中耳炎の原因
  4. 航空性中耳炎の予防・治療方法・治療期間
  5. 航空性中耳炎の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 航空性中耳炎になりやすい年齢や性別

航空性中耳炎の症状

航空性中耳炎の症状は、耳痛、耳閉感、難聴などが主症状であり、急性中耳炎と同様の症状がおこります。
中にはめまいや耳鳴りをおこす場合もあります。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎があると発症しやすく、鼻や副鼻腔にも炎症を生じる航空性副鼻腔炎もあります。

発症しやすいのは航空機の離陸時や上昇時よりも下降時や着陸時に多く、痛みも強い傾向にあります。

航空性中耳炎の診療科目・検査方法

耳鏡による診察やチンパノメトリーによって鼓膜の動きを確認します。

航空性中耳炎を繰り返している、あるいは耳管機能の働きが悪い場合には、事前に音響法や耳管鼓室気流動体法を用いて、発症を予測することができます。

降機後にすぐ改善するような一時的なものと判断できる場合は受診の必要はありません。
何時間も耳が痛いなど症状が長く続く場合は中耳炎を発症している可能性があるため耳鼻いんこう科を受診する必要があります。

航空性中耳炎の原因

高度差による気圧の変化で鼓膜や鼓室に圧力がかかり、それをきっかけに中耳炎を発症するのが航空性中耳炎です。

高度の変化によって、鼓室内圧が変化することが原因です。
飛行機に搭乗時、上空の気圧は高度1万メートルであれば地上の1/4程度です。
旅客機は機内に圧縮空気を送ることで圧力を調節しているが地上よりは低いです。
鼓室の内圧は上昇時に低下するので鼓膜を外側に伸展させ、下降時は気圧が上昇することで鼓膜を収縮させます。
こうした変化がきっかけで中耳に炎症をおこすのが航空性中耳炎です。

人間は耳管を通して内圧を調整しているが、鼻の詰まりなどが原因で耳管がふさがっていると中耳の圧を調整することができなくなることで中耳外傷をおこします。

慢性副鼻腔炎アレルギー性鼻炎、風邪、耳管狭窄症などが誘因となります。

飛行機の搭乗だけでなく、高度差のあるエレベーターや登山なども誘因となります。
また操縦士や客室乗務員のような日常的に航空機に乗る人でも発症する可能性があります。


航空性中耳炎の予防・治療方法・治療期間

もし航空性中耳炎になってしまった場合は、一般的な中耳炎と同様の治療が行わます。
軽症の場合には耳管通気や内服加療を行います。
重症の場合は鼓膜切開などの手術を行う場合もあります。
また上咽頭病変など耳管閉鎖の原因がある場合には、その原疾患の治療も行います。

しかし、予防を心がけることで中耳炎の発症を回避できる可能性が高いです。
鼻炎にかかわる症状を治療する、搭乗時に鼻の通りをよくするなどです。

ダイビングで使用されるバルサルバ法やトインビー法などの耳抜きも有効です。強く耳抜きをすると鼓膜穿孔や内耳気圧外傷をきたすことがあるので中でもトインビー法を推奨しています。
トインビー法とは、鼻孔を指でつまんで閉じ、鼻咽腔に軽く陽圧をかけながら嚥下を行う方法です。

また下降時にアメや飲み物を少しずつ飲むなども有効です。
眠ると耳管が狭くなる可能性があるので下降時に睡眠をとらないようにするとよいでしょう。

航空性中耳炎の治療経過(合併症・後遺症)

耳閉感は誰しも感じやすいが長時間続かない限りはあまり問題になりません。

難聴の改善などに時間を要することもあります。

航空性中耳炎になりやすい年齢や性別

近年の調査は確認できませんが、1946年の文献では2000人に1人の割合で耳の症状がおきたとしています。

執筆・監修ドクター

水島 豪太
水島 豪太 医師 水島耳鼻咽喉科 副院長 担当科目 耳鼻いんこう科

経歴2009年に日本大学医学部を卒業。初期研修課程終了後、東京医科歯科大学耳鼻咽喉科へ入局。東京医科歯科大学付属病院や土浦協同病院などの市中病院で研鑽を積み、カリフォルニア大学サンディエゴ校へ留学。
2016年7月より医療法人社団則由会AGAヘアクリニックを院長として開院すると同時に水島耳鼻咽喉科副院長に就任。

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