女性に多い!低気圧で頭痛が起こる理由は?緩和する5つの方法とは
【医師監修】
低気圧が頭痛を引き起こすことがあります。
天気が悪い時に頭痛がしたり、身体がだるくなったりすることはありませんか?
女性は男性よりもなりやすく、鎮痛剤が効かない場合も少なくありません。
この記事では、低気圧によって頭痛が起こる原因や、痛みを和らげる方法、、病院で受ける検査と治療、鎮痛剤を服用するさいの注意点について、解説します。
低気圧によって頭痛が起こるのはなぜ?
まずは、低気圧が頭痛を引き起こす理由や、低気圧によって起こる頭痛の特徴について解説します。
1.低気圧が頭痛を引き起こす原因
低気圧によって、頭痛やだるさなどの症状を訴える多くの方は、気圧の変化を敏感に察知しているといえます。
自律神経のバランスが崩れる
気圧が低下すると、空気中の酸素の量が少なくなることで自律神経のバランスが崩れ、頭痛が起こりやすくなります。
血行不良になりやすい
また、低気圧のときは、血行不良になりやすく、血液の流れが滞ると、首や肩、全身の筋肉が緊張します。
それにより、血行障害が長く続いて頭痛につながりやすいといえます。
血管が拡張しやすくなる
さらに、低気圧のときは大気が体に及ぼす力が減少してして、血管が拡張しやすくなります。
脳の血管が拡張することで、三叉神経を刺激します。血管の脈動に合わせてズキズキとした痛みが起こるのはこのためです。
2.低気圧による頭痛の特徴
低気圧による頭痛には、いくつかの特徴があります。
片頭痛が数日~数時間続く
以下のような症状が、数時間または数日間続くことがあります。
・ズキズキと痛む
・体を動かすと痛みが増す
・こめかみから目の周辺が痛い
・光がまぶしく感じ吐き気がする
・音に敏感になる
・普段なら気にならない匂いが不快に感じる
鎮痛剤の作用がないことも
全員ではありませんが、低気圧による頭痛においては、市販の鎮痛剤が効かない人も少なくないようです。
ただし、痛みがひどくなってからではなく、ひどくなる前に鎮痛剤を飲む方が頭痛には効きやすいといえます。
女性に多い
低気圧による頭痛は女性に多い症状です。
原因ははっきりとしていませんが、男性の約4倍といわれています。
女性は、ホルモンバランスに左右されやすい性質があり、感覚も敏感で、微妙な気圧の変化を感じ取りやすい面があるのかもしれません。
3.低気圧の影響を受ける人と受けない人がいる
すべての女性が、全員低気圧による頭痛が起こるかといえば、そうではありません。
台風や梅雨などの時期でも、頭痛を感じない人もいます。
その人その人の体質によって違い、低気圧の影響を受けやすい人と、そうでない人がいるようです。
4.低気圧ばかりではない、頭痛の原因
低気圧以外に、次のような原因でも頭痛が起こることがあります。
女性ホルモンの急激な変動が頭痛に関係する
生理と関連して頭痛が起こることもあります。
女性ホルモンのエストロゲンの分泌量は、生理周期に伴って変動します。エストロゲンは排卵日と生理開始期に急激に減り、この急激な変動が頭痛に関係してくるのです。
そのため、エストロゲンの急激な変動が少ない妊娠中は、頭痛が起こりにくいといえます。
緊張から解放されると頭痛が起こることも
また、仕事や日常の生活、大きな悩みから解放されるなど、緊張が解けると頭痛が始まることがあります。
緊張している間は、血管が収縮しており、緊張が解けると血管が広がって、血流が良くなるために頭痛が起こります。
空腹やまぶしい光、寝不足などによっても頭痛が起こることもあります。
血管に作用する食べものも頭痛の誘因に
アルコールやチョコレート、チーズなどの特定の食べ物を食べることによっても頭痛が起こることがあります。アルコールは血管を拡張させる作用があり、チョコレートやチーズには血管を収縮させる作用があります。
これらのものを口にしたからといって、すべての人が必ずしも頭痛が起こるわけではありませんが、頭痛が起こる要因の1つであると心に留めておくとよいでしょう。
自分でできる!低気圧による頭痛の改善&予防法
続いて、低気圧による頭痛を和らげる方法と、前もってできる予防法をご紹介します。
1.頭痛を和らげる5つの方法
ひどくなる前に鎮痛剤を飲む
頭痛が起こりそう、あるいは頭痛がおきはじめたら、すぐに鎮痛剤を飲むと作用があります。
頭痛がひどくなってからでは、鎮痛剤が効かないこともあります。
冷却材で冷やす
首筋やこめかみなどを、氷嚢や保冷剤で冷やすことで頭痛を和らげることができます。
カフェインをとる
珈琲やお茶などに含まれるカフェインは、血管を収縮させ頭痛を和らげてくれる働きがあります。
ただし、カフェインの摂りすぎは不整脈、不安、興奮、不眠、幻覚、震えなどの問題が起こることがあります。摂りすぎると体に良くないので注意しましょう。
ゆったりと体を休める
頭痛がひどい時は、暗くて静かなところでゆったりと体を休めるようにしましょう。体を締めつけない服装で、安静にすることが大切です。
乗り物の酔い止めが効くことも
乗り物の酔い止めは、自律神経や内耳のバランスが崩れるのを整える働きがあります。
頭痛に悩んでいる方は、一度試してみても良いでしょう。
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2.頭痛薬を常用しても良い?
頭痛のときの薬は、私たちの強い味方ですが、普段から常用してしまうと、いざという時に聞きにくくなってしまいます。
また、飲みすぎると反対に頭痛を誘発することもあります。
頭痛薬の飲みすぎによる症状
次のような症状がある場合は要注意です。
・月に15日以上頭痛がある
・頭痛薬を月に10日以上飲んでいる。
・朝起きた時から頭痛がする
・以前はよく聞いていた頭痛薬が効かなくなってきた
・頭痛の程度、痛みの性質、痛む場所が変化することがある
・以前は月に数回、片頭痛が起こっていた
沢山薬を飲まざるを得ないようなら、一度の医師に相談してみましょう。
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3.低気圧による頭痛を予防する方法
生活習慣を見直す
生活習慣を見直して、自律神経のバランスを整えていくようにしましょう。
自律神経のバランスを整えるには、規則正しい生活を送る、バランスの良い食事をとる、睡眠をきちんととる、適度な運動をする、ストレスをためないことなどが大切です。
頭痛が起こる『前兆』を知る
頭痛の前に体にちょっとした変化が起こることがあります。
例えば、首や肩の筋肉の緊張、耳が詰まった感じがする、目がちかちかする、あくびが出るなどです。このほかにも何かしらの症状が出ているかもしれません。個人差があると思いますが、頭痛が起こる前の前兆を知っておくことは役立ちます。
また、こうした症状がある場合には、事前に鎮痛剤などの準備をしておくとよいでしょう。
最近はアプリなどで気圧の状態が分かるものもあります。大きな気圧の変動も知ることができるため、慣れてくると頭痛が起きそうな時の心構えができるかもしれません。
低気圧による頭痛がつらいときは、病院で相談を
低気圧にる頭痛で病院を受診すると、どのような絵検査や治療が行なわれるのかについて解説します。
1.何科を受診するべき?
頭痛の頻度が多い、痛みがひどい、三日程度薬を飲んでも症状が変わらない場合は、専門の病院を受診しましょう。
診療科目は、頭痛外来、脳神経内科になります。自宅の近くにこれらの病院がない場合は、内科を受診して相談します。
2.病院で受ける検査
問診
いつ、どのような時、どのくらい頭痛が起こるか、痛みの場所など、頭痛以外の問診がされます。
必要に応じて各種検査を行う
必要であれば、尿検査や血液検査。検査設備が整っており検査が可能であれば、MRIやCTなどで脳の中の検査をします。これらのことを総合し、医師が原因を探り、診断や治療方針を決めていきます。
3.低気圧による頭痛の治療法
頭痛の症状や原因に合わせ、治療を行っていきます。軽度や中度であれば市販薬が効くこともありますが、重度であればほとんど効かないことも珍しくありません。
首や肩など筋肉の張りが原因の場合
頭痛の原因が、首や肩など筋肉の張りにあるようなら、筋肉の緊張をなくす薬や血流を改善する薬が処方されることもあります。
ストレスが原因の場合
頭痛の原因がストレスにあれば、抗精神剤などが処方されることもあります。
痛みを止める鎮痛剤は、どちらの場合でも処方される場合が多いですが、処方されるとは限らないため、処方薬については担当医とよく相談してみましょう。
まとめ
気圧の変化は自分で調整することができません。また、低気圧と頭痛の関係は、体験したことのない人に理解してもらうのは難しいといえます。
日常生活を穏やかに過ごし、少しでも頭痛が和らぐように心がけましょう。頭痛が起こりそうだなと思ったら、早めの対処を心がけましょう。規則正しい食習慣、適度な運動、頑張りすぎずストレスをためないようにするなど、日々の生活習慣を見直すようにしてみてください。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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