不眠症を改善する食事・飲み物は?ホットミルクがおすすめ!香辛料は避けて
『不眠症』は、日中のだるさや眠れないことに対するストレスなど、生活していくうえで大きな悩みとなるものです。
まずは、症状や状態からどの種類の『不眠症』なのかを考え、原因を知って改善していくことが大切です。
この記事では、『不眠症』の改善法についてくわしく解説していきます。
どこからが不眠症?4つのタイプに分けられる
まず、不眠症の原因やタイプについて簡単に解説します。
1.不眠症、じつは多くの人が発症している!?
早い人は20代前後でも発症します
不眠症は、日本では約5人にひとりが悩んでいるとされている身近な病気です。
早い人は20代前後で発症し始め、その後は年齢とともに不眠の頻度や患者数が増加する と考えられています。
不眠症とされる状態はこの3つ
くわしい症状は人によってさまざまですが、以下のうち一つでも当てはまれば『不眠症』とさていれます。
- 寝つくのに時間がかかる
- 寝てもすぐに起きてしまう
- 眠った感じがせず、疲れが抜けない
不眠症はタイプによって症状がちがいます
以下のいずれかの症状によって、日常生活に影響が出て本来の生活が送れなくなっている状態は不眠症と診断されます。
- 『入眠障害』…寝つきが悪く布団に入ってもなかなか寝られないもの
- 『中途覚醒』…寝ている間に何度も目が覚めてしまうもの
- 『早朝覚醒』…早く目が覚めてしまい寝られなくなるもの
- 『熟眠障害』…睡眠時間をとったにもかかわらず疲れが取れない、眠いなどと感じるもの
不眠症を改善するための飲み物や食事について
つづいて、不眠症を改善するのにおすすめ・避けた方が良い食事や飲み物について解説します。
1.温かい飲み物で、心も身体もリラックス
ちょうどいい温かさの飲みものをゆっくりと
体の調子を整えるためにも、興奮している身体を落ち着かせるためにも、温かい飲み物は有効です。熱すぎず、飲みやすい温かさにして飲みましょう。
おすすめの飲物は「ホットミルク」
牛乳には睡眠に良いとされる「トリプトファン」が含まれているので、温めてホットミルクにするのがおすすめです 。
ココアにしたり、シナモンを入れたりすると飲みやすくなるでしょう。
豆乳もおすすめ
同じ乳製品として、豆乳もおすすめです。
少しクセはありますが、牛乳よりもトリプトファンを多く含んでいます。
カモミールティーは、心と身体をやわらげてくれます
カモミールティーは、ハーブティーのなかでも、疲労回復やリラックス作用があるといわれています。
風味や味が苦手な方は、はちみつを入れてもよいでしょう。ハーブティーのなかでは、ラベンダーティーもおすすめです。
2.避けた方が良い食べ物と積極的にとりたい食べ物
これはNG!避けた方がよい食べ物
夜は、唐辛子やコショウなどの香辛料や刺激のつよい食べ物は胸焼けを起こして寝つきが悪くなるので控えましょう。
また、アルコールやコーヒー を飲んだりすると寝つきが悪くなります。アルコールを分解する際に発生する「アセトアルデヒド」には睡眠を妨げる作用があり、カフェインは交感神経の働きを高めてしまうためです。
揚げ物や肉類など、消化に時間がかかりすぎるものもひかえたほうがよいでしょう。
これらの食習慣がある方は、すぐに寝られると感じていてもじつは眠りが浅いなど、睡眠障害が起きていることがあります。
積極的に摂りたい食品は?
チーズなどの乳製品・魚・アーモンド・卵などは、身体に負担をかけず、適度にお腹を満たしてくれます 。
消化にかかる時間(3~5時間ほど)を考慮して、食事は少なくとも就寝の3時間前に終えておくことも大切です 。
3.そのほか気をつけたいこと
寝る前にスマートフォンやパソコンを見るのも控えることをおすすめします。
目を使うと脳を刺激され、眠りにくくなくなります。寝る前は電子画面を見ないようにして、目や脳を休ませてください。
「睡眠導入剤」などの薬について。副作用はある?
1.睡眠導入剤ってどんな薬?
睡眠導入剤は、入眠をうながすための薬です。
おもに寝つきを改善するもので、『入眠障害』の症状がある不眠症の人に効果があります。
寝つきを改善させる薬は、即効性があるものが多いのが特徴です。
2. 睡眠導入剤以外の薬について
「一度寝たのに何度も目が覚めてしまう」「夜中に起きてしまう」など、『中途覚醒』の症状がある場合は、睡眠導入剤とは別のちがう種類の薬が処方されます。
睡眠薬の種類はとても多く、効き始めや効果の持続する時間は薬によってちがうため、不眠症の種類や度合いによって、医師が判断します。
3.睡眠薬とのちがいは?
睡眠薬と睡眠導入剤は、同じものをさしていることも多いです。
強いて言うなら『睡眠薬』は睡眠効果のある薬全般を指し、『睡眠導入剤』は眠りに導く効果が特に高いものを指します。
4.使用に際しての注意点。副作用は?
睡眠導入剤には、だるさや頭痛などの副作用があります。また、日中に異常な眠気に悩まされることもあります。
効きすぎている場合には、医師と相談して種類やその量を調節する必要があります。
「自分の状態や身体に合わない」と感じた場合には、迷わず医師や専門家に相談しましょう。
不眠症の原因は?放置するとどうなる…?
体質により、体のバランスを保ちやすい人と崩しやすい人がいるのは確かです。
そのため、同じ条件でも不眠症になる人とならない人がいます。しかし、現代のライフスタイルが少なからず関係しているのは事実といえるでしょう。
1.おもな原因は「生活リズムの乱れ」と「過度のストレス」
生活リズムの乱れとストレスが、身体にどんな影響をおよぼす?
不眠症は、生活リズムの乱れや過度のストレスが大きく関係しています。
それらによって、「メラトニン」というホルモンの分泌量が低下すると、不眠を引き起こします。
メラトニンと睡眠の関係って?
睡眠には「メラトニン」という脳から分泌されるホルモンが大きく関わっています。
メラトニンは別名「睡眠ホルモン」ともよばれており、覚醒と睡眠のスイッチを切り替えて自然な眠りを誘発する作用があります。
特に夜は多く分泌される傾向があり、メラトニンの分泌によって自然で深い眠りを保つことができます 。
そのため、メラトニンの分泌が障害されると、睡眠が乱れてしまいます。身体のバランスも崩しやすくなるでしょう。
2.パソコンやスマートフォンの使いすぎも不眠の原因に?
最近ではパソコンやスマートフォンの使いすぎも、睡眠障害の原因のひとつとされています。
これらの電子機器から発せられるブルーライトは、興奮や緊張の指令を出す「交感神経」を刺激し、リラックスの指令を出す「副交感神経」を弱める作用があるためです。
3.不眠症を放置した場合のリスク
寝られない、眠りが浅い、などの症状が出ていると精神的にも負担がかかってきます。
そのため、そのまま放置していると『うつ病』や『自律神経失調症』など、精神的な病気を引き起こす可能性があります。
まとめ
不眠症はそのタイミングや度合いによっていくつかの種類に分けられます。
まずは、日頃の生活の見直しや、飲み物・食べ物で工夫してみましょう。
それでも改善しない場合は、医師に相談して睡眠導入剤などの薬を利用しながら、少しずつ安定した睡眠がとれるようにしていきましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2002年 福井医科大学医学部卒業
2014年 自治医科大学大学院卒業(医学博士)
総合内科科より研修をはじめ、 以後、糖尿病、内分泌代謝にて活躍している
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