不眠症のセルフチェック!あなたのタイプは?病院へ行くべき症状とは
現在、日本人の5人に1人が「睡眠における不安」を抱えています。
睡眠時間が減ったり睡眠の質が落ちたりすると、イマイチ力が入らず、生活にも影響が出てしまいますよね。
睡眠についての悩みは人それぞれで、不眠症の種類によってもちがってきます。
この記事で、『不眠症チェック』をして、ぜひ確認をしてみてくださいね!
不眠症について
1.不眠症とは
不眠症とは、睡眠に障害を抱え 、昼間の生活や仕事に支障をおよぼす症状のことです。
睡眠についての悩みは、「寝つきが悪い」「朝が起きづらい」「夜中に目が覚めてしまう」など人それぞれで、不眠症の種類によっても変わってきます。
2.不眠症には4つのタイプがある!
不眠症には、『入眠困難』『途中覚醒』『早朝覚醒』『熟眠障害』の4つのタイプがあります。
- 入眠障害…夜間になかなか入眠できず、寝つくのにふだんより2時間以上かかる
- 途中覚醒…一旦寝ついても夜中に目が覚めやすく、2回以上目が覚める
- 早朝覚醒…朝起きる予定の時間よりも2時間以上早く目が覚めてしまう
- 熟眠障害…朝起きたときに、ぐっすり眠った感じが得られない
3.不眠症の判断基準は?
「不眠の症状が週2回以上しばしば見られ、かつ少なくとも1ヵ月間は持続している」「不眠のために苦痛を感じているか」「社会生活または職業的機能が妨げられている」などをすべて満たすと不眠症と判断されます。
不眠症かもと思ったら!セルフチェック
それぞれの項目で、当てはまるものに○をし、判定の点数を見てみましょう。
該当するものにチェック | 判定 | |
---|---|---|
入眠困難 | ほぼ毎日2時間以上寝つけない | 3点 |
ほぼ毎日30分以上寝つけない | 2点 | |
30分以上寝つけない日の方が多い | 1点 | |
時々、30分以上寝つけないことがある | 0点 | |
途中覚醒 熟眠障害 |
途中で何度も目が覚め、30分以上寝つけなくなることが多い | 3点 |
途中で何度も目が覚め、30分以上寝つけないことが時々ある | 2点 | |
途中で目が覚めても30分以内に再び眠れるが、熟睡感がない | 1点 | |
途中で目が覚めることはあまりなく、ほぼ熟睡できる | 0点 | |
早朝覚醒 | 毎晩のように真っ暗なうちから目が覚めて、それ以降は眠れない | 3点 |
毎晩のように明け方早く目が覚めてそれ以降は眠れない | 2点 | |
明け方早くに目が覚めて、それ以降眠れないことが時々ある | 1点 | |
朝まで大体眠れる | 0点 | |
日中の眠気 居眠り |
一日中眠気が強く、どこででも居眠りしてしまう | 3点 |
一日中眠気があり、時々居眠りする | 2点 | |
午前中、または夕方のみ眠気が強まる | 1点 | |
日中の眠気や居眠りはあまりない | 0点 |
判定結果
これらのチェックで、以下のように自己判定ができます。
- 3点が1項目以上、または、合計得点が5点以上…重度の睡眠障害の疑い
- 2点が1項目以上、または、合計得点が3点以上…中度の睡眠障害の疑い
- 1点が1項目以上…軽度の睡眠障害の疑い
不眠症のタイプから考えられる原因は?
不眠症の原因は持続期間によって分かれます。
持続期間 | 原因 | |
---|---|---|
一過性不眠症 | 一晩から数日 | 特別なできごと・ストレス・生活習慣の急な変動・時差・昼寝のしすぎなど。 |
短期不眠症 | 2、3週間 | 転職・失業・離婚・経済的危機・健康上の重大な問題・身近な人の死などの精神的に大きな負担がかかるできごと。 |
慢性不眠症 | 数週間以上 | “眠れなかったらどうしよう”と不安になる『精神生理性不眠症』、何か特別な原因があったわけではない『特発性不眠症』のどちらかであることが多い。そのほか、思春期から青年期に見られる『概日リズム睡眠障害』、中年男性に多い『閉塞性睡眠時無呼吸』『むずむず脚症候群』など。 |
- 精神生理性不眠症:仕事や私生活にストレスがある
- 概日リズム睡眠障害:昼に眠くなり夜は眠れない状態、倦怠感、食欲不振
- むずむず脚症候群:主に夕方から夜にかけて脚を動かさずにはいられないなどの不快感が生じる
不眠症って病院に行ったほうがいいの?
1.このような場合は病院へ!
2.のチェックで、重度または中度の睡眠障害かも?と感じた方や、すでに日常生活に支障がおよんでいる方は、受診することを考えましょう。
睡眠について病院を受診する場合、原因によって科がちがうため3.の表で原因を確認しておくことをおすすめします。
2.何科にかかればいいの?
ほとんどの睡眠障害については、心療内科や精神科を受診すると良いでしょう。
『精神生理性不眠症』『概日リズム睡眠障害』『むずむず脚症候群』の場合も同じです。
精神的な負担 が見られる場合
精神的に負担が大きく、ストレスが溜まっている場合は「精神科」のある医療機関への受診が必要です。
『睡眠時無呼吸症候群』の場合
睡眠時無呼吸症候群については、「内科」「呼吸器内科」「耳鼻咽喉科」でも治療をおこなっているところが多いです。
3. 病院を受診する前に
病院では、自覚的のある症状、日常動作での支障、睡眠時間などについて聞かれます。不眠症のチェックリストの項目も確認するでしょう。
受診の際には、事前にこれらをメモしておくと伝えやすいですね。
4.病院で受ける治療
不眠の原因に注目して対処していく治療
具体的には、寝室の環境・就寝起床時間の安定化・規則正しい運動とバランスのよい食事・体内時計の調節などです。
これらの指導をおこなうことで、身体が睡眠に入りやすい状態をつくっていきます。
重度の不眠の場合は薬を使用することも
重度の不眠がある場合や、じゅうぶんに睡眠できないことによる疲れ(睡眠負債)が溜まっているのに眠れない場合は、一時的に薬を使用することがあります。
また、『精神生理性不眠症』で、苦痛が大きい場合にも薬を使用することがあります。
いずれの場合も、後で止めやすい薬を使用し、習慣性や依存性が高くなりやすいものはできる限り避けましょう。適正な量、使用方法を守ることも大切です。
まとめ
自分に合った睡眠の環境や条件を選びましょう
「不眠症」といっても、原因や期間、症状などは人によってちがいます。
早く眠ろうとして焦ったり、不安になったりすると、かえって眠気は遠ざかってしまいます。
じゅうぶんな睡眠をとるには、“眠ること”から意識をそらして、眠りに入りやすい環境や条件を整えることです。
睡眠はパワーを蓄える時間です
睡眠は、日々元気に暮らすためには欠かせないものです。
質の良い睡眠をしっかりとって、日中の活動を活発にしたいですよね。
不眠症について不安になる前に、チェックリストで確認をしてみてはいかがでしょうか。
執筆・監修ドクター
経歴2002年 福井医科大学医学部卒業
2014年 自治医科大学大学院卒業(医学博士)
総合内科科より研修をはじめ、 以後、糖尿病、内分泌代謝にて活躍している
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