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がいりんぱろう外リンパ瘻

更新日:2022/08/10 公開日:2019/05/21 view数:9,220

外リンパ瘻(がいりんぱろう)とは、内耳リンパ腔と周辺臓器の間に瘻孔(ろうこう)が生じる疾患です。
瘻孔は蝸牛窓、前庭窓だけでなく、骨折部や炎症によっても生じます。
内耳に異常が起きるため、内耳の働きである「聴こえ」に障害がおき難聴や耳鳴りが生じることや、外リンパ液が半規管を刺激し平衡感覚に障害が起きるため、めまいやふらつきが生じます。
突発性難聴メニエール病などと症状が似ていることもあり、他の病気として治療されているケースや、程度が小さく、医療機関にかかっていない人もいると考えられます。

治療には保存的治療と手術治療がありますが、未だに治療方法は確立されていないのが現状です。
保存療法に関しては、ステロイド使用も賛否が分かれています。


目次
  1. 外リンパ瘻の症状
  2. 外リンパ瘻の診療科目・検査方法
  3. 外リンパ瘻の原因
  4. 外リンパ瘻の予防・治療方法・治療期間
  5. 外リンパ瘻の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 外リンパ瘻になりやすい年齢や性別

外リンパ瘻の症状

外リンパ廔の主な症状は、難聴、耳鳴り、耳閉感、めまい、平衡障害などです。
一般的な耳鳴りはキーンという音に対して、外リンパ瘻は「流水音」のような耳鳴りがすると申告する人が多いです。
めまいはぐるぐる回る感覚(回転性)のことが多く、ふわふわとした感覚(浮動性)を訴える場合もあります。
他にもめまいや平衡障害にともなう吐き気や嘔吐(おうと)、頭痛、耳痛を訴える例もあります。
突発的に発生することが多く、くしゃみや咳、鼻をかんだときなどをきっかけに発症することがあります。
典型的な症状としては、POP音(はじけるような音)の後に難聴やめまいが生じます。
突発性難聴メニエール病と間違えられることも多いです。

外リンパ瘻の診療科目・検査方法

耳鼻いんこう科を受診する必要があります。
耳鏡での視診にて外傷の有無を確認します。
CTやMRIなどの画像診断はその後の治療にも活用されます。
純音聴力検査では聴力の変動が確認される場合もあります。
程度はさまざまだが眼振を認めることもあります。
眼振は頭位眼振検査によって確認します。瘻孔検査は病態の悪化につながるので実施には注意が必要です。

他に有名な検査として外リンパ特異的蛋白であるCTPと呼ばれる生化学検査を行う場合もあります。
これは外リンパ瘻に特異的な唯一の検査です。

外リンパ瘻の原因

外リンパ瘻は内耳を満たしている外リンパ液が漏れ出ることが原因でおこります。
内耳のリンパ液は音波の振動が蝸牛有毛細胞を刺激し、音として知覚されるために必要です。
同時に内耳は平衡機能も司るため、外リンパ液が漏れ出すことで聴覚や平衡機能に関わるさまざまな症状があらわれます。

考えられる外リンパ瘻の原因は大きく「後天性」「先天性」「先天か後天いずれか不明」の3つに分けられます。
後天性の中にはくしゃみや鼻を強くかむ、咳、力むなどの日常的な何気ない動作から、水中ダイビング、飛行機などによる高度変化、スポーツなどが誘因となりえます。
他には、頭部や全身を打撲したことで発症したり、耳かきなどを奥に突っ込んだりしてしまい発症します。
2つ目は奇形にともなうもので、生まれつき中耳や内耳の奇形にともない外リンパ液が漏れてしまう場合です。
3つ目は上半規管裂隙症候群(じょうはんきかんれつげきしょうこうぐん)と呼ばれます。

外リンパ瘻の予防・治療方法・治療期間

通常は発症から2週間程度の早期治療が望ましいです。

リンパ液が漏れ出している孔(瘻孔)は自然に閉鎖する可能性があります。
そのため保存的治療法として、瘻孔がふさがりやすくなるよう脳脊髄圧を下げる目的で頭を30度の角度を保って上げた状態で安静を保ち突発性難聴に準じた治療を行います。
ただし、ステロイド薬の使用に関しては賛否が分かれています。
この治療は入院して行います。

保存的治療法では効果がない場合や、難聴が進行する場合、めまいが強い場合は外科的療法を選択する場合があります。
瘻孔を閉鎖するために瘻孔閉鎖術や内耳窓閉鎖術を行います。

また悪化や再発を防ぐため、日常生活でも耳に圧力を与えないよう息を止めない、気張らないなど、退院後3ヶ月程度は日常生活について注意が必要です。

外リンパ瘻の治療経過(合併症・後遺症)

多くの場合、治療が可能だが、めまいや難聴などが残ってしまうことがあります。
また外リンパ瘻自体は進行しても生命に関わる疾患ではありませんが、後遺症が残る可能性があります。

外リンパ瘻になりやすい年齢や性別

全国的な調査が行われたことはないです。
他の疾患として治療されている可能性もありますが、多くの人におこる可能性のある疾患です。

参考・出典サイト

執筆・監修ドクター

水島 豪太
水島 豪太 医師 水島耳鼻咽喉科 副院長 担当科目 耳鼻いんこう科

経歴2009年に日本大学医学部を卒業。初期研修課程終了後、東京医科歯科大学耳鼻咽喉科へ入局。東京医科歯科大学付属病院や土浦協同病院などの市中病院で研鑽を積み、カリフォルニア大学サンディエゴ校へ留学。
2016年7月より医療法人社団則由会AGAヘアクリニックを院長として開院すると同時に水島耳鼻咽喉科副院長に就任。

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