ひとつのIDでさまざまな施設の順番待ち・予約が可能

EPARKグループ

夜間・休日に電話1本で医師がご自宅へ

急な発熱時など往診(自宅で診察・処方)の無料電話相談を受付しています。

0066-98090-0345523(無料電話相談)

夜間・休日に電話1本で医師ご自宅へ

今すぐ電話する無料電話

はんせんびょうハンセン病

更新日:2022/08/09 公開日:2019/11/20 view数:3,356

ハンセン病(はんせんびょう)とは、らい菌という細菌による感染が原因でおこる病気です。らい菌は皮膚に感染し、多くは末梢(まっしょう)神経や皮膚に症状があらわれます。ほかにも精巣、眼、鼻、のどの粘膜に感染し障害をおこすこともあります。

古くから記録に残っている病気です。この名前は1873年にらい菌を発見したノルウェーのアルマウェル・ハンセン医師の名前をとり、ハンセン病と呼ばれるようになりました。

ハンセン病はらい菌が潜伏してから増殖するまで時間がかかります。そのため、症状がでるのは感染してから早くても1年後です。発症が始まるタイミングの平均は5~7年で、なかには20~30年後に発症することもあります。また、発症後にゆっくりと進行するのも特徴です。

病気への誤解から、歴史的にもさまざまな問題があります。現在では治療が可能になり、日本では新たな感染者もほとんどいませんが、そうした当時の出来事が社会問題として根深く残っています。

目次
  1. ハンセン病の症状
  2. ハンセン病の診療科目・検査方法
  3. ハンセン病の原因
  4. ハンセン病の予防・治療方法・治療期間
  5. ハンセン病の治療経過(合併症・後遺症)
  6. ハンセン病になりやすい年齢や性別

ハンセン病の症状

ハンセン病の症状は、らい菌に感染した人がどのような反応をおこすかによって変わります。よく知られる症状は皮膚と神経への症状です。

皮膚症状では発疹ができたり、盛り上がったりします。ハンセン病特有の皮膚症はなく、さまざまな形状の発疹がおこります。

皮疹が6個以上あるものは細菌が多い多菌型、1~5個であれば少菌型に分類します。

神経への症状では、皮膚の下層にある神経へ感染することでしびれがおきたり、感覚がなくなったりします。

症状はいくつかに分類されています。

「類結核型」は白い発疹があらわれます。発疹には盛り上がりがなく、できる数も1~数個です。細菌が皮膚下の神経を損傷することで、しびれをおこします。

「らい腫型」はたくさんの隆起やさまざまな形状の発疹があらわれます。範囲は類結核型より広いため、しびれの範囲もそれにともない広くなります。そのため筋力の低下がおこることもあります。腎臓や鼻、精巣など、身体の多くの部位へひろがることで、侵された臓器の機能低下がおこることもあります。まつげやまゆ毛がなくなるなどの症状もみられます。

類結核型と、らい腫型の両方の特徴をあわせもった「境界型」もあります。

症状が重くなると末梢神経の触覚が鈍くなります。そのため痛みや温度を感じにくくなります。やけどや切り傷ができても気がつかず、治療が遅れ、最終的には手足の指を切断しなければいけないようなこともあります。

ハンセン病の診療科目・検査方法

ほとんどは皮膚科での診療をおこないます。

最初に皮膚や神経への症状の状態を確認します。その後、感染した皮膚組織をサンプルとして採取して検査し、らい菌がいないか確認します。

らい菌を見つける検査は「皮膚スメア検査」といいます。皮膚症状のある部分にメスを刺し、付着した皮膚組織を顕微鏡で観察し、らい菌を見つける検査です。

ハンセン病の原因

ハンセン病は、らい菌への接触によってひろがります。細菌を含んだ飛沫(ひまつ)を吸い込むことで感染する飛沫感染や、触れることで感染する接触感染があります。

しかし、細菌自体に毒力はありません。そのため、感染によって命にかかわるようなことはありません。

また、細菌に触れた全員が発症するということではありません。感染した場合に発症する危険性があるのは乳児期に、長期的にらい菌と濃厚な接触があった場合です。

遺伝することはなく、発病する場合も、免疫や栄養、衛生状態、環境などがかかわっていると考えられます。多くの人は感染しても発病せずに一生を終えると考えられています。

ハンセン病の予防・治療方法・治療期間

抗菌薬を飲み薬として使用します。単独の薬剤で治療すると、らい菌が薬への耐性をもち効果がなくなることがあります。そのため複数の抗菌薬を使います。

らい菌を排除するために、ある程度長期的に治療をおこなう必要があります。重症度にもよりますが、抗菌薬の投与は6カ月~数年続けます。

ハンセン病の治療経過(合併症・後遺症)

損傷してしまった神経や患部の変形を元の状態に戻すことはできません。そのため、早期に診断し、重症になる前に治療を開始する必要があります。

らい菌は感染力が弱いため、治療を開始すれば感染をひろげることはありません。

ハンセン病になりやすい年齢や性別

どの年齢でも発症しますが、そのなかでも5~15歳の若い世代と30歳以上で多い傾向があるとされています。

しかし、毎年新たに発症する人は世界規模でも減少傾向にあります。日本では数名程度です。国内では1993年では、日本人8名、日本在住の外国人10名程でした。2017年では日本人1人、日本在住の外国人1人です。

日本で患者さんが今後増えることはほとんどないと考えられています。

執筆・監修ドクター

岡村 信良
岡村 信良 医師 久野銀座クリニック 理事長 担当科目 消化器内科

経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

メールアドレス:任意
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
コメント(オプション):

関連する病気

ハンセン病以外の病気に関する情報を探したい方はこちら。

関連カテゴリ

ハンセン病に関連するカテゴリはこちら。