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とうにょうびょうせいけとあしどーしす糖尿病性ケトアシドーシス

でぃーけーえーDKA
更新日:2022/08/16 公開日:2019/02/05 view数:14,531

糖尿病性ケトアシドーシスとは?

糖尿病性ケトアシドーシスは代表的な糖尿病の急性合併症です。
インスリンが低下している状態の糖尿病の患者さんがブドウ糖を分解してエネルギーにすることができなくなることでおこります。
ブドウ糖がエネルギーにできないため高血糖になります。また、脂肪をエネルギーにしようとすることでケトン体という物質が分泌されます。
ケトン体が弱酸性の物質のため血液が酸性に傾いていきます。
そのため、高血糖症状とケトン体による代謝異常をおこします。

適切な治療をおこなわないと昏睡し、死亡することもありますが、適切な治療が可能であれば良好に回復します。

目次
  1. 糖尿病性ケトアシドーシスの症状
  2. 糖尿病性ケトアシドーシスの診療科目・検査方法
  3. 糖尿病性ケトアシドーシスの原因
  4. 糖尿病性ケトアシドーシスの予防・治療方法・治療期間
  5. 糖尿病性ケトアシドーシスの治療経過(合併症・後遺症)
  6. 糖尿病性ケトアシドーシスになりやすい年齢や性別
  7. 編集部脚注

糖尿病性ケトアシドーシスの症状

激しい口渇、多飲、多尿、体重減少、全身倦怠感、消化器症状(悪心、嘔吐、腹痛)などのあきらかな脱水症状を起こします。

糖尿病性ケトアシドーシスの診療科目・検査方法

早急に医療機関を受診する必要があります。本来の担当は内分泌内科ですが、取り急ぎ、救急科を受診しましょう。

検査は血液検査(血糖のほか、ナトリウム、カリウム、クロールなどの電解質)、尿中ケトン体、動脈血検査を行います。

糖尿病性ケトアシドーシスの原因

インスリン(※1)注射の中止や減量、インスリン抵抗性の増大、感染、清涼飲料水の多飲などが原因として挙げられます。

糖尿病性ケトアシドーシスの予防・治療方法・治療期間

脱水症状に対して十分な輸液と電解質の補正、およびインスリンの点滴による投与により血糖の調節を行います。

基本的に糖尿病の治療も兼ねるため、持続的な治療が必要です。

脱水や血糖改善により病状は徐々に改善していきます。ただし治療経過中における合併症(脳浮腫(※2)、腎不全、低カリウム血症(※3)、急性感染症など)に注意を必要です。

糖尿病性ケトアシドーシスの治療経過(合併症・後遺症)

生命に関わるため、診断されたらすぐに治療が必要です。

糖尿病性ケトアシドーシスになりやすい年齢や性別

性差はなく、若年者に多い病気です。

編集部脚注

※1 インスリン

インスリンは、「血糖値を下げるためのホルモン」です。
膵臓――ランゲルハンス島のβ細胞でつくられ、食後に上昇した血糖値を低下させる働きを持ちます。
血糖値を上げるホルモンはいくつかの種類が存在しますが、血糖値を下げるホルモンはインスリン1種類だけです。
そのため、インスリンがきちんと機能しなくなると、高血糖を抑えることができません。
その状態が「糖尿病」です。

※2 脳浮腫

脳浮腫は、「脳がむくんだ状態」です。
脳は頭蓋骨の内部に入っています。脳浮腫で脳の体積が増えても、頭蓋内の空間は限られています。
そのため、脳浮腫が顕著になると「脳が頭蓋内で圧迫された状態」になります。
この状態を「頭蓋内圧亢進(とうがい-ないあつ-こうしん)」と呼びます。
頭蓋内圧が過剰になると、脳の一部が大後頭孔(だい-こうとう-こう:頭蓋骨にもともと存在する穴)から飛び出る「脳ヘルニア」を起こす恐れもあります。
脳ヘルニアを発症した場合、予後は厳しくなります。

※3 低カリウム血症

低カリウム血症は、「血液中のカリウム濃度が低下した状態」です。
血中カリウム濃度が「3.5mEq/L未満」に下がった場合、低カリウム血症となります。

ここで、「Eq(イクイバレント:当量)」という単位の意味を解説します。
Eqを理解するためには、前提として「mol(モル:物質量)」という単位を知る必要があります。
1molは、「12gの炭素12の中に含まれる炭素原子の個数」です。
具体的には「6.02×10の23乗個」になります。
もし、「濃度1mol/Lの食塩水」と表現した場合、「水溶液1リットルあたり、【6.02×10の23乗個の原子】相当のNaClが存在する濃度」です。

molが理解できたところで、Eqに関して説明します。
Eqは「水溶液に溶けている物質が持っている電荷の量に関して、molを基準に示した単位」です。
具体例をあげると簡単に理解できます。 たとえば、塩化カルシウム(CaCl2)を水に溶かすと、水の中で「カルシウムイオン(Ca2+)」と「塩化物イオン(Cl-)」にわかれます。
カルシウムイオンは「プラスの電荷×2」、塩化物イオンは「マイナスの電荷×1」を持っています。
このとき、「1molのカルシウムイオン」の当量は「2Eq」です。
カルシウムイオン1つあたりの電荷が2なので、1molあたり2Eqになります。
塩化物イオンは1つあたりの電荷が1なので、「1molの塩化物イオン」の当量は「1Eq」です。

今回、記事内で扱っているカリウムがイオン化すると「プラスの電荷×1(一価の陽イオン)」になります。
ですから、カリウムイオン(K+)は、1molあたり1Eqです。
生体内の電解質濃度は低いので、実際に血中濃度を示すときには「molの1000分の1」あるいは「Eqの1000の1」に相当する単位を用います。
「1000分の1m(メートル)=1mm(ミリ・メートル)」と表すのと同じく、単位に「ミリ」を加えます。「mmol(ミリ・モル)」「mEq(ミリ・イクイバレント)」です。
低カリウム血症の基準値である「3.5mEq/L=3.5mmol/L」になります。3.5mEq/Lは、すなわち「血液1リットルあたり、【6.02×10の20乗×3.5個】に相当するカリウムイオンが存在すること」を意味するのです。

参考・出典サイト

執筆・監修ドクター

吉岡 啓
吉岡 啓 医師 吉岡内科医院 院長 担当科目 糖尿病内科/内科

経歴川崎医科大学 卒業
川崎医科大学付属川崎病院研修
川崎医科大学付属病院勤務
現在 医療法人吉岡内科医院勤務

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