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くるーぷしょうこうぐんクループ症候群

更新日:2022/08/10 公開日:2019/04/26 view数:36,359

クループ症候群(くるーぷしょうこうぐん)とは、「しわがれ声」を意味する言葉です。
喉頭や声門の周辺が炎症をおこして腫れ、空気の通り道が狭くなることにより、声のかすれ、呼吸困難を引きおこします。
生後6ヶ月から3歳くらいの乳幼児で上記症状がでた場合は、クループ症候群を疑います。

クループ症候群の特徴的な咳(せき)は犬やオットセイの吠え声に形容されるため、「犬吠様咳嗽」(けんばいようがいそう)と呼ばれています。
ウイルスや細菌などの感染によりクループ症候群を発症します。
最も頻度の多いウイルス性クループは1~3日前の上気道症状に引き続き、特徴的な犬吠様咳嗽が認められます。

クループ症候群は高熱を伴うことがあり、重症化することもあります。
まれではありますが、細菌性のクループ症候群の場合は、重症な呼吸困難を引きおこすことがあるので、注意が必要です。

目次
  1. クループ症候群の症状
  2. クループ症候群の診療科目・検査方法
  3. クループ症候群の原因
  4. クループ症候群の予防・治療方法・治療期間
  5. クループ症候群の治療経過(合併症・後遺症)
  6. クループ症候群になりやすい年齢や性別

クループ症候群の症状

クループ症状とは、喉頭付近の狭窄(きょうさく:せまくなること)により上気道閉塞症状をきたし、息を吸い込むときに呼吸がしにくくなる「吸気性呼吸困難」を呈する疾患群の総称です。

初期症状の多くは鼻水やくしゃみ、軽いせきや微熱などの風邪の症状からはじまります。それらに続いて声が枯れてくるが、そのタイミングで「犬吠様咳嗽」と呼ばれる特徴的な咳をするようになります。

犬吠様咳嗽は犬、アザラシやオットセイなどの吠え声によくたとえられ、金属的と表現されることもあります。また息を吸い込むときに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」などと表現される、いわゆる喘鳴(ぜんめい)の症状も起こります。

これは吸気性喘鳴と呼ばれており、クループ症候群が重症化していくとおこる代表的な症状です。これらの症状は気道の腫れによるもので、呼吸困難をともないます。

また、患者の半数に発熱が起こります。症状は夜中に悪化し、朝には軽快します。こうした状態を3~4日程度繰り返すことが多いです。

改善に向かうと咳はたんの絡んだようなゴホゴホという湿性咳嗽(しっせいがいそう)に変化していきます。

クループ症候群の診療科目・検査方法

呼吸が苦しそうであったり、咳が止まらなかったりしていれば小児科を受診しましょう。

診断は、咳の音を確認することが第一歩となります。

他の疾患による咳に比べ、非常に特徴的な音がすることから大きな手がかりのひとつとなります。

それ以外に、気道の狭窄があるかなどを調べるために頸部や胸部のX線検査をおこなうこともあります。

細菌性のクループ症候群は病状の進行が早く、呼吸状態の悪化に注意が必要です。

クループ症候群の原因

感染性クループ症候群は、おもにウイルスにより発症する喉頭炎(こうとうえん)、喉頭気管炎(こうとうきかんえん)、喉頭気管気管支炎(いわゆるウィルス性クループ)と、細菌により発症する急性喉頭蓋炎、細菌性気管炎、喉頭ジフテリアに分類されます。

ウイルス性クループ症候群の原因ウイルスにはパラインフルエンザウイルスやRSウイルス、インフルエンザウイルスなどが挙げられます。中でもインフルエンザウイルスに起因するものは、重症化しやすいことで知られているので十分注意を払う必要があります。

また、細菌性のうち喉頭ジフテリアは日本では予防接種も普及しているため現在ではめったにないと考えても問題ありません。急性喉頭蓋炎の多くはインフルエンザ桿菌による侵襲性感染症(しんしゅうせいかんせんしょう)です。

非感染性クループ症候群としては気管異物、外傷性などが挙げられます。

※侵襲性感染症・・・本来は無菌である部位へ細菌が侵入して炎症をおこす感染症のことです。

クループ症候群の予防・治療方法・治療期間

軽症であれば、水分を摂取し、加湿器などで湿度を高く保った環境で安静にしましょう。喉頭粘膜の充血・腫脹の軽減を目的としてアドレナリンの吸入を行います。

重症であれば、炎症を抑えるためデキサメタゾンの投与を行います。呼吸状態の経過観察や低酸素のために入院して治療する場合もあります。

麻薬性鎮咳薬は呼吸抑制をきたしやすく、抗ヒスタミン薬は気管粘膜を乾燥させるために使用を控えましょう。

通常は3~4日で回復します。

細菌性のクループ症候群の場合は抗菌薬を使います。呼吸困難の悪化の進行が早く、厳重な呼吸の管理が必要な時もあります。

クループ症候群の治療経過(合併症・後遺症)

ウイルス性クループ症候群の予後は悪くありません。ほとんどの患者さんは数日の経過を経て完全に回復します。

ただし、乳幼児の場合は治療前に特に注意する必要があり、呼吸困難が強ければ早急な受診が必要な場合もあります。

細菌性のクループ症候群は呼吸困難の悪化の進行が早く、厳重な呼吸管理が必要となることが多いです。

クループ症候群になりやすい年齢や性別

主に生後6ヵ月から3歳くらいの小児に起こります。6歳以降になるとほとんど起こりません。

性差については特に指摘されていません。

参考文献

小児の咳嗽診療ガイドライン
小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017
小児の治療指針 小児科診療2018年増刊号 診断と治療社

執筆・監修ドクター

橋村 裕也
橋村 裕也 医師 はしむら小児科 院長 担当科目 小児科/腎臓内科

経歴2003年 関西医科大学 卒業
2003年 神戸大学医学部付属病院小児科入局
2004年 六甲アイランド病院小児科
2005年 愛仁会千船病院小児科
2007年 神戸大学医学部附属病院小児科 医員/神戸大学大学院医学系研究科医科学専攻(博士課程)小児科学 入学
2010年 神戸大学医学部附属病院こども急性疾患学講座 特命助教 
2011年 神戸大学大学院医学系研究科医科学専攻(博士課程)小児科学 卒業
2012年 兵庫県立こども病院小児科
2012年 愛仁会高槻病院小児科医長 2017年より小児科部長
2018年 はしむら小児科 開院

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