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かくまくかがくふしょく角膜化学腐蝕

かくまくかがくがいしょう角膜化学外傷
更新日:2022/08/23 公開日:2020/07/07 view数:3,427
目次
  1. 角膜化学腐蝕とは
  2. 角膜化学腐蝕の症状
  3. 角膜化学腐蝕の診療科目・検査方法
  4. 角膜化学腐蝕の原因
  5. 角膜化学腐蝕の予防・治療方法・治療期間
  6. 角膜化学腐蝕の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 角膜化学腐蝕になりやすい年齢や性別

角膜化学腐蝕とは

角膜化学腐蝕とは、化学物質が目に入ってしまったことにより、目の表面がダメージを受けることです。

原因となる化学物質は、家庭用の洗剤、殺虫剤、パーマ液、消毒に使われるエタノールなどの身近なものから、工事現場で使われる化学薬品など専門的に扱われるものまでさまざまです。化学物質の種類、濃度、目に入った量、目に入っていた時間によって重症度は変わります。重症になると、深刻な後遺症が残ることもあります。また、失明してしまう場合もあります。

化学物質が目に入ってしまった場合、最初にするべきなのは目からその物質を取り除くことです。病院へ行くよりも先に、できるだけ大量の水で、できるだけ長く目を洗う応急処置を行ってください。その後、できるだけ早く眼科を受診しましょう。状況によっては、救急車を呼んだ方が良い場合もあります。

薬品などを扱う仕事をしている人は、防護メガネやゴーグルを使用することで事故を予防することも大切です。

角膜化学腐蝕の症状

目に薬品が入った直後の症状は、軽症の場合では目がしみる・ゴロゴロする・充血する、などがあります。重症例では、涙が止まらなくなったり、激しい痛みのために目が開けられなくなることがあります。

化学物質の性質・量・眼表面から除去できるまでの時間によって重症度は変わります。目に薬品が入った直後に適切な処置ができなかった場合、目が動かしにくくなったり、黒目が濁って見えにくくなるといった後遺症が生じる場合があります。

角膜化学腐蝕の診療科目・検査方法

角膜化学腐蝕の場合、早く受診することよりも早く有害物質を除去することの方が優先順位が高いため、まずはできる限り早く大量の水で目を洗いましょう。その後、できるだけ早く眼科を受診してください。この際可能であれば、何が目に入ったのかがわかる容器や説明書を持参するようにしましょう。

化学物質の性状がアルカリ性もしくは強い酸性が疑われる場合には、涙のpHを計測します。涙が中性でなければ中性になるまで目を洗います。瞼の裏側に異物が目視できる場合、異物が無くなるまで目を洗います。

その後、細隙灯顕微鏡検査による前眼部の観察を行います。フルオレセインによる染色で眼表面の障害の程度を確認します。必要に応じて他の検査を追加します。

角膜化学腐蝕の原因

有害な化学物質が目に入ることでおこります。化学物質が目に入る原因の大半は事故です。

原因となる化学物質は工業用薬品ばかりではなく,家庭用洗剤、化粧品、ヘアカラー、殺虫剤などがあります。

角膜化学腐蝕の予防・治療方法・治療期間

初期治療の上で最優先とすべきことはとにかく眼表面からの有害物質の除去です。いかに早く目の表面から有害物質を除去できたかが予後に関わります。

有害物質の除去の具体的な方法は状況によってさまざまです。基本的には有害物質が除去されるまで目を洗います。状況によっては、表面だけではなく眼球の中を洗うこともあります。角膜の最表面である角膜上皮の壊死した部位を除去することがあります。これは、角膜上皮の再生を阻害する可能性がある場合に行われます。

有害物質を除去したあと、必要に応じて炎症を抑える治療、感染を予防する治療、痛みのコントロールなどを行います。

有害物質が除去できた時点での目の障害の程度によって、その後の治療方法や治療期間は変わります。

角膜化学腐蝕の治療経過(合併症・後遺症)

原因となる化学物質の性質・量・どれだけ早く取り除けたかによって、予後は大きく変わってきます。一般的にアルカリ性の物質は酸性の物質よりも深く浸透する傾向があります。ガラスエッチングや清掃に使用されるフッ化水素酸も急速に浸透する傾向があります。

瞳孔(いわゆる黒目)を覆う角膜の一番表面にある角膜上皮は、軽症の場合は完全に修復され、透明性が維持できます。しかし重症かつ広範囲に損傷した場合、完全修復は困難になります。眼球の白目の表面から瞼の裏を覆っている粘膜「結膜」が、損傷した角膜上皮から侵入し瞳孔まで達してしうと、回復が難しい視力低下の原因になります。また、角膜上皮層より更に深く損傷が進むと、治療が難しい角膜の濁りを引きおこし、視力低下の原因になります。

角膜化学腐蝕の治療で最も大切なことは、早急な有害物質の除去と消炎、感染予防、痛みのコントロールです。適切な処置を行い、状態が安定した時点で良好な視力が維持されていれば治療は必要ありません。視力が低下した場合、視力を回復させる治療を検討します。

たとえば移植手術を検討する場合、メリットやデメリットを患者さんの状態によって慎重に決定していきます。
移植手術後は一般的に長期にわたって治療が必要になります。

角膜化学腐蝕になりやすい年齢や性別

特別な職業に就いていなくても、原因となるものは身の周りにたくさんあります。そのため、誰にでもおこる可能性があるといえます。

内因性の疾患ではなく、疾患として発症しやすい年代と性差があるわけではありません。環境として有害物質と接する機会が多い方がリスクが高いと考えられます。

執筆・監修ドクター

寺井 和都
寺井 和都 医師 西早稲田眼科 院長 担当科目 眼科

経歴1996年 防衛医科大学校卒業
2002年 米国Johns Hopkins Wilmer Eye Institute, Research Fellow
2003年 米国University of Cincinnati, Research Assistant Professor
2006年 京都府立医大大学院卒業
2006年 明治鍼灸大学助教
2011年 明治国際医療大学講師
2011年 品川近視クリニック
2014年 ばん眼科
2018年 西早稲田眼科開院

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